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ハイラックスサーフはなぜ日本で販売しない? 懐かしのハイラックスサーフを中古で狙う!

掲載 更新 12
ハイラックスサーフはなぜ日本で販売しない? 懐かしのハイラックスサーフを中古で狙う!

 日本を代表するピックアップトラックであるトヨタ ハイラックスは、1997年に登場した6代目をもって日本での販売をいったん終了。2004年に発売された7代目ハイラックスは、日本では発売されなかった。

 しかし2015年にタイで発表された8代目が2017年9月、実に13年ぶりに日本市場でも発売されたのは記憶に新しい。そしてその8代目ハイラックスは2020年8月にマイナーチェンジが行われ、今なお好調な販売を続けている。

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 いっぽう、SUVのハイラックスは、1983年に登場した初代がFRP製のリムーバルトップを装備し、RVブームと相まって人気に火が付いた。

 続いて、1989年に登場した2代目は、従来のFRPトップからスチール一体ルーフやボディ各部のフラッシュサーフェス化でよりスポーティになり、初代に続いて2代目も大ヒットモデルになった。

 そして、1995年には3代目、2002年には4代目が登場、ランドクルーザープラドと部品を共用していたが、結局2009年に販売終了した。そのハイラックスサーフは、4ランナーという名で2009年以降、実は海外では生き延びている。

 しかし、日本市場は空前のSUVブームのなかにあって、なぜハイラックスサーフは販売されないのか? しかし嘆いてばかりじゃダメ、ということで、ハイラックスサーフの現行車と、懐かしの歴代ハイラックスはいくらで販売されているのか? 中古車事情に詳しい伊達軍曹がレポートする。

文/伊達軍曹、写真/トヨタ

【画像ギャラリー】ハイラックスサーフの歴史と北米版の本格SUV「4ランナー」

■SUVのハイラックスサーフは4代目で日本販売終了

現在では国内唯一のピックアップトラックとしてビジネスユースや個性を求めるオーナーに愛されている、現行モデルのハイラックス

 さまざまな荷物や道具類などを荷台へ雑に放り込み、郊外の荒れ気味な道を疾走するピックアップトラック。アメリカ映画や同国のテレビドラマなどでしばしば見かけ、そのラフでタフな使い方に対して「……カッコいいじゃん」と憧れるシーンだ。

 ピックアップトラックのハイラックスは、2017年9月に13年ぶりに発売され、現在も販売されている。しかし、ピックアップトラックであるハイラックスの派生モデルとして1983年に初代が登場したSUV「ハイラックスサーフ」は、2009年に販売終了となった4代目をもって日本での販売をやめてしまった。

4ランナー ベンチャーエディションの2020年モデル

 だがハイラックスサーフの系譜が「日本では途絶えた」とはいえ、事実上の5代目ハイラックスサーフであるN280系は、「TOYOTA 4Runner(トヨタ 4ランナー)」という車名で海外市場では販売されている。

 トヨタ4ランナー(日本名:トヨタ ハイラックスサーフ)は、初代ハイラックスサーフが日本で登場した1983年の翌年、1984年には北米市場で「初代トヨタ 4ランナー」としてデビュー。

 その後はハイラックスサーフのフルモデルチェンジとほぼ同タイミングで4ランナーのほうも代を重ね、前述のとおり、現在は5代目の4ランナーが北米を中心に人気を博している。

■5代目4ランナーの日本発売熱望!

写真左が現行の4ランナー。中央は初代ハイラックスサーフ、右は2代目ハイラックスサーフ

 5代目4ランナーは、基本骨格には4代目ハイラックスサーフなどと同様のラダーフレーム構造を採用する本格オフローダーだが、それでいて街中をスポーティに走ることができるというキャラクターは、歴代ハイラックスサーフ=歴代4ランナーと同様。

 ボディサイズは全長4830×全幅1925×全高1796mmで、この数字は「ランドクルーザープラドよりちょっと大きく、ランドクルーザ200よりちょっと小さい」といったところ。つまり、もしも日本で乗るとしたら「堂々たるサイズ」に感じられる……といったニュアンスの寸法だ。

 5代目4ランナーの搭載エンジンは、2010年モデルまでは最高出力157hpの2.7L、直4も用意されていたが、2011年モデル以降は270hpの4L、V6に一本化されている。

4ランナーベンチャーエディション2020年モデルのリアフォルム。前後の盛り上がったフェンダーが特徴的

 そして、写真を見ればおわかりのとおり「なかなか、いやかなりカッコいい!」と叫びたくなるビジュアルの5代目トヨタ4ランナーゆえ、これを5代目のトヨタ ハイラックスサーフとして日本でも販売してほしいものだが、どうやらその予定はさらさらない模様。

 しかし世の中には「直輸入をしている専門店」というのもたくさんあるため、5代目4ランナーを日本在住者が購入し、そして日本の道で乗ることも普通に可能である。

 気になるその価格は、2021年モデル新車の場合で車両価格550万~630万円ほど。2013年式あたりの中古車だと370万~410万円ぐらいである場合が多い。

 決してお安い買い物とはいえないが、「他人とほぼ被らない強烈な個性」を備えている、タフでおしゃれな本格SUVを求めている人で、なおかつそこそこお金に余裕がある人にとってはステキな選択であるはずだ。

■新車は600万円以上! ならば中古で狙ってみる!

