単にカワイイだけじゃない上質なデザイン
ダイハツから登場した軽自動車ムーヴのニューファミリー『キャンバス』は、“最新が最良”という言葉がピッタリのモデル。ストライプとモノトーンの計17色の豊富なカラーバリエーションを揃えるキャンバスは、それぞれのカラーが引き立つ丸みを帯びたフォルムにグリルやライトの新デザインを得て、その個性を新しさとともに感じられそう。
なんとホイールカバーを採用するモデルながら、デザインを優先するあまりその下のスチールホイール自体の形状も変えるほどのこだわりぶりだ。ブレーキ冷却用の穴とその効果を何度もテストしての採用とのこと。じつはこのキャンバスは、ココアやコンテに続く女性向けのモデルとして発表されている。
が、デザインにも質の高さが感じられ、使い勝手に優れるこのモデルは女性だけのモデルにしておくのはもったいないと思う男性がいても不思議ではない。親子で、夫婦でシェアして乗ってもOKな実力をもっていると感じたのだ。
ボディサイズは標準モデルのムーヴに対し、全長や全幅は同サイズとしながらも全高は25mm高く、室内の長さは+35mm、幅+25mm、高さ+5mm。
ちなみにタントと比べると全高は95mmも低く、たとえば運転席に着座時のヘッドクリアランスはタントのような盛大に広いタイプではないものの、ほどほど十分に広いという印象あり。
それに、なんとキャンバスには両サイドにオートクロージャ―付スライドドアが採用されている。そこでキャンバスはタントほど背は高くなくていいけれど、両サイドドアは便利で嬉しいという方には魅力的なパッケージ。さらスライドドアと工夫を凝らした収納が助かり、楽しめる“置きらくレイアウト”と呼ばれる新しい工夫もあり。
エンジンはNAのみだが「非力感」は少ない
またムーヴというファミリーネームをもつも、ボディ外板の下を形成する構造は、ムーヴやタント、ウエイクたちに採用しているそれらを適材適所にミックスしているとのこと。これはダイハツ内でも異例の開発手法なのだとか。
結果、開発者の方も「ボディのデキがいい」という。つまりキャンバスはムーヴの進化型というよりも、熟成が進む近年のダイハツの軽自動車の集大成ボディに、さら新しいアイディアを取り入れた一台。
ダイハツにとってニューモデル“キャンバス”=“最新が最良”という言葉が、実物に触れてパッと頭に浮かんだのだ。ちなみに車名の”canbus”は「can=何でもできる、可能性を広げる」「bus=バスなだけに乗り合う楽しさもアリ」、という意味がある。
キャンバスのエンジンラインアップはノンターボのみ。街乗り中心のモデルと考えているそうで、ターボエンジンの搭載予定はないという。ただ乗車人数や荷物の積載量にもよるものの、実際には幅広いライフスタイルに応えてくれそうな質実性の高い走行性能を得ていた。
高速や一般道を二人乗車で試乗した印象は申し分なし。発進のスムースさ、加速の力度合いは、ごく一般的な平坦路や多少の登坂路では物足りなさを感じることはなかった。高速道路の合流や追い越しの際にはアクセルペダルを多く踏んで一瞬は回転数も上がる。
が、「頑張ってるんだよ~、ひ~っ」というエンジンの声が聞こえそうな“エンジン音”も極めて静かなレベルに抑えられていたのだ。CVTのセッティングにもこだわり、加速時に回転ばかり上がる状態を抑えている。
エンジンについては高着火プラグの採用やエンジンオイルの改善も加えられ、性能のみならず燃費も向上している。
またロードノイズの少なさは、ボディ剛性を高めるためのフロア周辺の補強が相乗効果を発揮した結果だそうだ。ステアリング操作時のしっかり感も、ボディのそれとピッタリフィットしているから質の高いハンドリングが素直によさとして感じられるのだろう。
ハンドルを切る量の多少にかかわらず、手応えはしっかり。さらに切る/戻すという操作の手応えにも統一感があって、ドライバーはより思いどおりの操作がしやすいはず。それに直進安定性も十分に感じられるところがいい。
