なぜPHEVにロータリー?
マツダの電動化戦略をリードするモデル「MX-30」に、PHEVモデル「MX-30ロータリーEV」が新しい選択肢として日本導入されることになった。
【画像】ロータリー版MX-30 エンジン製造の現場【生産ラインを見る】 全64枚
マツダ初の量産BEVである「MX-30 EVモデル」、マイルドハイブリッドを搭載した「MX-30 e-SKYACTIV G」という仲間に加わる3番めのモデルだ。
注目は、ロータリーエンジン「8C型」の役割。
従来のPHEVは内燃エンジンをメインの動力源として“EV走行を付け加える”考え方と言える。つまり、一般的なEVに比べてEV航続可能距離が短い傾向にあった。
これに対してMX-30ロータリーEVは、EVやPHEVのユーザー調査の結果を踏まえ、「EVとして使う」ことを主体としているのが新しい。
具体的には、1回の満充電でEV走行できる航続距離として107kmを確保。
その上で、遠出をする場合には、ロータリーエンジンによって発電することで駆動用バッテリーに電力を供給し、さらなるロングドライブに対応している。
これを可能にしたのが、ロータリーエンジンの特長の1つである「省スペース性」だ。
排気量830ccで最高出力53kW(71ps)/4500rpmを発生する“新開発”の発電用ロータリーエンジンは、同程度のパワーのレシプロエンジンと比べてコンパクトに作れるメリットを活かし、PHEVシステムに採り入れた。
生産現場 「最後の要は人」
11年ぶりのロータリーエンジン量産について、同社 技術本部生技開発推進部の吉田 浩志氏は、「(生産工程は)設計者だけでなく、各工程の技術者全員がそれぞれの領域で全力を尽くしています」
「お客様に最良の商品をお届けするために、個々の技術者が心を込めてロータリーエンジンを製造しているのです」と語る。
同じく技術本部生技開発推進部の山村 啓氏が強調するのは、SKYACTIVから続く精密主義。
「素材から加工、組み立てに至るまで、8C型の生産に一気通貫している考え方があります。それは、“精密なバランスを追求すること”です」
「8C型は、従来とは異なる1ローターのため、開発当初から生産技術部門および全製造工程で総力を挙げて精密さの追求に取り組んできました。素材の段階からしっかり作り込み、ドンピシャ加工という考え方のもと加工精度を追求、組立てでは機能をしっかり実現するということです」
「また、8C型の生産ではSKYACTIVエンジンの技術で培ってきた知見をフル活用しています。将来の汎用性を見据えたフレキシブルなライン設計や工程の集約、APMC工法、トレーサビリティによる品質保証などは、いずれもSKYACTIV技術からの一気通貫の取り組みです」と話してくれた。
前述の吉田氏が「全領域で精度の高いものづくりに挑むため、最新の工作機械や計測機器を使っていますが、やはり最後に要となるのは人、“匠の技”です」と語っていたのが印象的だった。
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みんなのコメント
匠の技とかそんな事はユーザーには関係なく燃費や車の使い勝手、コスパが全て。
それが良くない車が売れる道理がない。デザインが良いわけでも使い勝手が良いわけでも無いし。ヒットする要素どころか買ってもらえる要素がどこにもない。
この車を選ぶ人は奇特だよ。