現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新型クラウンでまさかの凱旋にファン感涙!!! なぜクラウンエステートは愛されるのか?

ここから本文です

新型クラウンでまさかの凱旋にファン感涙!!! なぜクラウンエステートは愛されるのか?

掲載 35
新型クラウンでまさかの凱旋にファン感涙!!! なぜクラウンエステートは愛されるのか?

 ついにトヨタのクラウンがフルモデルチェンジ! 先日発表された新型クラウンは、従来の高級車路線を踏襲しつつも4タイプのモデルをラインナップすることにより、新たな展開を見せることになる。

 そして注目したいのが、セダンやクロスオーバーなどに加えて「エステート」がラインナップされること。かつて人気を誇った「クラウンエステート」の復活には心躍るファンも多いはず。では、このクラウンエステートにはどんな歴史があり、そして復活するクラウンエステートとはどのようなクルマなのだろうか?

新型クラウンでまさかの凱旋にファン感涙!!! なぜクラウンエステートは愛されるのか?

文/長谷川 敦、写真/トヨタ、FavCars.com

新世代のクラウンで待望の復活

2022年7月15日に発表された新型トヨタ クラウンエステート。先代エステートのようなワゴンスタイルではなく、SUVモデルでの再デビューとなる

 2022年7月、トヨタから新型クラウンが発表された。一時期はSUVへの一本化、あるいはシリーズ消滅などというウワサもあったが、これまでのイメージを一新した新世代のクラウンとして、今秋からの発売がアナウンスされている。

 今回発表された新型クラウンは「セダン」「クロスオーバー」「スポーツ」、そして「エステート」の4モデルが用意されることが決まっているが、クラウン好きが見逃せないのがエステートの復活だ。2007年にいったんクラウンのラインナップから消えたエステートとはどのようなクルマだったのだろうか?

エステート=ステーションワゴンでOK?

1999年にデビューしたトヨタ クラウンエステート(アスリート)。それまでのクラウンステーションワゴンがリニューアルされたのがこのクラウンエステートだ

 クラウンエステートの登場は1999年。クラウンのフルモデルチェンジに併せて、以前はクラウンステーションワゴンと呼ばれていたモデルも12年ぶりにモデルチェンジされることになった。このリニューアルに伴い、名称もステーションワゴンからエステートに変更された。

 そもそもステーションワゴンとは、その名称どおり駅(ステーション)で使用されるワゴン(貨車)のことで、駅に到着した荷物を目的地まで運ぶためのものだった。これに由来して、ルーフを後部まで延長して、より荷物を載せやすくしたクルマがステーションワゴンと呼ばれるようになった。

 ステーションワゴンは主にアメリカで用いられていたクルマのカテゴリー名であり、イギリス英語の文化圏では同じタイプのクルマをエステートと呼んでいる。つまりステーションワゴンからエステートへの名称変更は、米英語から英英語に変わっただけとも言える。ちなみにエステートには「地所」や「財産」などといった意味がある。

なぜ初代クラウンエステートは人気車になったのか?

クラウンエステート(ロイヤルサルーン)。1999年に同時に登場したクラウンエステート・アスリートに比べると落ち着きのあるルックスにまとめられている

 クラウンエステートの最初のモデルは、クラウンでは通算11代目にあたるS170系をベースにしている。発売は前述の1999年で、当初はロイヤルサルーンとアスリートの2グレードが用意された。ただし、ロイヤルサルーンは2001年のマイナーチェンジで廃止されている。

 ロイヤルサルーンはどちらかと言えば年齢の高いユーザー向けに作られていて、各部の作りに“ロイヤル感”があった。そしてよりスポーティに活用したい人のために開発されたのがアスリート。役員の移動用など、社用車として使われることが多かったセダンに対し、個人ユーザーがメインになることが想定されたエステートではアスリート系モデルが充実していた。

