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BYD「ドルフィン」は日本製EVの脅威となるか。中国発の最新コンパクトハッチに国内試乗

掲載 更新 59
BYD「ドルフィン」は日本製EVの脅威となるか。中国発の最新コンパクトハッチに国内試乗

コンパクトSUV「ATTO 3」を携えて、いよいよ本年日本での本格展開をスタートしたBYD。彼らが送り込む第2のモデルが、コンパクトハッチバックタイプの「ドルフィン」だ。2023年9月20日より販売を開始する小さな“刺客”は、いかなる実力を備えているのか。自動車ジャーナリスト・小川フミオがいち早くプロトタイプに試乗した。価格に関する記事はこちら。

フォルクスワーゲン ゴルフに近いサイズ感

BYDオートジャパン、日本第一弾のe-SUV「ATTO3」(アット3)を発売。価格は440万円

BYDが「ドルフィン」なるBEVハッチバックを、2023年9月20日から日本で発売する。このリポートはひと足先に「プロトタイプ」(発売前のモデルをそう呼ぶこともある)に試乗してのものだ。

ひとことで乗った感想を書くと、驚いた。驚いただけでは、やっぱり、短すぎる。驚いた理由は、期待以上によく出来ていたからだ。快適で、操縦性が高く、利便性も高そうだ。

ドルフィンは、全長4290mm、全幅1770mm、全高1550mm。近い数値のクルマを探すと、フォルクスワーゲン・ゴルフが全長4295mm、全幅1790mm、全高1475mmだ。

ゴルフと比較すると明確にわかるのは、ドルフィンは全高が高く、ハッチバックというよりSUV的な、いわゆるクロスオーバー車型であることだ。

電気モーターをフロントに搭載した前輪駆動方式で、ドライブトレインがコンパクトにできるBEVゆえパッケージングに秀でており、ホイールベースはゴルフより80mm長く2700mmもある。

BYD車は、駆動モーター、トランスミッション、DC-DCコンバーター、モーターコントロールユニット、車両コントロールユニット、オンボードチャージャー、バッテリーマネージメントシステム、高圧配電モジュールをまとめた「8-in-1電動パワートレインシステム」を採用。そのメリットとして、メーカーでは「重量は15%、体積は20%低減し、空間効率の最大化を実現」したとしている。

「e-プラットフォーム3.0」と呼ばれるシャシーに、BYDが独自開発したブレードバッテリーという薄いセルを集めたバッテリーパックを敷き詰めるようにして搭載。

ブレードバッテリーは、熱安定性の高いリン酸鉄リチウムを使っていて、「熱安定性の問題を解決している」と、BYD。

ちなみに、2023年1月に日本導入された初のBYDモデルである「ATTO 3」は、全長が4455mm、全高が1615mm、ホイールベースが2720mmと、ドルフィンより大きい。

ドルフィンのメリットは、数値からわかるとおり、よりパッケージングの効率がいいことと、立体式駐車場にも入れられるところにある。シャークアンテナの形状を変更して、1550mmに全高を抑えているそうだ。

航続距離は最長476km

今回試乗したのは、「ドルフィン・ロングレンジ」というモデル。日頃から長距離走行や高速走行が多いひと向け、とメーカーの日本法人では定義している。

58.56kWhのバッテリーで、航続距離は476km(WLTC)。これに対して標準モデルがあって、そちらは44.9kWhで400km(同)。モーター出力は前者が150kWであるのに対して、後者は70kWとだいぶ異なる。

CHAdeMOによる急速充電は、ロングレンジが85kWで、標準が65kW。6kWのAC充電にも対応している。加えて、給電のV2HやV2Lの機能も搭載されている。これは購買時に有利な点。

もうひとつ、ロングレンジと標準モデルとの大きな違いというのは、リアサスペンション形式だ。ロングレンジがマルチリンク方式であるのに対して、標準はトーショナルビームによる半独立式。

トーショナルビームは、ゴルフなど、欧州車で始まったサスペンション形式で、軽量化をはじめ、シャシーの剛性アップ、コストダウンなど、とくにコンパクトカーだとメリットが多い。

私は、マルチリンク式リアサスペンションのロングレンジ車を中心に、そのあと、トーショナルビームの標準モデルに乗ってみた。

マルチリンクのほうがふわりふわりと段差ごえの気持よさがあるように感じたが、標準モデルしか乗っていない自動車ジャーナリストは「充分と思った」と話してくれた。

Vol. 2へ続く

BYD DOLPHIN Long Range

全長:4,290mm 全幅:1,770mm 全高:1,550mm ホイールベース:2,700mm 車両重量:1,680kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:138Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:476km(WLTCモード) 最高出力:150kW(204ps)/5,000-9,000rpm 最大トルク:310Nm(31.6kgm)/0-4,433rpm バッテリー総電力量:58.56kWh モーター数:前1基 トランスミッション:1速固定式 駆動方式:FWD フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット リアサスペンション:マルチリンク フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ソリッドディスク タイヤサイズ:前後 205/55R16 最小回転半径:5.2m 荷室容量:345-1,310L

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みんなのコメント

59件
  • クラッシュテストを見てみたい
    ハントリングやいかに?試乗記事も楽しみ!?
  • 日本の脅威にはならない。
    何故なら日本車が欲しい人は中国車は検討しないから。
    でもテスラとはガチンコ勝負だろうね
    で、23年はグローバルでBYDが勝ってる。
    これが事実だろう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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