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雨中の好走で一時トップ浮上のプジョー9X8。初挑戦のル・マンで見せたポテンシャルは「希望の光」

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雨中の好走で一時トップ浮上のプジョー9X8。初挑戦のル・マンで見せたポテンシャルは「希望の光」

 地元フランスのファンの期待を背負い、93号車と94号車の2台のハイパーカーで2023年WEC第4戦ル・マン24時間レースに参戦したプジョー・トタルエナジーズ。リヤウイングを廃した『プジョー9X8』はこのル・マンでもトラブルに見舞われてしまったが、2台のクルマは昨シーズンから始まったプログラムのなかでもっとも高いパフォーマンスを示した。

 2022年のWEC第4戦モンツァ6時間レースで実戦デビューし、毎戦のトラブルシューティングを重ねて臨んだ“大本命”のル・マン24時間レースは、予選で10番手、11番手とハイパーポール進出を逃すも、決勝では雨のなか群を抜く好ペースをみせ、一時は総合トップに浮上する活躍を見せた。

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 ロイック・デュバル、ニコ・ミューラーとともに94号車をドライブしたグスタボ・メネゼスは、プジョー9X8が初めてのル・マン24時間レースで発揮したパフォーマンスは、厳しいスタートを切ったこのハイパーカープログラムに「希望の光」をもたらしたという。

「振り返ってみると、決勝レースにおいて自分たちがトップ5に入るとはまったく予想していなかった」とメネゼス。

「しかし、それでもトップに立つことができたということは幸運ではなく真の実力によるもので、プジョーファミリーにとっては『希望の光』のようなものだった」

「メカニック、スポンサー、そして僕たちをサポートするすべての人々にとって本当に良い味だった。僕たちはこれからまた原点に戻って、改善作業を始めるよ」

「僕らがもっと強くなって戻ってくることは分かっている。勝つためにここにいるのだからね。それが今日や明日でなくとも、必ずやそこに到達するつもりでいるんだ」

 12時間時点では依然として総合表彰台の候補であった94号車は、その後デイトナ・シケイン(ユノディエールの第1シケイン)でメネゼスがタイヤバリアにクラッシュしてフロントエンドを破損。この修復のために順位を落とし、さらにエンジンの問題がレース後半に発生していた。

■レースリーダーになった時間は「とても驚いていた」

 プジョーのテクニカルディレクターを務めるオリビエ・ジャンソニは、「(決勝での)レースペースは予選とは異なるものだった」と語った。

「何らかの理由で、私たちは予選をうまくまとめることができていない。だが決勝レースではある程度のペースがあった。しかし、はっきり言っておくと、私たちはフェラーリやトヨタのペースには到達できなかった」

 ジャンソニは、ル・マンはこれまでのプジョープログラムにとって最高のレースだったが、2台のマシンがチェッカーフラッグを受けるには「必死に戦う必要があった」と考えていた。

 具体的には、ライバルよりもスリックタイヤを履く時間を長くするなど、タイヤ選択に関して「もう少しリスクを取る」戦略がポジションアップに役立ったという。

「結局のところ、私たちには他のライバルらのようなペースがなかったのかもしれない。これはテストデーから決めていたことだが、ペースで劣る分を戦略でカバーする計画があり、私たちはそれを実行した」

「そのため、ドライバーたちは非常に集中していた。そうやって何らかのリスクを負えば、何らかの事件が発生するものだ」

「それでもドライバーたちは、どうにかしてマシンをコース上に維持し、修正すべきことにはすぐに対応してくれた」

 ジャンソニは、今回のル・マン24時間はプジョーにとって「非常に多くの感情をもたらした。夜のレースで先頭に立ったことにはとても驚いていた」と付け加えた。

 しかし、94号車がリードを奪った高揚感は、コース上でのアクシデントとその後のメカニカルトラブルによって鎮められた。

「94号車のエンジンでは何周も走れないことが分かっていたので、ガレージにマシンを呼び戻して修理し、最後に(チェッカーを受けるために)1周だけ走った」

 一方の93号車は、スタートから4時間が経過した時点で導入されていたセーフティカーランの間に、ミュルサンヌでスピンし後退、その後はさらにスプリッターの破損とパワーステアリングの問題に見舞われていた。

 予選ではハイパーポール進出を逃しクラス後方に沈んでしまったが、決勝レースでは荒れたコンディションでポテンシャルを発揮し、ライバルらに一矢報いたプジョー9X8。このル・マン24時間がプログラムのターニングポイントになると思うかと尋ねられたジャンソニは、「そう思う」と答えた。

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みんなのコメント

6件
  • ACOに泣きついてトヨタより遥かに軽くして貰って好走しても何の意味が有るのか?トヨタと同じ土俵で戦って見ろ。
  • さんざん下駄はかせてもらった上の一瞬の奇跡だろ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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