■台風の中の運転で注意すべきポイントとは?
2024年8月29日から30日に、台風10号が九州本土に最接近する見通しとなっており、週明けにかけて本州を縦断する予想となっています。
台風上陸に伴い、各地の交通インフラでは運休・欠航・通行止めの可能性が出てきています。
そんななか、万が一クルマを運転しなくてはいけない場合、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
【画像】「えっ…!」大雨が…! これが世にも恐ろしい「人喰い用水路」です(28枚)
同月29日10時時点ではJR西日本が「台風10号の接近に伴う、今後の運転計画および現在の運行状況について」、JR東海が「台風10号の接近に伴う列車の運転計画等について」という案内を公式サイトで公開しています。
高速道路では、同月28日16時にNEXCO東日本が「東日本の広い範囲で台風10号による大雨・強風の影響にご注意ください」と題して以下のような案内を出しています。
「非常に強い台風10号は、日本列島に接近、上陸する予報が出ています。
今後の進路次第では、東日本の広い範囲の高速道路で長時間の通行止めなどを行う可能性があります。
また、台風接近前にあっても前線や湿った空気による局地的な大雨が発生し、高速道路に影響が生じる可能性があります。
最新の気象予報・道路交通情報にご注意ください」
またNEXCO西日本は、同月29日7時に「台風10号の影響による通行止めが発生しています(第9報) ~不要不急の外出はお控えください~」と発表。
案内では、通行止め及び通行止めの可能性がある区間を資料で展開するのにくわえて、不要不急の外出は控えるよう促しています。
それでも台風のなかでクルマを運転せざるを得ない場合には、安全のためにいくつかの重要なポイントに注意を払う必要があります。
一般道と高速道路では対策が異なり、それぞれの環境に応じた運転が求められます。
まず、一般道では大雨により路面が滑りやすくなるほか、視界が悪化し、他の車両や歩行者の認識が遅れることがあります。
最も効果的な対策は、走行速度を落とすことです。
速度を抑えることでタイヤのグリップが安定し、スリップ事故を防ぎやすくなるのにくわえて、突然の事態にも対応しやすくなるため、安全な運転が可能になります。
悪天候時には昼間でもヘッドライトを点灯して自車の存在を他車に知らせることが重要です。
また、大雨による道路の冠水もリスクの1つとして挙げられます。
特に「アンダーパス」と呼ばれる構造の場所は雨水が溜まりやすく、車両が立ち往生したり水没したりする危険性があります。
冠水した道路に無理に進入することは避け、状況を見て引き返すなどのリスク回避が必要です。
JAF(日本自動車連盟)は、もしクルマが冠水路で浸水してしまった場合の対応について、同月28日17時に公式Xで以下のように投稿していました。
「走行中なら慌てずに自動車を止め、エンジンを停止して避難しましょう。
一度でも車内に浸水した場合、水が引いてもエンジンを掛けると破損や感電の危険があるためJAFや販売店に相談しましょう」
くわえて添付されたリンク先の公式ホームページでは、具体的な方法として、まずエンジンを止めた後に、片足を浸け水深を測りながらゆっくりと両足をつき、進んできた方向に歩いて戻るようにと促しています。
別ページでは、冠水した状態でドアが開くかどうかが水圧によって左右されることも示されており、緊急脱出用ハンマーを使用してガラスを割ったり、水位差が小さくなるとドアが開けやすくなるといった対策を心得ておくことが大切です。
さらに強風時には、風によってドアがあおられる危険性もあります。
JAFによると、風速30m/sを超えると、ドアが風にあおられて閉まらなくなることがあり、過去の救援要請でもそのようなトラブルが報告されています。
強風の中でドアを開ける際には、十分に注意しなければなりません。
一方、高速道路で大雨に遭遇した場合、視界不良や路面状況の悪化で運転が難しくなることが予想されます。
しかし、本線上で停車すると後続車から追突されるリスクが高く、路肩への停車も緊急車両の妨げとなる可能性があるため、非常に危険です。
正しい対処法としては、速度を十分に落として安全を確保し、最寄りのサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)に避難することが推奨されます。
NEXCO西日本の「降雨時通行規制基準」によれば、時間雨量が50mm前後、または連続雨量が200mmを超えると、高速道路は通行止めの対象になることもあります。
このように、台風時の運転には多くのリスクが懸念され、いつも以上に注意が必要です。
もしクルマで外出する際には、「万が一の場合」を常に想定しながら、安全を最優先にした判断と行動を心がけましょう。
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