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【くるま問答】寒冷地仕様はなにが違うの? オプション設定されていないメーカーもあるが

日本列島は南北に細長く、北の北海道から南の沖縄までさまざまな気候を有する。そのため日本国内で販売される自動車には標準仕様とは別に、寒冷地仕様も存在する。果たして寒冷地仕様は標準仕様と比較して、なにが違うのだろうか。

電気系統とアンダーボディの防錆性能を高めた仕様
日本で販売される自動車は、地域によって標準仕様と寒冷地仕様が用意される。本州以南で標準仕様を一般に販売され、オプションで寒冷地仕様を選ぶこともできる。一方の北海道では寒冷地仕様を一般に販売されているが、逆に標準仕様に変更するオプションは聞いたことがない。北海道をはじめとする酷寒地域で標準車を運転することは、命に関わる危険な行為だからだという。では、人命を保護するほどの性能を持つ寒冷地仕様車は、標準仕様車とどこが違うのだろうか。

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そもそも自動車業界でいう「寒冷地」とはマイナス10度以下の気温になる地域を指し、寒冷地仕様はこの基準となる気温より低くなっても普通に運転できる仕様の自動車を指す。例えばエンジンを冷却させるためのクーラント液だ。標準仕様はマイナス10度より暖かいことを想定して、クーラント液の濃度を20%にして充填されている。そのため、日本の多くの地域で標準仕様車を所有しても問題ない。

問題となるのはマイナス10度以下の気温になる北海道や本州の豪雪地帯などの酷寒地域だ。クーラント液を凍らせてしまうとラジエーターやエンジンを損傷させる可能性もあるので、こうした地域では濃度を50%まで高める(凍結温度を下げる)ことを推奨されている。また、寒冷地でエンジンが温まりづらく始動性にも難があり、空調の温風も出づらい。さらにウインドウは凍りつき、ワイパーはガラス面にへばりついてしまう。

ドライブシャフトやディファレンシャルギアなども凍り付きかねないし、バッテリーも本来の性能を発揮できず、電圧が上がらなかったり不安定になったりする。いずれにしても酷寒地域では自動車が内部から凍りついて動かくなくのだ。

では寒冷地仕様車は標準仕様車と比べて、どこが違うのか。自動車メーカーによる公表内容を見ると、クーラント液の濃度アップ、バッテリーの強化、PTCヒーターやリアダクトの設置、ドアミラーへの熱線の設置、ワイパーブレード本体を金属で覆う仕様変更、ウオッシャータンクの容量アップなどと多岐にわたる。

三菱自動車ではさらに、アンダーボディの駆動系部品を保護するスノープロテクターと呼ばれるカバーや、ラジエーターを閉じて暖房性能を確保するラジエーターシャッター、ボディ下部からエンジンルームへの雪の侵入を防ぐ効果のあるエンジンアンダーカバーなども装備する。こうした点は、クロカン/SUV製造に一日の長がある三菱自動車らしい念の入った対策だといえる。

このように、寒冷地仕様車は室内やエンジンまわりを暖めるための装備を追加し、これらを正常に動かす意味も込めてバッテリーを強化している。我々ユーザーが知り得るのはこうした装備内容の違いだが、自動車メーカーへのインタビューでさらに奥深い寒冷地仕様車の世界を伺うことができる。

雪道対策として見落としがちなのが塩害だ。幹線道路や高速道路などに撒かれている融雪剤はよく知られており、その主成分は塩化ナトリウム、つまり塩である。塩は付着した金属を腐食させる性質を持つため、寒冷地仕様車のアンダーボディに防錆剤を広範囲に、そして何層にも重ねて塗布されている。ただ、防錆剤はコストがかかるため「できる限りの範囲に」とのことだ。さらにドライブシャフトやギアなど金属の可動部にも凍結対策処理が行われるなど、低廉なオプション価格の割に充実した内容となる。

しかし自動車メーカーの中には、スバルやマツダのように寒冷地仕様車を設定していないこともある。寒冷地での販売をあきらめているのかといえば、もちろんそんなことはない。これらのメーカーは標準車が既に寒冷地に対応するタフな造りとなっているのだ。

さらにバッテリーも性能向上により、マイナス30度程度の気温なら対応可能な製品を搭載し、安全性確保の名目で熱線入りドアミラーやワイパーデアイサーも標準、室内暖房他のためのPTCヒーターは少ない電気で温まり、温度制御装置を別に必要としないので環境性能と低コスト化の両面で多く搭載されるようになった。リアヒーターやリアダクトも室内の快適性向上のため標準装備する車種も多い。

冬を迎えるにあたり気を付けるのはクーラント液の濃度やオイルの粘度だが、これは標準車でも寒冷地仕様車でも同じこと。国産車の品質向上は、国土にさまざまな気候が存在するためか、運転可能な温度帯をも押し広げている。自動車メーカーがさらなる低コスト化を目指すなら、仕様の統一は無視できる項目ではない。標準車と寒冷地仕様車という作り分けも、いずれは消滅するのかもしれない。(文:猪俣義久)

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