記念すべき60周年の2018年BTCCイギリス・ツーリングカー選手権が4月7~8日のブランズハッチで開幕し、週末の3戦でFK2型ホンダ・シビック・タイプR、ボクスホール・アストラBTCC、トヨタ・アベンシスと異なる3車種が勝利。節目の1年にふさわしい、混戦を予感させるシーズンの幕開けとなった。
長い伝統と格式を持つツーリングカー・シリーズとして、今年"ダイヤモンド・ジュビリー"のシーズンを迎えたBTCCは、そのレース1を前に今季最初の予選から、エントリーする全32台が予選で1.2秒以内に収まるという超接近戦の様相に。
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その激闘を制し自身3度目のポールポジションを獲得したのは、ホンダのサテライトチームとして今季もFK2型シビック・タイプRを走らせるユーロテック・レーシングのジャック・ゴフ。
2番手につけたサム・トルドフ(モーターベース・パフォーマンス/フォード・フォーカスRS)との差は、わずか0.093秒、セカンドロウ3番手のコリン・ターキントン(ウェスト・サリー・レーシング/BMW125i Mスポーツ)とも0.105秒というハイレベルな争いが繰り広げられた。
夜間に豪雨となり難しいコンディションで幕を開けた日曜午前のレース1は、ダンプコンディションながらFFマシンの弱点をうまくカバーしたゴフがホールショット。2番手にFRのWSRターキントン、そして僚友である5番グリッドスタートのアンドリュー・ジョーダン(BMW125i Mスポーツ)がジャンプアップし、ブラック&イエローのシビックを追う展開となった。
しかしその後方、2番グリッドからドロップした2年ぶりシリーズ復帰のトルドフが、新型FK8シビックのマット・ニール(チーム・ダイナミクス/ホンダ・シビック・タイプR)、マット・シンプソン(ユーロテック・レーシング/FK2型ホンダ・シビック・タイプR)とのバトルになり、インディ・レイアウトの後半セクター、サーティースの進入でスリーワイドに。
そこで行き場を失い、まだ水気を多く含んだグラスエリアに飛び出したシンプソンはコントロールを失い、スピンモードでトルドフにヒットし、2台はアウト側に弾かれコースオフ。これでシンプソンのマシンはサスペンションを破損してストップ。
さらに、ニールのマシンも左フロントを破損しており次のコーナーでコースオフを喫し、この多重アクシデントで早々にセーフティカー(SC)が出動する。
ピットでの修復なったトルドフが合流し、7周目にリスタートとなったレースは、ゴフが首位をキープし、ターキントンが追いかける展開に。
3番手には今季からチーム・ダイナミクスに加入したダン・カミッシュ(FK8型ホンダ・シビック・タイプR)が浮上するも、テール・トゥ・ノーズで迫ったジョーダンがルーキーを攻略し早々に3番手を確保。後方では今季からアルファロメオ・ジュリエッタにスイッチしたハンディ・モータースポーツのロブ・オースティンがバトル中のコンタクトでステアリングを破損しピットへ。
そうした中団以降のトラブルを尻目に、ターキントンを引き連れて逃げを打ったゴフが難しいオープニングラウンドで一度もトップを明け渡すことなくポール・トゥ・ウインを達成。2位にターキントン、3位にジョーダンと、WSRの王者経験者が肌寒いウェット路面を攻略して表彰台を確保して見せた。
続くレース2も、レース前半はレインタイヤが。ドライ路面が露出し、どんどんコンディションが好転していく中盤以降はスリックタイヤが速さを取り戻す難しいレース展開となるなか、ほとんどがレインタイヤをチョイスした上位陣に対し、スリックを履くギャンブルに出たワークス・ボクスホール、セナ・プロクター(パワー・マックス・レーシング)のアストラBTCCが、最終ラップに首位で突入したエイデン・モファット(レーザー・ツールズ・レーシング/メルセデス・ベンツAクラス)をオーバーテイク。27番グリッドから奇跡の大逆転勝利を決め、自身とチームにとって記念すべき初勝利を飾った。
そして開幕ラウンド最終戦となるレース3は、リバースポールのロブ・オースティンを逆転したトヨタ・アベンシスのトム・イングラムが、昨年に続き開幕戦勝利を挙げ、週末40ポイントを獲得して最初のポイントリーダーとなった。
BTCCの第2戦は、4月最終週となる28~29日にドニントンパークで開催される。
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