SROモータースポーツ・グループのステファン・ラテル代表は、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジの1戦だった『2020 第49回サマーエンデュランス「BHオークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース」』中止を受け、2020年末にアジア圏で代替レース開催を検討していると明かした。
IGTCはバサースト12時間やスパ24時間といった耐久レースで構成されているシリーズ。2020年は5大陸で行われる5レースで争われる予定だった。
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このうち鈴鹿10時間はアジア圏での1戦として8月20~23日に開催が予定されていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受け、5月22日に2020年大会の中止が発表されている。
鈴鹿10時間中止により、2020年のIGTCは当初の予定より1戦少ない全4戦で争われる見込みとなったが、シリーズを運営するSROは5大陸5戦というスケジュールを維持するべく、代替イベント開催の可能性を模索しているという。
SROのラテル代表は、その代替イベントを11月19~21日に2020年シーズン最終戦として南アフリカで開催するキャラミ9時間後に、アジア圏で実施するべく検討を進めていると明かした。
参戦するチームの資材や人員の移動費なども念頭に「キャラミと連続した旅程での開催を検討している」とラテル代表。
「だから限りなく年末に近い日程での開催になる。それが今のアイデアであり、話し合いを進めているところだ」
「もちろん現時点でなにかが決まっているわけではない。ただ(シリーズに参戦する)チームに向けて、我々が“プランB”に取り組んでいると伝えることが重要だ。今後数週間のうちに結論が出ると思っている」
またラテル代表は、代替ラウンドが開催できない場合は全4戦でシリーズを閉幕させると示唆したほか、アジア圏外で代替ラウンドを開催するつもりはないとしている。
「もし代替イベントを開催できれば、我々は当初の予定どおり全5戦を開催できる。代替イベントを開催できなかった場合、2020年シーズンは全4戦での争いになる」
「多くの選手権が当初予定したものよりも少ないイベント数での開催を余儀なくされており、我々もその仲間入りを果たす可能性があるということだ」
「とにかく、この件については作業を進めているところだ。当初の予定どおり、IGTCを5大陸5レースで実施したい。そのためにアジアでの開催を模索している」
具体的な開催候補地について、ラテル代表は口にしなかったものの、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットでの復活開催については「計画にない」と否定している。
■GTワールドチャレンジ・アジア開幕時期は各国の入国制限次第
またSROはアジア圏で行われるGTワールドチャレンジ・アジア・パワード・バイ・AWS(旧ブランパンGTシリーズ・アジア)の開幕時期についても検討を進めているようだ。
2020年のGTワールドチャレンジ・アジアは7月11~12日にオートポリスで開幕を迎え、7月末~8月上旬に富士で第2戦が行われる予定だが、ラテル代表はこれら2大会の開催日程には調整の余地があるとしている。
新型コロナウイルス感染拡大を受けて日本政府から発令された緊急事態宣言は5月末で全面解除されたものの、海外からの入国については6月に入っても全世界を対象とした制限が課されている。一部報道によれば、この入国制限は夏以降に順次緩和が検討されるという。
「どのシリーズも入国規制という問題に直面する。(GTワールドチャレンジ・アジアの場合)選手権の参加者全員の入国が認められる必要がある」とラテル代表。
「オートポリスと富士については、すぐに状況が分かるはずだ。もし海外からの入国が認められるようになれば、レースを開催できる。しかし、そうならなければチームはマシンを輸送することができず、現在の予定どおりレースを開催することはできなくなる」
GTワールドチャレンジはアジアのほか、ヨーロッパや北米でも地域シリーズが行われているが、ラテル代表はアジアでのシリーズ運営がもっとも新型コロナウイルスによる影響を受けていることも明かした。
「アジアでの運営がもっとも複雑なんだ。アメリカシリーズはアメリカ1カ国での開催であり、ヨーロッパシリーズはEU加盟国での開催で、彼らは入国制限については連携を取っている」
「一方、アジアは各国の事情が異なり状況が見通しにくい。シリーズ戦の中心である日本と中国でいつ規制が緩和されるか予測できないんだ。だから、もっとも運営が難しい」
「IGTCは(2月のバサースト12時間で)すでに開幕しており、エントリーも出揃い、レースも行われ、ポイントランキングもできている。すでに4戦は開催できる見込みで、課題はアジアでの代替イベントを行えるかどうかだ」
「対して、GTワールドチャレンジ・アジアは、当初の開催スケジュールどおりに事を運べなくなった。見通しも立ちにくい状況でかなり難しい運営を強いられる。香港にいる(シリーズディレクターの)ベンジャミン(フラナソビッキ)は懸命に作業をしているが、フラストレーションを抱えているはずだ」
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