シート下のトレイとバスケットは超便利
すでにさまざまなモデルに採用される構造物を、より理想の走りの質を得るために組み合わせ、チューニングや補強を行ったキャンバスのドライブフィールの完成度はすでに高い印象を受ける。 さらにキャンバスの実用性を考え抜かれたパッケージに注目すると……。
まず新たな提案となる“置きラクレイアウト”。後席左右シート下に設置された引き出し式のトレーに、折りたたみができるバスケットまで用意された“置きラクボックス”の採用が新しく、さらにスライドドアとの組み合わせで荷物を積んでから乗り込むまでの動作を最小限に抑えられるアクセスも含む新パッケージをダイハツではそう呼ぶらしい。
引き出し式の収納は奥行317mm×幅272mm×高さ30mm。ココを開けたとたんに色々と常備しておきたいものが浮かんだ。折りたたみ傘やイザというときにゴミ袋としても使えるショッピングバッグ(ビニール袋)のストックやエコバッグ、ブランケット……。
それに助手席下にもアンダートレイがあって、パンプスなどが入るけれど、ペッタンコレインシューズなんかも入れておいたら便利そう。簡単なペット用品も納まるのではないかしら。
さらにスライド&リクライニングもする後席を使った左右分割アレンジによってたっぷりの実用スペースをつくり出すこともできる。
折りたたみ式のバスケットは前述のトレーにピッタリとハマるサイズであり、さらに高さが130mmもある(バスケットを使用したまま引き出しはシート下にはしまえない)ので買い物袋やハーブなどをプランターごと購入した際にもソレらが倒れるのを防ぎつつ運べそう。
たとえば食材を少し買いすぎてしまったときに重くなってしまうことがあり、常設の買い物フックに掛けるわけにはいかないし、シートや床に直置きすると動きやすい。それはラゲッジでも同じこと。むしろこのバスケットがあればラゲッジの使用頻度が減るかもしれない。
また万一のとき、荷物が気になって強いブレーキを躊躇してしまうという心配が減れば、予防安全にも繋がるはず。
スライドドアは後席と前席とのアクセスもよく、ちょっと後席に荷物を置いてそのまま人間は前席にスライドしてスッと乗り込むことができるのがラクちん。とくに雨の日などはこのスマートな導線は助かる。
安全性も触れておきたい。多くのグレードにレーザーレーダーやカメラを搭載し、追突軽減ブレーキや車線逸脱警報、誤発進抑制機能などがパッケージされるスマアシ(スマートアシスト)IIが装備される。
また、LEDヘッドライトを採用する一部のモデルには軽自動車初となる“Bi-Angle LEDヘッドランプ”を搭載。これはハンドル操作に合わせてヘッドライトの照射向きが変わり、カーブなどではより進行方向の視認性を高めてくれる安全/安心機能。街灯の少ない市街地では頼もしい“あかり”になってくれるだろう。
文頭で軽~く“女性向け”と書いておいたのにはワケがあって、あまり先入観をもたずにこのモデルは紹介すべきではないか、と考えたから。
ダイハツとしては、2001年には30%以下だった30~40代の未婚女性率が2014年には50%まで増加し、高齢化が進むなかで親と同居する女性たちも増えているとリサーチ結果を説明。
ゆえにキャンバスは、目の肥えた大人の女性と、扱いやすい一台を望む親子でシェアするケースを多分に想定してパッケージされたという。
でもね、扱いやすいサイズであることは間違いなく、パッケージングにも優れ、運転もしやすく乗り心地もいい。それに女性向けといっても開発者たちの目線の先には大人の女性がいたわけで、質の高いデザインはカワイさが恥かしくなるようなモデルでもない。
だから私は誰にということではなく、この最新かつ最良のモデルは老若男女問わず注目していいんじゃないかと、思うのであります。
(文:飯田裕子)
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