初代ハイラックスサーフ。1984年5月発売~1989年5月販売終了

初代ハイラックスサーフの中古車情報はこちら!(リンク先)

 とはいえ……新車で600万円以上、中古車でもおおむね400万円以上のお金というのは、おいそれと出せるものでもない。となれば、話は必然的に「5代目4ランナーの逆輸入車ではなく、日本で普通に売られていた往年のトヨタ ハイラックスサーフの中古車はどうなってるんだ?」という方向へいく。

 ということで調査してみると、1984年から1989年まで販売された初代N60系はきわめて数が少なく、2021年1月下旬現在の流通量は全国でわずか2台ほど。価格は、35年以上までの車であるにもかかわらず2台とも170万円前後となかなかお高く、うち1台は走行22万kmであるにもかかわらず約170万円。

 今となっては骨董品的な価値がある、ということなのだろう。

2代目ハイラックスサーフ。1989年5月発売~1995年12月販売終了

2代目ハイラックスサーフの中古車情報はこちら!(リンク先)

 1989年から1995年にかけて販売された2代目N130系も流通量豊富とはいえず、2021年1月下旬時点の流通量は全国で約20台。こちらは車両70万~90万円ぐらいの比較的安価な個体もあるが、流通の中心は車両140万円前後。

 走行距離は、6万kmぐらいしか走っていないものから30万km近いものまで千差万別だが、このぐらいの年式になると「走行距離で良し悪しを測る」のはナンセンス。

 あくまでも「それまでの使われ方と整備履歴=愛され方」で判断するべきなのだ。実際、前述の走行30万km近い個体にも、ヘタな低走行物件以上のプライスが付いている。

3代目ハイラックスサーフ。1995年発売~2002年11月販売終了

3代目ハイラックスサーフの中古車情報はこちら!(リンク先)

 そして1995年から2002年まで販売された3代目N180系になると中古車の流通量は一気に増え、2021年1月下旬時点の流通量は全国で約220台。価格は約40万円から約280万円と上下に幅広く、その間に数多くの物件が遍在しているという状態である。

 ノーマル系の個体で食指が動くのは(状態が良さそうな物件)は車両価格100万~120万円付近で、程よいプチカスタムが施されている物件が150万~170万円あたり。

 近年流行りのアースカラーに塗り直された個体は220万円前後である場合が多く、大掛かりなカスタムが施されている個体は250万円~というのが、3代目ハイラックスサーフのおおむねの相場感である。

4代目ハイラックスサーフ。2002年11月発売~2009年7月販売終了

4代目ハイラックスサーフの中古車情報はこちら!(リンク先)

 世代別で最多の流通量となるのはやはり2002年から2009年の最終4代目N210系で、こちらの流通量は前述日現在、全国で300台以上。全体の相場は約70万~約290万円と、これまた上下に幅広いが、コンディション的に程よい塩梅のノーマル車は車両100万円前後である場合が多い模様。

 そしてプチカスタムされた個体は130万円前後で、流行りのアースカラーに全塗装したうえでリフトアップしている個体が170万円前後。大掛かりなカスタムが行われた個体やかなり好条件なノーマル系は230万円~というのが、最終4代目の(あくまで大まかな)相場になっている。

 100万円台から200万円台ほどの予算で新車のトヨタライズあたりを購入し、便利かつ快適に使うのももちろん悪くはない。しかし個性というか味わいというか、端的に言ってしまえば「シブいカッコ良さ」については中古のハイラックスサーフの圧勝であろう。

 そしてなおかつ、しゃれた感じにカスタマイズされた物件を買うか、もしくは購入後に自分好みの雰囲気に仕上げるかすれば、その「差」はさらに広がるはず。

 もちろん、往年の中古車というのはメンテナンス面でも乗り味の点でもどうしたってクセはあるため、中古のハイラックスサーフは万人向けの選択肢とは言い難い。

  しかし昨今の洗練されすぎたSUVとは明らかに異なる、程よく無骨なテイストに興味を覚えたならば……トヨタ ハイラックスサーフの中古車に注目してみる価値は大いにある。

【画像ギャラリー】ハイラックスサーフの歴史と北米版の本格SUV「4ランナー」

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みんなのコメント

12件
  • 記事で「熱望する」と書くだけで記者さんが買わないから、日本に入れないんでしょ。
  • バブルが崩壊して価値観が少しずつ変わってきた頃から注目されてヒットした記憶。
    初代はこれから景気が上向き始めるって頃に登場したから注目度は今ひとつだったが二代目はバブル景気真っ盛りに豪華な内装と外装を纏い出てきた。
    スキーブームもあり、それに引っ張られるように売れていた。
    バブルが弾けてからはRVブームによって街乗り四駆の重要に支えられていた。
    メーカーのテコ入れも抜かりがなくマイナーチェンジの前には特別仕様車を投入するなど販売に力を入れていた。
    MCでは3ℓディーゼルターボが投入されて機動力を上げたのも魅力だった。
    3代目はキープコンセプトながら装備も一層豪華になって魅力的な内容になってきた。
    つくづくトヨタは商売が上手いなと思った。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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