‘22年の春、クラウドファンディングサイトMakuakeの先行販売で、電動バイク部門最高の1億9000万円を超え、大注目を集めたコスウェル「MIRAI」。原付一種と原付二種のラインナップから、今回は人気の原付二種モデルに試乗しました~!
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●文:ヤングマシン編集部(近藤スパ太郎) ●写真:輪 ●外部リンク:株式会社Acalie
クラウドファンディングで注目度No.1の電動バイク MIRAI
極太フレームにファットタイヤ、サドルシートと丸目ライトが個性的なペダル付き電動バイク「MIRAI」は、日本市場向けにアカリエ(本社:名古屋市)が設計をして、中国の電動モビリティ企業のコスウェルと共同開発した車両だ。原付一種の「MIRAI-S」と二種の「MIRAI」は、’22年の春にクラウドファンディングで約2億円を集めた。
ボクは二種の「MIRAI」に試乗したのだが、見た目の無骨さとは異なり、跨るとスリムでコンパクト。何と言っても車重が35kgと軽く、取り回しもメチャクチャ楽である。
電動バイクはアイドリング音がなく、スロットルを不用意に触ることで誤発進してしまう事故が多々ある。そのため、車体に跨って走り出す直前に起動させることが鉄則なのだが、MIRAIは起動後もパーキング解除スイッチを押すか、両方のブレーキを握ってからでないと、走り出せない仕様だ。
さらに約1分間操作を何もしないとスロットルへの電流が自動的に切れ、電動バイクに慣れていない人にも安全性が配慮されている。
―― 【COSWHEEL MIRAI】■全長×全幅×全高(mm):1630×600×1050 ■シート高:770mm ■ホイールベース:1100mm ■車体重量:約35kg ■原動機:インホイールモーター ■駆動方式:チェーン駆動 ■定格出力:1.0kW ■最大出力:NA ■最大トルク:NA ■最高速度:約60km/h ■航続距離:約40~50km※標準装備の20Ahバッテリー搭載時。オプション品の27.5Ahバッテリー搭載時は約50~60km ■最大登坂角:15度 ■駆動用バッテリー:リチウムイオンバッテリー ■バッテリー電圧/容量/充電時間/重量:48V/20Ah(0.96kWh)/約6時間/約6kg ■電力回生方式:ナシ ■ブレーキ:油圧式ディスクブレーキ ※ABS装備 車両区分:原付二種 運転免許:AT小型限定~ ■タイヤサイズ(インチ):20″×4″ ●車体色:ネイビーミリタリー(今回試乗) ピュアホワイト スカイグレー マットブラック ●乗車定員:1名 ●価格:32万8900円
―― 【ライディングポジション】シート高は770mmで身長150cmの人でもつま先立ちが可能な高さに設計されている。極太のフレームに直結されたサドル型シートは肉厚でクッション性がありお尻は痛くない。ハンドルの高さやペダルに足を乗せた感じなど、写真では窮屈そうに見えるけど、ペダル式だから走行中はむしろシックリくる。車重35kgとメチャクチャ軽く取り回しはとても良い。サドルって、ペダルを漕ぐにはとても良い形状なんだなぁ~と実感した。[身長173cm/体重77kg]
コスウェル MIRAI 試乗インプレッション
走行は、ペダルを漕いで人力のみで走る「自転車モード」と「電動バイクモード」があり、後者でペダルを漕ぐとペダルのアシストパワーが加わる「ハイブリッド走行」が可能だ。
さらに電動バイクモードには、加速力や最高速が異なる3つのモードがある。スペック上では1が約28km/h、2が約42km/hで、3が約60km/hとなっていて、操作ユニットの±ボタンで切り替えられる。重量物であるバッテリーはトップチューブ内の高い位置に収納されているが、実際に走行してみると重量バランスは悪くなく快適に走行できた。
加速力はパワーに振っているわけではないが、ボクの体重では、モード3で35km/hぐらいまではそこそこ加速するので、他の車両にも付いて走れた。その上の速度はジワジワと伸びる感じで、ボクの場合は51km/hがMAXだった。 また急坂の登りは速度が少し落ちるが、ペダルを漕げば人力とモーターパワーが力強くアシストしてくれ、坂道や加速したい時に重宝した。それに車重が軽いので漕ぐのも大変ではないし、サドルという点も「漕ぐ」操作がとてもしやすい要素であった。
―― 【高い登坂能力を発揮!】最大登坂角は約15度の性能を持ち、電動バイクモードでもけっこう登る。さらにペダルを漕ぐことでハイブリッドモードとなり、漕ぐパワーがグイグイとアシストされるから激坂でも楽ちん!
