■アイオニック5 Nが日本導入 狙いは?
ヒョンデは2023年11月16日から4日間開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)最終戦「ラリージャパン」会場内で、2024年発売予定の新型スポーツEV「アイオニック(IONIQ)5 N」を日本初公開しました。
このほか、スポーツブランド「N」のうち日本では披露していないモデルを多く公開するなど、スポーティさを強くアピールしていますが、ヒョンデの狙いはどこにあるのでしょうか。
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1967年に設立したヒョンデ(現代自動車)は韓国最大の自動車メーカーで、傘下に置く「起亜」とともにヒョンデ自動車グループを形成。
グループ全体では2022年の新車販売ランキングにおいて、トヨタやフォルクスワーゲンに次ぐ3位につけています。
なお、日本においては「ヒュンダイ」として2001年に市場へ参入したものの、販売不振から2009年に一度撤退。その後2022年2月に原音に近い「ヒョンデ」へと発音を変えてイメージを一新し、再上陸を果たしました。
現在、再上陸とともに投入が明らかになったバッテリーEV「アイオニック5(IONIQ 5)」と燃料電池車(FCEV)「ネッソ(NEXO)」に加え、2023年11月1日には、新型コンパクト電動SUV「コナ(KONA)」を販売。
日本市場では新エネルギー車のみのラインナップとし、店舗をもたないオンラインでの販売手法とするなど、ヒュンダイ時代とは異なる新しいブランドとして展開されています。
今回はラリージャパンの開催とともに、会場となった豊田スタジアム(愛知県豊田市)において、日本国内では初めてスポーツブランドであるNモデルの展示を実施。
日本初公開となったスポーツEVモデル「アイオニック5 N」は2024年に発売することを明かしました。
一方で、2022年に再上陸してから日も浅く、まだヒョンデの存在を十分に知られていない現状があり、JAIA(日本自動車輸入組合)によれば2022年は434台(バスも含む)の販売台数にとどまっています。
しかし、今後はNブランドの投入も予定されているなど、積極的な参入の姿勢を見せています。
ラリージャパンに合わせて来日した、ヒョンデのNブランド副社長であるパク・ジュン氏は以下のように話します。
「私たちは、当初日本市場(へ参入した際)に失敗した経験があります。その一方で、現在は電動化が進むなど、参入時とは状況が大きく変化しました。
こうしたなかでヒョンデの技術はより良いものと進化したと考えています。
しかし、現在日本のユーザーはヒョンデのブランドイメージをあまり持っておらず、まだ十分に知ってもらえていないという課題があります。
そこで、進化した技術や製品によって、ヒョンデをポジティブに捉えてもらいたいと考え、日本の市場においてはノーマルのクルマよりもアイオニック5Nのような情熱的なモデルを示す必要があると考えています」
現在ヒョンデでは、競技をベースにしたクルマづくりを実践しており、競技で得られた技術や知見が市販車にも活かされているといいます。
しかし、ラリージャパンおよびWRCへの参加は、勝利を目指しクルマづくりに活かすという目的にとどまらず、ブランドを知ってもらうきっかけとしての側面も持っているといい、今回のようなブース展開を実施しました。
■スポーツブランド「N」を投入する目的は?
日本へのさらなる展開を目指すヒョンデですが、スポーツモデルであるNブランドの投入にはどのような意義があるのでしょうか。
これについて先出のパク氏はこのように話します。
「ヒョンデは今、(日本市場でのイメージ向上のために)頑張っております。
私自身も日本や欧州の様々なスポーツモデルに乗り感銘を受け、ヒョンデでもこうした高性能な自動車・ブランドを作るのが長年の夢でした。このたったひとつの夢からNブランドは始まりました。
海外の多くのブランドのように、ヒョンデにおいても高性能なブランドを作れるということを示したかったのです」
日本においては、クルマに対する視点が他国のユーザーよりも鋭いといいます。
そのため、欧州メーカーのスポーツブランドの多くもトップモデルを投入しており、そうしたモデルとも比較できるような高性能モデルを展開することにより、クルマ好きへのアピールを図るようです。
また、パク氏は日本のクルマ好きとも交流を図っていきたいといいます。
「日本に訪れるたびに(首都高速の)大黒PAに寄り、たくさんのクルマ好きの意見をヒアリングしました。
クルマ好きは現在(SNSの発達などによって)つながるようになっており、韓国ではすでに私も参加しているコミュニティがあり、常にカスタムやメンテナンスを中心とする話題が飛び交っているのです。
日本においてもこうした関係づくりを目指したく、日本のクルマ好きの方ともそういった対話をしていきたいと思っています」
さらに、今後は「東京オートサロン」への出展なども行う予定も明かし、クルマ好きに対するアプローチを図りつつ、同時に販売車種やシェアの拡大を狙っていく目論見です。
ますます日本市場への展開を加速させるヒョンデの今後に、注目が離せません。
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みんなのコメント
名前を代えても、ひしゃげたホンダのエンブレムは変えないんだね。