7月28日、ドイツのニュルブルクリンクでファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS(GTWCヨーロッパ)の第6戦が行われ、163号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(GRTグラッサー・レーシング・チーム)が優勝を飾った。
フランク・ペレラ、マルコ・マペッリ、ジョーダン・ペッパーのトリオ乗り込んだGRTの163号車は日曜日に行われた3時間レースを制し、2021年のニュルブルクリンクでオレンジ1・FFFレーシングチームが勝利して以来およそ3年、1057日間にわたって遠ざかっていたエンデュランス・カップでの優勝をイタリアのスーパーカーブランドにもたらしている。
3年ぶりエミル・フレイが勝利の美酒。ウインワードAMGはBMWとの接戦を制する/GTWCヨーロッパ第5戦
また、グラッサー・レーシング・チームにとってもエンデュランス・カップでの総合優勝は久々であり、シリーズタイトルを獲得した2017年のキャンペーン以来の美酒となった。
現地時間15時に開始された決勝レースでは、ポールシッターの96号車ポルシェ911 GT3 R(ルトロニック・レーシング)がターン1で71号車フェラーリ296 GT3(AFコルセ・フランコルシャン・モーターズ)に追突され、この際アウトサイドにいた48号車メルセデスAMG GT3エボ(メルセデスAMG・チーム・マンフィルター)に押し込まれたことで左リヤタイヤがパンクし、その後リタイアを余儀なくされた。
一方、アクシデントに巻き込まれた48号車メルセデスは無傷で切り抜け、混乱に乗じ3番手からトップに躍り出た163号車ランボルギーニに次ぐ2番手に浮上。71号車フェラーリのデビッド・ビダーレスにはドライブスルーペナルティが課された。
ここから上位2台によるバトルが続き、48号車メルセデスは何度もトップのランボルギーニに迫ったが、ファーストスティントを担当したペッパーと中間のスティントを任されたマペッリはともに、最初の2時間を通してルーカス・アウアーとマーロ・エンゲルのプレッシャーに耐えてみせる。
ウインワード・レーシングが運営するメルセデスAMGは、2回目のピットストップでダニエル・モラドがマシンを引き継いだ直後トップに立ったかに見えた。しかしオーバーカットを狙った48号車はピットアウト直後のターン1でラインが膨らみ、この内側をペレラの163号車がすり抜けていく。ピンチをしのいだランボルギーニはそのままアドバンテージを築いてトップチェッカーを受け、前述のとおりランボルギーニにとっての“空白の期間”に終止符を打った。
一方のモラドは、ラウリン・ハインリッヒ駆る22号車ポルシェ911 GT3 R(シューマッハーCLRT)のプレッシャーにさらされ、チェッカーまで残り3分で迎えたターン1でオーバーテイクを許してしまう。結果、22号車ポルシェが2位、48号車メルセデスは3位でのフィニッシュに。99号車アウディR8 LMS GT3エボII(トレゾア・アテンプト・レーシング)が4位、5位には98号車BMW M4 GT3(ローヴェ・レーシング)が入っている。
ゴールドカップは、総合15位でフィニッシュしたジル・マグナス/ジム・プラ/ポール・エブラード組25号車アウディR8 LMS GT3エボII(サンテロック・レーシング)がクラス優勝を飾り、総合16位となったセザール・ゲイゾー/ローイ・メイユハス/オーレリアン・パニス組10号車メルセデスAMG GT3エボ(ブーツェンVDS)がシルバーカップを制した。
ブロンズ・カップでは、オープニングラップでリタイアした“プロ・エントリー”ルトロニックの姉妹車である97号車ポルシェ911 GT3 R(ダスティン・ブラットナー/デニス・マーシャル/ルーク・ハートグ組)がクラス優勝を飾っている。
GTWCヨーロッパの次戦はマニ-クールで行われるシーズン第7戦だ。カレンダー落ちから一転、来季2025年のレース開催が決まったフランスでの一戦は8月23~25日にスプリント・カップ第4戦として実施される。
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