ジャガーのミドルクラス「XF」が、ビッグマイナーチェンジを受けた。ステーションワゴン版を試乗した大谷達也はどう評価したか?
静かで快適になったディーゼル・エンジン
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発売から3年を経たジャガーのミドルクラス・サルーン&ワゴンのXFがビッグマイナーチェンジを受けた。
その内容は、エクステリアまわりの変更点こそ少ないものの、インテリア、エンジン、運転支援装置、足まわりなどを大幅に改良する大胆なもの。このうち、今回は「XFスポーツブレイク S D200 AWD」に試乗したので、その印象をお知らせしよう。
試乗車のエンジンは大改良が実施された直列4気筒 2.0リッターのディーゼルターボエンジン。ジャガー・ランドローバーが独自に開発し、「インジニウム」という名前が与えられたエンジンであることは従来と変わりないものの、今回の改良で軽量化が図られたほか、マイルドハイブリッド・システムを搭載した。最高出力は従来の180psから204psへと強化された。
もっとも、新エンジンの魅力はパフォーマンスの向上だけにあるわけではない。もともとインジニウムのディーゼル・エンジンはパワフルだけれどノイズやバイブレーションが大きいのが弱点で、正直、快適性という面ではあまり高く評価できなかった。それが新型では、それまでさざ波だっていた海面がすっと落ち着いたかのように静かでスムーズになり、ガソリン・エンジンに迫る快適性を得た。
とりわけ、ディーゼル・エンジンが苦手とするアイドリング時や低回転時の振動や騒音が低く抑えられているのが印象的。この辺は、低回転域でエンジン・トルクをサポートするマイルドハイブリッド・システムの効果が大きいと思われる。
運転支援装置の進化にも目を見張るものがあった。XFに装備されていたアダプティブ・クルーズ・コントロール(前走車に追随して車速を自動的に制御する装置)やアクティブ・レーン・キーピング(路面上の車線にあわせてステアリング操作をアシストする装置)はいずれも動作がやや荒く、“流れるような運転”とは言いがたかったけれど、新型の加減速は滑らかで、車線追従もソフト傾向になって心地よかった。これであれば運転支援装置の仕上がりだけでXFが購入候補から外れるということなないだろう。
内外装の熟成ポイント
XFサルーンの3年後にデビューしたXFスポーツブレイクは、サルーンとは別物の快適な足まわりが当初より与えられていたが、今回のマイナーチェンジでは乗り心地がさらにソフト方向に振られたように感じる。
もっとも、だからといって節度がないほど柔らかいわけではなく、高速域のダンピングは十分だし、車輪の位置決めもしっかりとしているのでハンドリングは正確。あとは、路面から伝わる“コトコト”という小さな振動をより効果的に吸収できれば申し分ないが、サルーンのデビューが2015年だったことを考えれば、むしろ“ここまでよく煮詰めた”点を積極的に評価すべきなのかもしれない。
インテリアではダッシュボード上のセンターディスプレイが10インチから11.4インチへと大型化され、オペレーションもよりシンプルなものに生まれ変わった。それとともに見逃せないのが、シフトモードの切り替えがダイアル式からより一般的なレバー式に変わったことだろう。
個人的には、センターコンソール上のダイヤルをまわしてギアボックスのモードを切り替えるジャガー独自の方式が嫌いではなかったけれど、急いでいるときに素早く操作するのが難しいといった不満の声もあったようだ。新型に採用されたシフトレバーは最新のものらしくレバー長は短めだが、操作性には何の問題もなかった。
エクステリアではフロントグリルがわずかに大型化されたほか、グリル内部のパターンも見直されてより華やかな雰囲気を得た。チンスポイラーまわりのデザインは、大地を力強く踏みしめているような最近はやりの造形にあらためられたが、この辺は見比べなければわからないだろう。
細かい部分ではヘッドライトが約10mm薄くなり、デイタイムランニングライトは“J”の文字をふたつ重ねたようなデザインになった。また、リアにも細かな修正を重ねてクオリティやスポーティさを高めた点も注目される。
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というわけで、全般的にパフォーマンスとクオリティが上がった新型XFであるものの、ジャガーランドローバーは去る2月に“リイマジン”という名の新グローバル戦略を発表し、2025年以降のジャガーは全モデルがEVになると宣言した。
ということは、ここまで手間ひま掛けて熟成したXFが手に入るのも、あと4年だけになる、ということだ。
そんなことを耳にするにつけ、時代の節目に差し掛かっていることをシミジミと感じる今日この頃である。
文・大谷達也 写真・安井宏充(Weekend.)
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