PHEVモデルを増やすメルセデス・ベンツ
text:Matt Saunders(マット・ソーンダース)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
近年のメルセデス・ベンツは、動きが急進的に感じられる。多くのプレミアムブランドの場合、プラグイン・ハイブリッドのラインナップはまだ数モデルに留まる。一方でシュツットガルトからは、すでに二桁に迫る台数が提供されている。
この数字は、サルーンやハッチバック、エステート、クーペといったボディタイプを区別していない。もし分けて数えれば、さらに増える。
メルセデス・ベンツCクラスはもちろん、EクラスとSクラス、SUVのGLCとGLEにもPHEV版が存在する。そして、コンパクトハッチバックのAクラスにも追加された。
PHEVは英国でも税金面で有利で、会社からの貸与車両などにも適している。メルセデス・ベンツは、EQパワーというサブブランド名を与え、差別化も図っている。電動化技術の増殖計画は、順調に進んでいるようだ。
そんなメルセデス・ベンツ製PHEVモデルとして、最も小さく手に届きやすいクルマが、このA 250e。基本的には、比較的大きな15.6kWhのリチウムイオン・バッテリーをフロア下に搭載した、Aクラスだ。CO2の排出量はわずか26g/kmで、EVモードでの航続距離は70kmとなっている。
英国でのエントリーグレードの価格は、3万3000ポンド(435万円)以下。会社からの貸与車両として受け取ったドライバーは、車両価格分の税金控除を受けることができる。
1.3L 4気筒ターボガソリンに電気モーター
英国で会社の貸与車両を利用する社員は、フォード・フィエスタのローエンドモデルに乗る月額負担のおよそ半額で、A 250eに乗れる計算になる。もっとも、ハイブリッド化されていないフィエスタを、長期所有する企業も少ないとは思うが。
Aクラスのプラグイン・ハイブリッド、A250eには、5ドア・ハッチバックと4ドア・サルーンの両方が用意される。広い車内を持つBクラスにも、同じパワートレインでPHEVが投入される見込み。
エンジンは、ルノー・日産・三菱アライアンスとの共同で開発した、1.3Lの4気筒ターボガソリン。トランスミッションは8速デュアルクラッチATで、前輪を駆動する。
AUTOCARは2019年末に一度プロトタイプの試乗をしているが、PHEVとして、A 250eは特に洗練されたモデルだという印象は受けなかった。それは、英国での量産版の試乗でも同じだった。
エンジンと電気モーターを組み合わせたパワートレインを採用するクルマの場合、ドライビング体験が冴えないことが多い、という前提がある。それでもA 250eは、ほかのPHEVと比べて、気になる部分が少なくない。メルセデス・ベンツというブランドとして、プレミアムな質感も物足りないと感じた。
少なくとも、EVモードで運転するA 250eは素晴らしい。EVモードでの航続距離はWLTP値で70kmだから、多くのライバルより長い。実際に様々な条件を複合した今回の試乗では、50kmほどの距離は得られていた。
運転しやすく活発に走るEVモード
A 250eは、最大7.4kWの容量で充電が可能で、多くのPHEVの倍のスピードで電気を蓄えられる。一般的な7ピンのAC充電器を用いても、2時間以内に完了できる。目的地で買い物や会議を済ませている間に、バッテリーの充電も終わらせることができる。
自宅に充電器がある場合、2・3週間くらいなら、ガソリンを燃やさずにA 250eを運転することも難しくないだろう。すべてのPHEVが、それを可能とするわけではない。
しかもA 250eは、EVモード時の運転のしやすさや活発な走りでも秀でている。ハイブリッド・モードなら、0-100km/h加速を7秒未満でこなすが、EVモードでもガソリンを一滴も燃やさずに、13秒未満で加速できる。
電気モーターはトルクが太く、トランスミッションの手前側に取り付けられている。流れの速い郊外の一般道だけでなく、高速道路でもモーターの回転数を低く抑えられる。EVモードでの動的性能に幅が生まれると同時に、エンジンの始動を極力不要としている。
メルセデス・ベンツの純EV、EQCと同様に、メルセデス・ベンツA 250eもシフトパドルを弾くことで、エネルギー回生量の調整ができる。右側のシフトパドルを長く押していると、コースティング・モードの選択も可能。アクセルペダルから足を放しても、回生ブレーキは効かず、惰性で走行できる。
左側のパドルを何度かはじき、回生量を最大にすれば、ワンペダル・ドライブが可能となる。デフォルトでは、エネルギーの回生はオート・モードでの発進となる。
この続きは後編にて。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
「財布を忘れて帰ろうとしたら、免許不携帯で捕まりました。今取りに帰るんですよ。私が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「事実でしょ」「非常識」の声も…「うっかり」でも許されない理由とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?