ポルシェ・タイカンなどに対抗
中国のシャオミ(小米/Xiaomi)は、新型の高性能EV「SU7ウルトラ(SU7 Ultra)」の量産車バージョンを正式発表した。2024年末までに発売予定で、価格は81万4900人民元(約1750万円)から。
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同社初のEVであるSU7をベースに、英国のモータースポーツ企業プロドライブの技術協力と合計出力1548psを実現したスポーツモデルだ。
SU7ウルトラは3基のモーターによる四輪駆動システムを採用し、0-100km/h加速はわずか1.98秒、最高速度は333km/hに達する。
すでに、ニュルブルクリンク北コースにおいては量産4ドア・セダンとして最速の6分46秒874というタイムを記録している。
中国での納車は2025年前半に開始予定で、海外市場への輸出の可能性も否定されていない。
SU7ウルトラは、シャオミの「ハイパーエンジンV8s」という電気モーターを初めて採用した。この名称は、従来のV8ガソリンエンジンと同等のパワーを発揮することを想定したもので、モーターの最大回転数は2万7200rpmとされている。
リアに搭載された2基のV8sモーターはそれぞれ578ps、フロントに搭載された「V6s」モーターは392psを発生する。これにより、合計出力は1548psとなり、標準のSU7と比較して875psの向上となる。
参考までに、3基のモーターを搭載したポルシェ・タイカン・ターボGTの合計出力は1107psである。
SU7ウルトラは、0-100km/h加速1.98秒、0-200km/h加速5.86秒、最高速度333km/hで、対するタイカン・ターボGTはそれぞれ、2.3秒、6.4秒、277km/hである。
「ニュル最速」の称号獲得
SU7ウルトラは、シャオミ独自のEVプラットフォーム「モデナ」と800Vシステムを基に、エネルギー容量93.7kWhのCATL製「麒麟(Qilin)」バッテリーを搭載している。
中国CLTCテストサイクルにおける航続距離は最長620kmとされる。
また、英国のプロドライブ社との提携によりシャシーを特別にチューニングしたほか、ビルシュタインの「Evo T1」ダンパーを採用している。
ブレーキシステムは、標準のSU7に搭載されているブレンボ製とは異なり、APレーシング製を導入。フロント430mm(6ポット)、リア410mm(シングルフローティング)のカーボンセラミックディスクを使用する。
今年10月、SU7ウルトラのプロトタイプは、英国人レーサーのデビッド・ピタードの運転により、ニュルブルクリンクで6分46.874秒のラップタイムを記録。市販の4ドア・セダンとしては最速となる公式ラップレコードを樹立した。
量産車バージョンでは、このプロトタイプよりも控えめなエアロおよび冷却パッケージが採用されている。フロントスプリッター、ボンネット、カーボンファイバー製リアウィングがややマイルドな外観となるが、最大16度に傾斜するアクティブ・ディフューザーと組み合わされ、ダウンフォースを増強する。
シャオミによると、最高速度333km/hで285kgのダウンフォースが発生するという。
同社は正確な車両重量を公表していないが、2400kg未満であると述べている。
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