令和も2年を目前に、すでに平成も遠くなった感があるが、平成時代は自動車メーカーがその時々の技術の粋を集めて、走行性能、安全性能を高めた時代といえる。ここではそんな時代に生まれたテクノロジーを7回に渡って見ていこう(タイトル画像はフルレンジ電子制御5速ATを搭載した日産セドリック)。
平成元年(1989年)
フルレンジ電子制御オートマチック ●搭載車種:日産セドリック/グロリア
1989年にマイナーチェンジしたY31セドリック/グロリアに採用された電子制御5段変速オートマチックは、世界に先駆けるシステムだった。アナログ式に油圧を利用して行っていたそれまでの変速制御を、フル電子制御にしたのだ。それまで運転は楽でも伝達効率がイマイチで変速が鈍かったATだが、これによってアクセルの踏み方に対応して1速から5速まで、感性に合った加速を得ることを可能としたのだ。また、D、3速、2速を使い分けることでMT的な走りも可能としている。ここからどんどんMTが姿を消してATが当たり前の時代に入った。
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平成2年(1990年)
マツダCCS ●搭載車種:ユーノスコスモ
それまではホンダがエレクトロジャイロケーターと称し、ジャイロセンサーと距離センサーによりクルマの移動する方向と距離を検出するカーナビを出していたが、90年にマツダがユーノスコスモにGPSを備えたマツダカーコミュニケーショシステム(CCS)を採用した。これはマツダと三菱電機が共同開発したGPSを用いたナビゲーションシステムで、世界で初めての実用化となった。ナビ、オーディオだけでなくエアコンの設定もCCSを介して行うことができた。画面にはタッチパネル機能も備えていて現在のカーナビの原型でもある。カーナビが大きく前進した端緒となった。
平成5年(1993年)
ミラーサイクルエンジン ●搭載車種:ユーノス800
オットーサイクルエンジンでは圧縮行程と膨張行程が同じになるが、圧縮行程よりも膨張行程を長くして、高効率としたのがミラーサイクルエンジン。量産車初となったこのシステムでは、圧縮時に吸気バルブを少しの間開いておき、吸気の一部を逃がして実質的な圧縮を短縮し、膨張行程を長くした。ただ、これだと吸気を逃がす分実質的な排気量が小さくなるので、専用開発のリショルムコンプレッサーで吸気量を多くしたのもポイントだ。燃費に優れるこの方式は、とくにハイブリッドエンジン車では当たり前のシステムとなる。
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みんなのコメント
3000のエンジンに5速は存在しない。
グランツに5ATだよ。