GfK Japanは全国のカー用品店、タイヤ専門店、ガソリンスタンド、ホームセンター、インターネットの販売実績データ等を元に、市場規模相当に拡大推計した2023年のタイヤ、エンジンオイル、自動車用バッテリーの販売動向を発表した。本稿では、その概要をお伝えする。
夏タイヤ~前年比7%減と低調に推移
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2023年のタイヤ全体の数量前年比は7%減と低調。夏タイヤは全体で数量前年比8%減、店頭では数量前年比7%減、インターネットでは同10%減とマイナス成長となった。
特に14インチ以下の軽自動車サイズが店頭では数量前年比9%減と減少、インターネットでは同20%減と大幅に落ち込んだ。
夏タイヤの平均価格は店頭では前年から8%上昇して1万782円、インターネットでは15%上昇して9639円となった。
2年連続で価格改定が実施されたこともあり、2021年の平均価格からは店頭で14%、インターネットで26%の上昇となっている(図1)。販売数量は減少したものの平均価格の上昇に支えられ、金額前年比は店頭では1%増、インターネットでは4%増と微増を記録した。
夏タイヤをサイズ別にみると、主要なサイズでは155/65/14が数量前年比11%減、145/80/12が同14%減など多くのサイズで減少が見られた。
こうした中ではあるが、205/60/16では同4%増、185/60/15では同7%増と前年を上回り、235/50/18では同16%増と大幅な伸長を見せるサイズもあった。
冬タイヤ・オールシーズンタイヤ~数量前年比は全体で10%減と二桁マイナス
冬タイヤの2023年9-12月期の数量前年比は全体で10%減と二桁マイナスとなった。店頭では数量前年比14%減、特に関東・甲信越では同21%減と前年を大幅に割り込み、インターネットでは同5%減だった(図2)。
冬タイヤの最盛期である12月の販売が、数量前年比25%減と著しく減少したことが影響した。冬タイヤの平均価格は店頭では1万3123円と前年から7%上昇したことに対し、インターネットではプレミアム製品の構成比が下がったことが一因となり、1万1682円と1%下落した。金額前年比は店頭では8%減、インターネットでは2%減となっている。
オールシーズンタイヤの2023年の数量前年比は全体で3%増と成長の鈍化が見られるものの、前年に引き続き販売を伸ばした。インターネットでの伸長が数量前年比9%増と全体をけん引した。
一方、店頭では同6%減と前年を下回る結果となった。185/65/15では数量前年比9%増、175/65/15では同8%増などコンパクトカーが多いサイズで伸長が見られた他、SUVが多い225/55/18では同21%増の二桁成長を示した。
エンジンオイル~前年比6%減と低調、2年連続で前年を下回る
2023年の販売量前年比は6%減と低調で、2年連続で前年を下回る結果となった。店頭では6%減、インターネットでは2%減となっている。
4L缶は数量前年比6%減で、店頭では同5%減、インターネットでは同11%減と大きく落ち込んだ。平均価格は、店頭では4141円と前年から12%上昇、インターネットでは4222円と7%上昇した。その結果、金額前年比は5%増となり、店頭では6%増であった一方、インターネットでは4%減に留まった。
GfKが2023年10月に実施した消費者調査では、エンジンオイル交換経験者1万3036人のうち、40%は『前回の交換から一定の期間が過ぎた』、36%は『前回の交換から一定の距離を走行した』ことをきっかけにエンジンオイル交換を実施しており、定期的なメンテナンスの意識が持たれていることが推察できる。
交換の頻度では、6か月ごとに交換する人が49%と最も多く、次に1年ごとに交換する人が18%を占めた。
4L缶の主要な粘度では、0W-20が数量前年比3%減、5W-30が同9%減、10W-30が同10%減と減少した(図3)。そうした中、0W-16は数量前年比22%増と二桁成長を見せた他、0W-30は同4%増、10W-40は同2%増と前年を超える粘度も見られた。
自動車用バッテリー~店頭6%減に対してインターネットは19%増
2023年の数量前年比は2%増と微増であった。店頭では6%減であったことに対し、インターネットでは19%増と二桁成長を記録。アイドリングストップ車向け製品が拡大傾向にあり、数量構成比は前年の28%から32%に至った。
その反面、標準車・充電制御車向け製品は同66%から62%に縮小した。平均価格は、店頭では1万5279円と前年から9%上昇、インターネットでは1万1200円と11%上昇した。
金額前年比は10%増と二桁成長を見せ、店頭では2%増と微増にとどまるも、インターネットでは31%増と大幅に拡大している。
自動車用バッテリーのサイズ構成をみると、最も販売の多いB19の数量構成比は29%に縮小した。その一方でD26が数量構成比を12%へと拡大させており、数量前年比では16%増、特にインターネットでは36%増と著しい伸長が見られた。
また、近年国産車でも採用車種が広がっているEN規格バッテリーは全体で数量前年比29%増と顕著な伸長を示した。数量構成比では前年の4%から5%に増加し(図4)、インターネットでは9%を占めるに至った。
関連情報
http://www.gfk.com/jp
構成/清水眞希
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