次世代EVトラック 2025年製造開始
フォードは、次世代EVピックアップトラック「プロジェクトT3」を2025年に発売する計画を明らかにした。F-150ライトニングの後継と予想される。
【画像】フォード、次世代EVトラックに注力【新工場ブルーオーバル・シティと現行F-150ライトニングを写真で見る】 全44枚
フォードのジム・ファーリーCEOは「プロジェクトT3は、米国のトラックに革命を起こす一生に一度のチャンスです」と声明で述べている。
Fシリーズのピックアップトラックは、F-150が40年以上にわたって米国の新車販売台数のトップに君臨していることから、「米国の代表的なトラック」として広く認知されている。
フォードは、現在テネシー州に建設中の新工場「ブルーオーバル・シティ」で、2025年からプロジェクトT3を製造するとしている。
ブルーオーバル・シティは56億ドル(約7320億円)をかけて建設され、2025年の完成後は年間約50万台のEVトラックを製造する予定だ。工場ではカーボンフリーの電気や地熱を利用することで、カーボンニュートラルな車両・バッテリー製造を実現するという。
バッテリーセルとパックは同工場内で組み立てられるため、韓国や中国から輸送する場合のような経済的・環境的コストを削減することができる。また、米国内でバッテリーを生産することで、フォードはインフレ抑制法による税控除を利用できるようになる。
フォードの第3四半期決算説明会では、この税控除によってバッテリーコストを1kWhあたり約45ドル(約5880円)削減できると説明された。参考までに、世界で最も安いEV用バッテリー(中国企業CATL社製)は1kWhあたり134ドル(約1万7500円)だと言われている。
ジム・ファーリーCEOによれば、プロジェクトT3の製造工程も「同様に画期的」なものになるという。「根本的なシンプルさ、コスト効率、品質技術により、ブルーバル・シティはヘンリー・フォードのルージュ工場の現代版となります」
テスラは、大型の金属パネルの鋳造を可能にする「ギガプレス」機によって、EV製造のリーダーとして認知されている。英ロイター通信の報道によると、同社はモデルYを10時間で製造でき、これは他社製EVのおよそ3倍に匹敵する速さだという。
フォードは車両製造においてどのような開発を行ったのか、まだ完全には明らかにしていないが、プロジェクトT3がブルーオーバル・シティと連携して設計されていることは認めている。従来の工場よりも30%小さい面積で、より大きな製造量を確保するとされている。
昨年発売された現行F-150ライトニングは、内燃機関搭載のF-150をベースにしている。EV市場が未成熟であることを考えると、T3がF-150に取って代わるほどの主力製品となる可能性は低い。しかし、EV競争が次第に激化する中で、フォードは存在感を誇示しなければならない。
ゼネラルモーターズ傘下のシボレーとGMCは、それぞれシルバラードEVとシエラEVという新型ピックアップトラックを今後数年のうちに発売する。
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