IMSAの監督オフィシャルによってポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの抗議が棄却されたため、ウェザーテック・スポーツカー選手権第5戦ワトキンス・グレンおける、BMW Mチーム RLLの勝利が確定した。
6月25日、ニューヨーク州のワトキンス・グレン・インターナショナルで行われた6時間レースでは、レース後の車検において、トップチェッカーを受けたマシュー・ジャミネ/ニック・タンディ組の6号車ポルシェ963のスキッドブロック厚が規定に届かなかったためクラス最後尾へと降格、暫定リザルトでは2番目にゴールした25号車BMW Mハイブリッド V8のニック・イェロリー/コナー・デ・フィリッピ組が繰り上がり優勝となった。
優勝取り消し裁定を受けたポルシェが抗議の意向。スキッドブロック違反は『1mm未満』/IMSA第5戦
その後、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが抗議を申し立てたため、リザルトは暫定扱いが続いていたが、6月29日木曜になってIMSAの監督オフィシャルはポルシェの抗議を棄却、暫定リザルトが正式なリザルトとなることが明らかにした。
「日曜日のレースでIMSAからレース後のテクニカルペナルティに関する正式な通知を受けたポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、その後抗議を要請した」と声明には記されている。
「IMSAの監督オフィシャルはポルシェ・ペンスキー・モータースポーツから提供された書類を確認したが、ペナルティの決定を覆すようなものは見つからなかった。ペナルティは支持され、レースの正式結果とポイントランキングは今朝発表された」
一方、ポルシェ・ペンスキーは以下の声明を発表している。
「ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、先週の日曜日に行われた6時間レースで総合優勝を飾った6号車がクラス最下位に降格される結果となったワトキンス・グレンでのレース後車検の結果に対する我々の抗議の棄却というIMSAの決定を受け入れなければならない」
「チームは、レース後に計測されたフロントのスキッドブロックの磨耗を引き起こすような車高でレースをするつもりはなかったし、その結果、パフォーマンスの恩恵を受けることもなかった」
「予期せぬ摩耗は、レース中のダメージによって引き起こされ、その結果、アンダーウイングとフロントスキッドエリアに変化が生じ、空力的に不安定になり、バウンシングが発生していた」
「チームとドライバーたちがこれほど素晴らしい仕事をしてくれたのだから、我々は前進し、来週末のカナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パークで再び勝利を目指して戦うしかない」
また、BMW MチームRLLのチーム代表であるボビー・レイホールは、確定した結果について次のように述べた。
「もちろん、IMSAのテクニカル・グループの決定には満足している。勝利に勝るものはないが、私が最もハッピーなことは、ワトキンス・グレンのレースを通してBMW MハイブリッドV8が良いペースを見せたことだ」
「新時代のGTPプログラムにおいて、大西洋の両岸で非常に長い期間にわたって熱心に取り組んでくれたBMWのみんなに感謝している」
「我々のスタッフは昨年7月からミュンヘンに滞在し、マシンの組み立てを手伝っていた。9月にマシンを受け取り、10月からテストを開始した。シーズン開幕から5レースが終了し、我々は勝者になった」
レース当日は車検後に暫定結果が判明したため、デ・フィリッピ、イェロリー、そしてBMWチームは、勝利を祝う機会を逃していた。セレブレーション写真は、レース明けの月曜日にグレンでのミシュランのタイヤテストに参加した際、ビクトリーレーンで撮影されていたものだ。
「もちろん勝利は勝利だが、僕らはこのような状況での勝利は望んでいなかった」とデ・フィリッピ。
「最後の4分間も(6号車ポルシェにパスされずに)リードを保っていたかったし、チームメイトと勝利を祝いたかった」
「でも、これがレースなんだ。BMW MチームRLLのみんなは、序盤の不運な接触による問題を克服し、レースを通して驚異的な仕事をしてくれた」
「望んでいたような形の優勝ではなかったかもしれないが、優勝に値する速さは確かにあった」
ワトキンス・グレンでの勝利により、イェロリーとデ・フィリッピは直近4戦中3戦で表彰台を獲得したことになる。
この勝利により、25号車のコンビはGTPランキング5位から2位に浮上し、首位の31号車アクション・エクスプレス・レーシング・キャデラックVシリーズ.Rのピポ・デラーニ/アレクサンダー・シムズ組に64ポイント差と迫っている。
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