2月に入って各チームのニューマシン、そしてチーム体制が発表された2024年のF1の中で、角田裕毅とともに気になっていた今シーズンの岩佐歩夢の動向。すでに今季はTEAM MUGENから全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)への参戦は明らかにされているが、果たしてレッドブルとの関係、そしてF1に向けての活動はどのようなものになるのか。2月15日に都内で開催された『2024 SUPER FORMULA プレスカンファレンス』に出席した岩佐に聞いた。
レッドブル、そしてレーシング・ブルズ/ビザ・キャッシュアップRBの今季の体制発表ではリアム・ローソンがそれぞれのチームでリザーブ・ドライバーとしてホームページにも記載されているが、残念ながら、そこに岩佐の名前を見つけることができなかった。今季の岩佐は、レッドブルではどのような活動になるのだろう。
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「細かくはまだお話しできない状況なのですけど、基本的にはF1へのプログラムとして、F1に参戦する時に向けて準備をしていく予定です。主にはフィジカル面の強化もそうですし、F1のシミュレーターでの準備をしていきます」と岩佐。
一般的にはテストドライバー、またはリザーブドライバーなどの肩書きがわかりやすく、レッドブルの育成ドライバーとしてはレッドブル・ジュニアやアスリートなどがあるが、岩佐の肩書きはどのようなものになるのだろうか。
「肩書きは……そうですね、僕もまだ何か明確な肩書きを伝えられているわけではないので、わからないですね(苦笑)」
もしかしたらこれから決まる話なのかもしれないが、いずれにしても今季の岩佐は昨年まで参戦していたFIA F2時代と同じく、ヨーロッパベースでの活動となる。
「拠点はレッドブル(イギリス)のファクトリーの近くです。基本的にはヨーロッパベースで、スーパーフォーミュラの時に日本に戻ってくることになります。ただ、これはレッドブルからも話をされているのですけど、メインはレースでチャンピオンを獲ることなので、日本のチームとのミーティングやレースに向けての準備を優先する予定です。日本にいる時間は昨年より間違いなく増えると思っていますけど、ヨーロッパとの行き来は増えると思います」と岩佐。
昨年のアブダビでのオフのF1テストでは、岩佐はアルファタウリ(現レーシング・ブルズ)でF1初走行を果たした。レッドブル所属のドライバーとして、やはり今季も同等以上の活躍を期待してしまうが、スーパーフォーミュラのレース以外では、どの程度F1の現場にいることになるのだろう。
「まだ明確なスケジュールは決まっていないのですけど、そういった予定も入っているのではないかなと思います」
さらに、昨年末のアブダビテストのようなF1マシンの走行機会についての可能性はあるのだろうか。
「そうですね、可能性としてはゼロではないと思います」と岩佐。
SFの会見でも「F1へのステップアップのシーズン」と明言していたように、現在の岩佐はF1参戦に向けてポジティブに今季のスーパーフォーミュラとの両立の活動を捉えている。だが、実際には昨年末には葛藤があったことも明らかにした。
昨年はFIA F2参戦2年目でシーズンを通してチャンピオン争いに絡んでいたものの、岩佐は最終的にはランキング4位に終わり、F1に参戦できるスーパーライセンスの基準は超えたものの、F1へのステップアップは果たせなかった。その状況からのスーパーフォーミュラ参戦、当時はどのような気持ちだったのだろう。
「悔しさというよりも、『えっ!?』という驚きがありました。日本人なので、日本人ドライバーとして日本のレースに出るというのは海外でレースをしていた身からすると、世間的には『戻された』と言われてもおかしくないと思います。ただ、実際にレッドブルから話を聞いたり、いろいろな関係者の話を聞いていくと、このスーパーフォーミュラ参戦は間違いなくステップアップだと。そのようにも言われましたし、実際に自分もそう感じた部分があります」
「やっぱり、スーパーフォーミュラのマシンはポテンシャル的にもF1とFIA F2の間にありますし、あとは取り組み方、クルマに対して、レースに対してのチームのエンジニアリングや取り組み方がF1とすごく近い。そういう面を考えると、間違いなくこれは(自分にとって)ステップアップだなと。先日の(ルーキー)テストで乗った時もそう思いました」
岩佐の立場として、今後の具体的なサンプルになるのがリアム・ローソンのキャリアだ。昨年SFで開幕戦でいきなり優勝を飾り、そこからローソンはチャンピオン争いの中心のひとりとなった。最終的にはランキング2位でチャンピオンを逃したものの、SFでのシーズンを通しての高いパフォーマンスがあったことで、一時的にアルファタウリでダニエル・リカルドの代役として選ばれてF1参戦を果たすなど、F1への道を大きく切り開いた。
「僕の目標はF1に乗ること。F1のシートというのが目の前まで来ている状況で、決して遠のいているとは思っていないので、しっかりとそこに行くためにスーパーフォーミュラでいいパフォーマンスを見せたいですね。リアム・ローソン選手と同じような状況を作らないと、F1に向けての準備はできないんじゃないかなと思っています」と、明確に自分のビジョンを話す岩佐。
その今季のSFでの活躍のためにも、2月21~22日に鈴鹿サーキットで行われるSF公式合同テストは重要な場になる。岩佐はどのようなテーマ、目的でこのテストに挑むのか。
「前回のテストで出た課題が結構あるので、そこを修正、もしくはどうすれば改善できるのかをまずは見つけにいかないといけないと思っています。そこに向けての準備はもう進めているので、それをまずテストでぶつけてみて、そこでまた改善案は絶対に出てくると思うので、それをまた開幕戦までに改善していきたいですね。タイムを出しに行くのが目的ではないので、しっかりと、まずは開幕戦で勝つために何をすべきかというのを準備して挑んでいくためのテストかなと思っています」
昨年末のテストを振り返って、スーパーフォーミュラのマシンはFIA F2とは車体、エンジン、そしてパワステ(パワーステアリング)やタイヤの特性も違う中で、改めて一番、違いが大きくて影響が多い部分はどの部分だと感じていたのだろう。
「車重の違いも大きかったですし、ドライバー的な部分で言うとパワステがあるのとないのでは全然違いましたね。体力面ではパワステがないことでのいい影響というのがかなりあったので、正直、FIA F2、そしてF1と比べても全然楽でした。ただ、いろいろな難しさもあって、逆にある程度まではタイムが出しやすいので、そこから先、細かくタイムを詰めようと思ったら、結構難しさが出てくる。タイムを詰めていくときのドライビングやセットアップがすごく難しいカテゴリーなんじゃないかなと思っています」
今季から共通ダンパーが採用されることで、昨年までの勢力図が大きく変わる可能性がある。岩佐が所属する昨年チームチャンピオンを獲得したTEAM MUGENにとっては、マイナス要素ともなりそうだが、逆にドライバー側としては一旦、特性がリセットされることにもなり、デメリットとメリットの判断が難しい。
「ドライバーの腕の見せどろにもなりますし、チームとしてもやっぱり、ポテンシャルを発揮するところになるんじゃないかなと思います。無限のメンバーのみなさん、結構自信を持っているようですので、言葉では『こんなに違うのか』と言いながらも、顔はそうは言っていないので(苦笑)、自信を持って挑めるんじゃないかなと思います」
マシンの特性、そしてタイヤについても大きな心配はしてないという岩佐、果たしてF1に向けて、そしてレッドブル陣営、ホンダに向けてどこまでアピールできる1年になるのか。その実戦の一歩となる鈴鹿でのテストの内容が楽しみだ。
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レースのレベルが低すぎる