5ナンバーを守り抜いてきた国産車も肥大化!
青春時代、まだスマホもなく、クルマが最高の相棒だった時代を経験している50-60代のクルマ好きにとって、同じ車名のクルマながら、現行車が旧来のイメージとはまるで違うと感じることがある。「えっ、これがあのクルマなの!!」というように……。
前のほうがイケメン? マイナーチェンジで理解しがたい見た目になった国産車トップ5
1)ホンダ・アコード
たとえば、6代目まで5ナンバーサイズだったホンダ・アコード。ボクも個人的にUSアコード・ワゴンの2代目を2台続けて所有していた時代があったぐらいでアコードには思い入れがあるのだが(2.2リッターのガソリン車)、今では全長4900×全幅1860×全高1450mm、ホイールベース2830mmと、かつてのホンダの最上級セダンのレジェンド並みのサイズになっただけでなく、e:HEVと呼ばれる2モーターのハイブリッドのみとなっている。もともとハイブリッド専用車の「インサイトかよ!!」といわれてもしょうがない。
しかも、アコードは初代以来、誰もが買えるオートドックスなセダン(ワゴン)であって、今の465万円のモノグレード価格は、内外装の立派さはともかく、アラフィフ世代が持つアコードのイメージとは大きくかけ離れている感アリだろう。
2)トヨタ・カローラ
日本の国民車として1966年の初代以来、多くのユーザーに愛されてきたトヨタ・カローラも、現在の12代目では初の3ナンバー専用車となっただけでなく、ガソリン車の人気グレードW×B 1.8リッター CVTで231万5500円、売れ筋のハイブリッドのHYBRID W×B 2WDともなれば275万円である!! 先進安全運転支援機能のトヨタセーフティセンスが付いているとはいえ、もはや気軽に買える価格ではなくなった。
そもそももっとも安い、でも、まず一般ユーザーは買わないであろうセダンのエントリーモデルでさえ193万3600円に達するのだ。70年代のマツダRX-7、いすゞ117クーペなんていうスポーツカー、ラグジュアリークーペが160万円前後だったことを知る世代にとっては、物価に違いはあるものの、カローラで200万円台後半のグレードもあると聞くと、けっこう衝撃だったりするのである。
ボディサイズの巨大化や最新機能を備えるなど進化し続けている
3)トヨタRAV4
1994年にデビューし、乗用車ベースのクロスオーバーSUVとして一躍世界中で大ヒットしたトヨタRAV4。XA1型と呼ばれる初代は3ドアで全長3705×全幅1695×全高1645mm~と、日本の狭い道にもジャストな5ナンバーサイズの扱いやすさも人気の秘密だったはず。が、今では北米市場を見据えてのこととはいえ、全長4600×全幅1855×全高1685mm、ホイールベース2690mmにまで肥大。
しかも、価格は人気のガソリン車のアドベンチャーグレードで331万円、ハイブリッドの中心グレードのHYBRID X E-FOURで359万6000円、さらに、そのPHVともなれば469万円~である。デカイ、高い……初代RAV4を知る世代にとっては、隔世のRAV4になってしまった感がある。もちろん、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したぐらいで、素晴らしいSUVなんですけどね。
4)MINI
巨大化……という意味では、ミニをあげないわけにはいかないだろう。1959年にBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)から登場した初代ミニは全長3051×全幅1410×全高1346mmのまさに「ミニ」だった。
が、たとえば最新のBMWミニのクロスオーバーともなれば、全長4315×全幅1820×全高1595mmと、岩のように!? 巨大。街で見かけても、「ミニ」な印象はゼロ。相当デカい!! かつてのオリジナルミニを知る世代にとっては、ミニが存続していることは大歓迎なものの、「もはやミニじゃない」と感じて当然だろう。
5)フォルクスワーゲン・ゴルフ
それは、世界のコンパクトカーの基準であり続けているフォルクスワーゲン・ゴルフも同様だ。1974年にデビューした、イタルデザインのG・ジウジアーロデザインによる初代ゴルフ=ゴルフ1は全長3725×全幅1610×全高1410mm、ホイールベース2400mmだった。
ボクも愛車として1984年型2代目ゴルフを所有していたのだが、それでも全長3985×全幅1665×全高1415mmと、もちろん5ナンバーサイズのコンパクトさがあった。が、7代目のゴルフ7ともなれば、全長4265mmはともかく、全幅は1800mmに達し、3ナンバーサイズとなる。もっとも、ボクも今、ゴルフ7ヴァリアントに乗っているが、日本の道でもある意味、ジャストサイズだと思っている。ゴルフ8が大きく肥大していないのは、幸いである。
ただ、ゴルフ7のメイングレードと言っていいTSIハイラインで300万円台後半という価格(在庫のみ、または完売)は、「装備が充実しているとはいえ、ちょっと高すぎるんじゃない!?」と、ゴルフ=ドイツ製大衆車というイメージが残るアラフィフ世代は思うのであります……。基本がマイルドハイブリッドになるゴルフ8になれば、さらにパフォーマンス、機能、先進装備が充実して、高額車になること必至。そもそも大衆車にデジタルコクピットなんていう先進装備があること自体、不思議に思ったりするんですが、時代は、そーゆーことなんでしょうね。旧来価値、常識に縛られ、理解に苦しんでいたら、時代に取り残されるか……。
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みんなのコメント
初代miniの精神とは似ても似つかない車になっちゃった。特にあのチャラついた内装は納得出来ない。