ボディもインテリアも、変化は限定的
text:Matt Prior(マット・プライヤー)
【画像】AMGのE LC, Fタイプ, S5と比較 全95枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
2020年は、多くのモデルでフェイスリフトが施されている。その中でもメルセデスAMG Eクラスの内容は、比較的控えめ。
知的な6気筒のマイルド・ハイブリッドを搭載するAMG E 53には、4ドアサルーンやステーションワゴンも含まれる。今回試乗したのは、カブリオレとなった。
より獰猛なAMGと共通する、パナメリカーナ・グリルを得たことに気付く読者も多いだろう。フロントバンパーは空力性能を重視し、デザインが改められた。風切り音も小さくなっている。ホイールやテールライトのデザインも、新しい。
インテリアの変更は、外観以上に小さい。インフォテインメント・システムのソフトウエアは、最新版にアップデート。おなじみのセンターコンソール上のロータリー・コントローラーと、タッチモニターで操作ができる。
加えて、ダブルスポークのステアリングホイールを獲得。横に伸びるスポーク上にはタッチセンサーが並び、ここからも操作が可能だ。
エアサスペンションは、メルセデスAMGいわく、クルマのパフォーマンスを拡張するという目的で改良を受けている。おそらく快適性を高めるという意味なのだろう。
ドリフト・モード機能付きのダイナミック・プラス・パッケージと、カーボン・コンポジット・ブレーキがオプションで選択できるようになった。AMGらしい。
ターボにスーパーチャージャー、ISGで四輪駆動
E 53のエンジンとトランスミッションに変更はない。3.0Lの直列6気筒は、ターボチャージャーと電動スーパーチャージャーで過給。429psと40.7kg-mを発揮する。
さらに電圧348Vで稼働するスターター・ジェネレーター(ISG)も組み合わされ、低回転域で21psと25.3kg-mを加勢。トランスミッションは9速ATで、ドリフト・モード時以外は、四輪駆動だ。
運転席に座ってみよう。インテリアから受ける変化は小さい。ステアリングホイールはサイズ感も丁度いいし、デザインもカッコいい。
フロントシートはゆったりとしていて、とても快適で、各部の仕上げも上質。ソフトトップの開閉は簡単で素早い。リアシートや荷室の広さは、4ドアサルーンなどと比べれば限定的だ。
AMG E 53は良く走る。乗り心地は充分に良く、ステアリングの操舵感は、そっけないものの重み付けは自然。普通に走らせている限り、乗り心地や操縦性で運転に熱くなるような要素は薄い。しかしカブリオレだから、それで構わないと思う。
4ドアサルーンやワゴンなら、ボディ剛性も上がる。ドライバーに対する訴求力は、より高いかもしれない。
筆者としては、E 53ならドライブ・モードはより少なくてもいいし、メーターパネルに表示される情報も、必要なものだけで充分だと思う。ハイパワーなE 63ではないし、カブリオレだから。
しかしメルセデスAMGは、技術的な豊かさや、情報量の多さも大切だと考えているようだ。多くのドライバーの嗜好にも、その方が合うのだろう。
V8ではなく、AMGの直6を選ぶかどうか
ドライバーのほとんどは、E 53カブリオレでも充分以上の動的性能があると感じるはず。直列6気筒だから、回転フィーリングは驚くほど滑らか。低回転域ではISGがアシストし、流れの速い高速道路への合流も穏やかに完了できる。
複雑なシステムが組み合わされた直列6気筒は、現代の内燃エンジンとして、1つの技術的な高みにある。アイドリング・ストップ機能も備えている。こちらもスムーズに完了するから、強みの1つに数えられるだろう。
英国でのE 53カブリオレの価格は、7万610ポンド(946万円)。一度、より手頃なメルセデス・ベンツのEクラス・カブリオレにも試乗して、乗り心地や操縦性を確かめてみたいところだ。
ギャップを超えるとボディからは、わずかな振動を看取できる。ソフトトップだということを示すように。一方で、不快な風の巻き込みやバッファー音は、ほとんどない。
AMGを、最もAMGたらしめる部分は、エンジンとパフォーマンスにあると思う。E 53カブリオレは、大きく重く、スポーツカーらしさは薄い。しかし、間違いなく上質だ。
通常のEクラス・カブリオレでも、E 53カブリオレに似たドライビング体験を得られる可能性はある。AMGのV8ではなく、直6に多くのお金を投じるべきかが、悩ましい。
メルセデスAMG E 53カブリオレ(欧州仕様)のスペック
価格:7万610ポンド(946万円)
全長:4842mm
全幅:1860mm
全高:1430mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.6秒
燃費:10.9km/L
CO2排出量:210g/km
乾燥重量:2055kg
パワートレイン:直列6気筒2999ccターボチャージャー+スーパーチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:429ps/6100rpm
最大トルク:40.7kg-m/1800-5800rpm
ギアボックス:9速オートマティック
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みんなのコメント
金太郎が交代しないとどうしようもないのか。