ヒュンダイ・ブランドを構築する新モデル
text:Richard Lane(リチャード・レーン)
【画像】ヒュンダイ・アイオニック5 競合する純EVモデルと比較 全107枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
1台の優れたモデルで、ブランドイメージを形成した例が少なからず存在する。アウディはミドシップのスーパーカー、R8で優れたパフォーマンスを知らしめた。フィアットの500や、ベントレーのコンチネンタルGTも代表的な例だろう。
そして韓国のヒュンダイは、純EVのクロスオーバー・ハッチバックで、イメージを築こうとしている。2ボックスのサイドビューを維持しつつ、しっかり前衛的。キチリと折り目のついた面構成は、ランチア・デルタの影響を感じなくもない。
量産車ブランドとして関心を持たなかった読者でも、このデザインは無視できないだろう。ただし、すべてが容姿のように注目に値する、というほどではないようだが。
このヒュンダイ・アイオニック5が発表されたのは、2021年2月23日。早速英国の一般道で、プロトタイプの試乗が許された。予定通り進めば、6月下旬には英国での納車が始まる予定だという。
アイオニック5は、ヘリコプターで移動するほど巨大な工場を韓国に有する、ヒュンダイによる最新のプロジェクト。まだ量産車として完成していない部分も残されている。あくまでも、試作車として評価してみたい。
そもそもアイオニックは、2016年から製造されているフォルクスワーゲン・ゴルフ・クラスのモデル名だった。ハイブリッドとプラグイン・ハイブリッド、純EVの動力源が選べることが特長としていた。
EVのサブブランドとなるアイオニック
その従来のアイオニックは、アイオニック5の発売後も当面は残される。同時にアイオニックは、ヒュンダイのEV用サブブランドとして独立。価格も作り込みも、プレミアム・ブランドの位置を目指している。
ミドルクラス・サルーンのアイオニック6も開発中で、2022年には発売が始まる。大型SUVのアイオニック7は、2024年に控えている。
アイオニック5から7までは、ヒュンダイが新しく開発したE-GMPと呼ばれる電気自動車用のプラットフォームをベースとする。電圧800Vによる超高速充電に対応するほか、量産車初の一体型ドライブアクスルを採用したことをヒュンダイは推している。
この技術は、ホイールベアリングとドライブシャフトを一体化したもの。乗り心地と操縦安定性を高めるという。
競合モデルとしては、フォルクスワーゲンID.4が直接的な存在になる。まだ純EVは黎明期でもあり、ヒュンダイは日産リーフからテスラ・モデルSまで、多くのモデルの販売へ影響を与えたいとも考えている。
それでは、アイオニック5のデザインを詳しく見てみよう。フォルムはいわゆるハッチバックに近く、ジウジアーロのデザインのように大きく前傾したCピラーが特徴的。しかし、実際はゴルフよりかなりサイズが大きい。
全長は4640mmあり、BMW X3に近い。ホイールベースは約3mで、X5より長い。近づいてみると、全高も1600mmで思いのほか高い。ホイールアーチにはクロスオーバー風のカバーが付いている。
デザイン部門に巨費を投じた成果
256立法ピクセルの解像度を持つというLEDマトリックス・ヘッドライトが精悍な目つきで、ボディ各部には折り紙のように直線的なエッジが走る。2019年のフランクフルト・モーターショーで見た、コンセプトカーを思い出させる。
ドアハンドルはボディと一体のフラッシュタイプ。リアハッチ上部のスポイラーは、空気が流れる切れ目の入ったウイングタイプ。ルーフには一面ソーラーパネルが並び、電装系の電力を補助するだけでなく、特定条件では駆動用バッテリーの充電もできる。
シンプルでありながら、ディティールまで見事に作り込まれている。思わずじっくり観察したくなってしまう。ヒュンダイはデザイン部門に多額の投資を行ってきたが、その成果が表れたといえる。
2006年には、アウディに在籍していたデザイナーのペーター・シュライヤーを招聘し、ブランド変革を推進。2015年にはランボルギーニのデザイナーだったルク・ドンカーヴォルケを雇い、新モデル開発に携わらせている。
目を奪われるボディの内側は、どちらかといえば普通。アイオニック5は四輪駆動と後輪駆動が選べ、バッテリー容量は2段階が用意される。
今回試乗したプロトタイプは、トップグレードに相当するもの。前後に1基づつ、2基の駆動用モーターで最高出力306psを発揮し、バッテリー容量は72.6kWh。航続距離は410kmがうたわれている。
この続きは後編にて。
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みんなのコメント
韓国車とは思えない見た目。
高スペックだが価格も安い。
韓国ってアイドルといい家電といい
後発なのになんでこんなに勢いあんだ?