 ロイヤルサルーンとアスリートの主な違いは外観と足回りであり、アスリートの顔つきはロイヤルサルーンよりもやや厳つく、足回りも硬めに仕上げられていた。こうした事情もあってクラウンエステートではアスリートがメインになり、それがロイヤルサルーンの廃止につながった。

 クラウンエステートの魅力は、他の国産モデルにはなかった高級車のワゴンモデルだったことだ。ベースとなっているのが日本を代表する高級車のクラウンであり、車体やエンジンなどのクオリティは一級品。オマケに荷物積載量などの機能性に優れたワゴンとくれば、これはもう魅力的なのは間違いない。

 本来がサイズに余裕のある高級セダンだけあって室内や荷室スペースを十分に確保することができ、発売当時で最も出力の低い2.5リッター自然吸気エンジンでも200psのパワーを発揮し、重めの車体も軽々と加速させた。さらに2リッター直6ターボエンジンは280psを叩き出すなど、動力性能は申しぶんなかった。

 難点といえば他の国産ステーションワゴンより車体価格が高いことだったが、これはクラウンの派生モデルであることを考えると仕方なく、価格に見合う内容のクルマではあった。

 こうした理由により、クラウンエステートは爆発的な売り上げこそ記録しなかったものの、根強い人気を獲得し、本家クラウンが12代目にモデルチェンジされた2003年以降も独自路線でマイナーチェンジを続けた。

クラウンエステートの生産終了とその事情

ベースモデルのクラウンがモデルチェンジされても継続販売されたクラウンエステート。だが、クラウンワゴンモデルの歴史も2007年に終わりを迎えることになる

 1999年の登場以来、継続販売が行われていたクラウンエステートは、2007年5月にその生産が終了している。前作のクラウンステーションワゴンがリリースされた1987年から数えて20年、初代クラウンでもステーションワゴンが用意されていたことを考えると、実に50年近くの歴史を重ねたクラウンのワゴンモデルがラインナップから消滅した。

 一時期は隆盛を誇ったステーションワゴンだが、この時期になるとその地位はミニバンやSUVに取って変わられていた。つまりトヨタに限らず他メーカーでもステーションワゴン離れは始まっていて、これは時代の流れとも言えた。

 かくして息の長い人気を得ていたクラウンエステート(ステーションワゴン)は、ヘリテージモデルの仲間入りをすることになった。現在でも中古車で入手は可能であり、程度の良い個体は150万円以上で取り引きされている。

15年ぶりに復活する新型クラウンエステート

新型トヨタ クラウンエステート。SUVでの登場となるため、先代エステートのような“ワゴンっぽさ”はなく、それは同時発表のセダンも同様だ

 2022年、完全リニューアルで登場する新時代のクラウンには、4つのモデルが用意されることはすでに紹介している。まずは今秋のクロスオーバーから発売となり、その価格は435~605万円。クラウンらしい価格帯とは言える。

 肝心のエステートについては、現時点で名称と外観以外の情報は発表されていない。しかし、公開された車体から見るかぎり、ステーションワゴンではなくSUVと言って差し支えないスタイルをしている。おそらく荷室の確保などは行われていると推察できるが、ステーションワゴンタイプのエステート復活を期待していた人は残念に思うかもしれない。

 いずれにせよ、トヨタがクラウンに「エステート」を復活させてきたことには相応の理由があるはず。だからこそ、新型クラウンエステートの詳細が明らかになる日を心待ちにしたい。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web

みんなのコメント

35件
  • SUVが二台あるやんって思ってたけど、これがエステートだったのかよ
    クラウンクロスじゃないの?カローラやRAV4の上位モデルっぽい
  • 毎日何十回記事にするのってくらい新型クラウンうるさいな。。。こう言うパターンのときはだいたい盛大にコケるんだよね。コケるのがわかってて大量にPRして売ろうとしてるとも言える
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

372.8441.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

32.0288.0万円

中古車を検索
クラウンエステートの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

372.8441.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

32.0288.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村