2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦であるデイトナ24時間レースは、LMDh車両のデビュー戦となる。アキュラやポルシェ、キャデラック、BMWといったマニュファクチャラーが投入したマシンの序列が、初めてはっきりするレースだ。
決勝レースの1週間前に行なわれた予選では、アキュラ『ARX-06』とポルシェ『963』がポールポジションを争った。その後ろにキャデラック『V-LMDh』3台が並んだ。
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BMWの『MハイブリッドV8』の2台はフィリップ・エンゲがアタックした24号車はポールポジションタイムから0.692秒遅れの7番手、ニック・イェロリーがドライブした25号車は0.815秒遅れの8番手。それほど大差がついたわけではないものの、予選でクラッシュしてベストタイムふたつを抹消されたポルシェ6号車を除けば、GTPクラスで最後方という結果に終わったわけだ。
しかしBMWは決勝レースを前にペース不足に落胆してはおらず、レースペースではもっと良いパフォーマンスを発揮できるマシンを持っていると考えている。
「このテストでは、すべてのセッションで2台のマシンに多くの作業が行なわれた。焦点は常にレースパフォーマンスだった」
BMW LMDhのテクニカルディレクターであるブランドン・フライは、そう語った。
「いい走りができたし、データもたくさん収集できた。レースに向けて、一歩一歩改善している」
「予選では、赤旗が出るまではかなりいい感じだった。その後、他のクルマがラップタイムを上げ、我々はそのポジションをキープした。しかし、このレースではパフォーマンス以上に注目すべきことがたくさんある」
「我々はレースに向けて、もっともっと多くのモノをクルマに載せられると確信している」
BMWは、LMDh車両の開発段階から信頼性の問題に悩まされ、11月のセブリングテストを早々に切り上げることを余儀なくされた。
さらに、デイトナで行なわれたIMSA公式テストの2日目までセカンドカーが完成せず、準備の遅れは明白だった。
しかし、ファクトリードライバーのエンゲはフロリダを拠点としたBMWの活動の展望を楽観視している。エンゲはロングランに注力することで、信頼性や新車の運用という面で恩恵を得ることができるだろうと語った。
「もちろん、最前列からスタートできればよかったけど、24時間レースではスタート位置はあまり重要ではない」
「僕たちはすべてのプラクティスで、ペースそのものには焦点をあてていなかった。それよりもクルマの挙動を予測し、自分たちにとって運転しやすいものにすることが重要だった。このような耐久レースで、特に新車ではそれが重要だ」
「そして信頼性と運用性の高さがもっとも大切だ。このふたつをクリアしていれば、すでにかなり良いところまで来ているんだ」
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