前後のサスペンションとブレーキにはMTB用が採用され「ファットタイヤはバネ下重量的にデメリットでは?」と思っていたが、この足回りもバランスが良く、コーナリングでもブレーキングでも快適だった。ファットだから路面からの衝撃を適度に吸収してくれていていたしね。
残念ながらプロトタイプの試乗車にはABSが付いてなかった。販売車両には装備されるのでより快適な制動性能になっているハズだ。
購入方法は全国に100以上あるパートナーショップかWebサイトで。アフターメンテもパートナーショップやアカリエでも対応している。
―― クルマがバンバン走る幹線道路がメインでなければ、静かで軽くて快適で、お洒落にクルージングができる。近距離の通勤や通学、街乗りにはピッタリな電動バイクだと思うな。
コスウェル MIRAI バッテリー性能:車体に搭載したままでも外しても充電が可能な、便利な2WAY式!
車体の搭載時も外した後も、バッテリーに充電ケーブルを直接差して充電する。容量は48V20Ah(0.96kWh)で最大航続距離は約40~50km。27.5Ahのオプションバッテリーでは航続距離が約10km増える。
―― うわぁぁ~、こんなに長いバッテリー見たことない! アナログキーでロック解除すると引き出せる。バッテリーの全長約69.5cm、重量約6kg! [写真タップで拡大]
―― バッテリーはフレームのトップチューブ内に収納。後方に引き出せる! [写真タップで拡大]
―― 搭載したまま充電する場合、バッテリーの端子に直接充電ケーブルを差し込むだけでOK! [写真タップで拡大]
―― 家庭用100V電源で緑点灯のフルチャージまで約6時間。充電器はコンパクトで軽いので持ち運びも可能だ! [写真タップで拡大]
―― バッテリーはそんなに重くはないから、室内に持ち運ぶのも大変じゃないね! [写真タップで拡大]
コスウェル MIRAI 車両紹介
◆モーター:インホイールモーターとシマノ7段ギヤを装備
―― 電動バイクモードでは最高速度が異なる3つのモードがあり、1は約28km/h、2は約42km/h、3は約60km/hで、ペダルを漕ぐと更にアシストパワーも加わる。人力のみの自転車モードもある。 [写真タップで拡大]
―― 左手元にある操作ユニットで走行モードを切り替える。 [写真タップで拡大]
◆足まわり:前後20インチのタイヤ、前後にディスクブレーキ
―― アイコニックな前後20×4のファットタイヤ。前後にMTB用の油圧ディスクブレーキを採用し、赤いブレーキキャリパーがデザインアクセントにもなっている。原付二種クラスながらABSを搭載予定で、良質な制動性を確保する。軽量で低重心性や旋回性に配慮した正立フォークを採用。 [写真タップで拡大]
―― リヤショックはプリロード調整可能! [写真タップで拡大]
◆主要装備
―― 高照度LEDヘッドライライトを搭載し、リングライトは白色と電球色への切り替えが可能だ。 [写真タップで拡大]
―― カラー液晶メーターの下側にはUSB端子を1つ備え、スマホ充電にも対応。 [写真タップで拡大]
―― フレーム素材には剛性や耐食性が高く、航空機にも採用されているアルミ合金A6061を使用。バッテリーの取っ手はプラスチック製なので、取っ手を持って車両を持ち上げる…などは不可。 [写真タップで拡大]
―― カゴの中の黒いボックスが車両の心臓部の制御装置。 [写真タップで拡大]
―― グリップ力があり漕ぎやすいフラットペダルを採用。 [写真タップで拡大]
―― スモークをかけたテールランプも個性的である。 [写真タップで拡大]
―― 車体の起動やシャットダウンは、メーターの右側にある電子キーセンサーに電子キーをタッチするだけ。アナログキーはバッテリーのロック用。 [写真タップで拡大]
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みんなのコメント
そしてこれは、電動機付き自転車。実は革新的な物ではない。
>スロットルへの電流が自動的に切れ、
慣れないと「開かずの踏切」で…(軽くパニックになりそうですなw)