何かと話題になるのはAE86型カローラレビン/スプリンタートレノ。FR方式を堅持し、漫画『頭文字D』などでもブレイク、軽快な走りからいまだに伝説的な存在だ。しかしながら歴代レビン/トレノで最も売れたのはFFながらAE92だったりする。元オーナーとして振り返ってみたい。
文/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生、写真/トヨタ、日産
ハチロクより売れたのに!! AE92レビン/トレノはなぜこうも地味になったのか?
■FF方式に切り替わったが、販売台数は歴代最高!
AE92型スプリンタートレノ。写真は前期型で、リトラクタブルヘッドライト下のポジションランプの上下幅が薄いタイプを採用。後期型はフォグランプで、この幅がかなり厚くなる
それまでのAE86型までFR方式だったカローラレビン/スプリンタートレノがFF方式に切り替わったのが、この1987年登場のAE92型から。すでにベースのセダン、カローラ/スプリンターは先代型5代目モデルから駆動方式をFFとしていたが、クーペ版のレビン/トレノは先代AE86型までFRだったのはご存じのとおり。
AE92レビン/トレノのボディサイズは全長4245~4270×全幅1670~1680×全高1300mm、ホイールベース2430mmと現在から考えると非常にコンパクト。車重も930~1070kgと軽量で、搭載するエンジンは直4の1.5Lエンジン3種類を設定したベーシックグレードと、1.6LDOHCの4A-GE型とこれにスーパーチャージャーを追加した4A-GZE型のスポーツ系に分けていた。
1987年5月に登場したレギュラーガソリン仕様の前期型では4A-GEが最高出力120ps/最大トルク14.5kgm、4A-GZEが最高出力145ps/最大トルク19.0kgmだった。これが1989年5月のマイチェンを受けた後期型になるとハイオク仕様でパワーアップされ、4A-GEで最高出力140ps/最大トルク15.0kgm、4A-GZEが最高出力165ps/最大トルク21.0kgmとなった。
ちなみにAE92後期型スーパーチャージャー仕様の165psは、当時のテンロクスポーツとしてはグランドシビックやサイバーCR-XのSiR、2代目インテグラXSiが積む160psの1.6LDOHCのVTEC、同じく160psの3代目ミラージュサイボーグ&3代目ランサーGSRの1.6Lターボを凌ぐクラス最高のスペックだったのだ。
1987~1991年の4年間で歴代レビン/トレノとしては最高の販売台数を記録したのも、実はこのAE92型だったのもあまり知られていない事実。
■通学に長時間かかることから最初の愛車として購入
青山学院大学厚木キャンパスの跡地は2007年5月に竣工された現在の「NATC」(日産先進技術開発センター)となっている
さて、この頃に大学1年生だった私は通学していた青山学院大学が当時、1~2年時に一般教育単位取得のため、今はなき厚木キャンパス(現在の「NATC」、日産先進技術開発センター)に通わなくてはならなかった。
この厚木キャンパス、非常に地理的にアクセスが悪い場所にあり、小田急線本厚木駅や愛甲石田駅から通学用バスで所要30~40分(乗車まで並んで待っている時間を入れると1時間以上!)かかるという曲者。
当時の自宅から本厚木駅までの電車で約50分を入れると、毎朝2時間以上の通学時間という「苦行」を強いられていた。
「これはもうやってられん!」ということでマイカーでの通学を決意。当時の厚木キャンパスには約1500台収容可能という学生用駐車場があった(一応はサークル活動用に音楽機材などを運ぶためという体面上の理由も必要だったのだが)のも、マイカー購入を後押ししてくれた要因だったりする。
■あまりの不便さにマイカー購入を決意
AE92型カローラレビンGT APEX。こちらは当時の2代目ソアラのイメージを取り入れた「ミニソアラ」的なスタイリングとなっていた
大学入学後、家庭教師のアルバイトとしてふたりの生徒を毎週見ながら、ほかにも定期でバイトをしていた私は頭金を入れてのマイカー購入を密かに画策。当時、選択肢として考えていたのは人気絶頂だったS13シルビアのQ´s、2代目インテグラXSi、そしてAE92レビン/トレノだった。
熟考を重ね、当時のクルマ好きの友人らと相談を重ねつつ決めたのはAE92トレノのGT APEXだった。レビンでもよかったのだが、同じサークルの友人が先にAE92レビンGT APEXに乗っていたこともあり、憧れていた70スープラのデザインに通じる「ミニスープラ」的なリトラクタブルライトを装着していたことなども気に入り、92トレノを人生初のマイカーとして選ぶことに。
購入したのは1990年式後期型スプリンタートレノGT APEX。ボディカラーはこの色と同じブラックメタリックを選択した
シルビアやインテグラに比べ、当時の92トレノGT APEXの新車価格が5MT車で152万円と割安だったのも購入の決め手となったのだが、FFのクーペにしては後席も充分広かったのも92の美点だった。
■学生生活のよき相棒となってくれたAE92トレノ!
AE92レビン前期型のシート。ファブリックタイプのスポーツシートだったが、当時学生の自分にとっては充分に豪華な代物だと感じていた
かくして1990年秋に納車された人生初のマイカーであるAE92トレノでのカーライフは、学生生活を実に楽しいモノにしてくれた。毎日の通学での運転、サークル活動での遠征や合宿などでは仲間との移動を難なくこなしてくれ、厚木キャンパスでの授業後に92レビンに乗る友人とは横浜ベイブリッジ方面まで仲間とよく走りに行ったものだ。
その92トレノの走りはまさに「軽快」という言葉がピッタリと当てはまるテンロクスポーツだった。1.6LのNAエンジンは取り立ててパワフルではなかったが、当時免許取り立てだった自分にも非常に扱いやすく、癖のない操縦性は初心者ドライバーにとって打ってつけだったと思う。
電子制御サス「TEMS」を採用していた92のアシは、乗り心地も悪くなかった。運転する毎日が非常に楽しみで、原チャリに乗っていなかった私にはそれまでより行動範囲がグンと広がったのも嬉しかったポイント。
その後、AE86トレノ3ドアHBの後期型GT APEXに乗っていた友人のその愛車も運転させてもらったことがあったが、FRならではの楽しさもあると実感。そこから次の愛車として5年後にFRモデルのR32スカイラインGTS-tタイプMに乗り換えるきっかけとなったのだが、5年間で約7万kmを走行した最初の92トレノには今でも感謝している。個人的には86に負けない名車だったと思うぞ!
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みんなのコメント
もし、拓海君が92乗りだったら…
FF最速伝説物語だったなら…(笑