2022年のデイトナ24時間レースは、メイヤー・シャンク・レーシングのアキュラ60号車が総合優勝を飾った。4人のドライバーのうち、エリオ・カストロネベスにとってはデイトナ連覇を達成した形だ。
カストロネベスは、トム・ブロンクヴィストやオリバー・ジャービス、シモン・パジェノーとマシンをシェアし、同じアキュラARX-05を使うウェイン・テイラー・レーシングとの争いを制してトップチェッカーを受けた。
■衰えを知らないエリオ・カストロネベス、46歳でデイトナ2連覇「情熱があるなら、ひたすら突き進むのみだ!」
4度のインディ500制覇、インディカー通算32勝を挙げた46歳のレジェンドは、2020年にチーム・ペンスキーでIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のタイトルを獲得するなど、スポーツカーレースの世界でもその速さを発揮している。
しかし、彼はまだル・マン24時間レースには参戦したことがない。彼も、いつか伝統のレースで戦いたいという願望を決して隠していない。
デイトナでの優勝記者会見で、カストロネベスはチームの創設者で共同オーナーのマイケル・シャンクに「マイク、ル・マンに行こうよ。行こうよ!」と言ったのだ。
その後、ル・マン24時間レースはバケットリスト(死ぬまでにしたいこと)に入っているかと訊かれ、彼は次のように語った。
「そうしたいね。行ったことがないんだ。言うまでもなく試してみたいね。大きなイベントには行かないとね」
「ここ(IMSA)に移ってきてから、デイトナで勝つことが目標になった。ル・マンにも、もう少しで行けるところだったんだけど、残念ながら日程が合わなくてできなかったんだ」
「年齢が問題だとは思っていない。時間が足りないということはないと思う。僕は経験を積んでいる。そして、そういうレースを経験することが成功へのカギなんだ」
メイヤー・シャンク・レーシングとしても、LMP2クラス9位となった2016年以来となるル・マン復帰には意欲を示している。
しかし、現実的な参戦チャンスは最も早くて2023年だろう。メイヤー・シャンク・レーシングおよびウェイン・テイラー・レーシングは、2023年に導入されるアキュラのLMDhマシンを走らせる予定となっている。LMDh車両は、WEC(FIA世界耐久選手権)やル・マン24時間レースにそのまま参戦することができるのだ。
「確実に行きたい」とシャンクは語った。
「そして、それはホンダとアキュラ、HPD次第でもある。彼らは我々のコーポレート・パートナーなんだ。彼らが準備できたら、我々も行く」
「2016年はLMP2マシンで参戦し、かなり良い成績を残した。良い経験だった。そして、我々はそこに戻るだろう」
カストロネベスとメイヤー・シャンク・レーシングにとって、今回のデイトナ制覇は、昨年のインディ500勝利に続く成果だ。さらにチームは今年、インディカーに2台体制でフル参戦するが、カストロネベスとパジェノーを起用することをすでに発表している。カストロネベスにとっては、2017年以来となるインディカーフル参戦だ。
カストロネベスは期待以上だったかと問われたシャンクは、次のように答えた。
「彼は、ビジネス面からドライビング面、燃料の節約、パフォーマンスまで、ドライビングのあらゆる領域をカバーしているんだ」
「多くの人が彼の年齢を話題にする。だが私はそれは問題にしていない。ジム(・メイヤー/チームの共同経営者)と私は昨年、6レースを戦うための予算ができた時に、経験豊富なドライバーを選ぶと決断したんだ」
「そして、彼から若者たちが何かを得るのに値すると思った。この時期の我々は、インディアナポリス・モータースピードウェイで印象を残すことが必要だと思った。それが、我々がやったことなんだ」
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