トヨタとスバルは2020年2月6日、トヨタがスバルの株式保有比率を従来の16.8%から20%(153万6000株)に引き上げたと発表した。これは2019年9月27日に発表された両社の新たな業務資本提携が正式に実行され、トヨタがスバルの株式を増したことを意味している。なおスバルもトヨタの株式を800億円買い増している。
非連結・関係会社に
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この結果、トヨタはスバルの議決権の20%を持つことになり、スバルはトヨタの持分法適用会社、すなわち非連結・関連会社となる。ただ、両社の役員の兼任はない。
国内で見ると、トヨタと業務提携、資本提携を結んでいるスズキ、マツダ、スバルの中で、スバルがトヨタと最も強い関係で結ばれることになった。
この結果、スバルはトヨタ・グループに加わったことになるが、ブランドは独立した状態で業務提携の関係をより強化するためとしている。トヨタは、スバルと86/BRZの共同開発、AWD技術と、トヨタの電動化技術を活用したEV専用プラットフォームとEV車両の共同開発が行なわれることが決定している。
進行している共同開発プロジェクト
この共同開発プロジェクトは、両社の商品企画のもとで、いずれもスバルが実際の開発・製造を担当するという、いわばトヨタの車両開発の発注形式となる。二代目の86/BRZの開発はすでに進行しており、発売まであと1年という段階に達している。また、電気自動車のAWD・SUVもすでに開発の中盤フェーズに入っている。いずれのプロジェクトも開発費は両社で折半するなど両社にメリットがある。
一方、スバルはトヨタTHS-IIなどハイブリッド車の技術、幅広いインフラやクラウドの構築が必要で、コネクテッドの基盤を活用して自社商品作りを進めていくことになる。
ただ、運転支援システムの関連技術や自動運転化技術に関してはトヨタ、スバルはどのように位置づけているかは不明確だ。
このように、両社の関係は業務提携をメインに行ない、市場のビジネス、ブランドとしては競合関係は維持されるが、両社にとって、日本市場でもアメリカ市場でも直接的な競合関係にはならないという判断がベースにある。
また、トヨタにとっては、スバルの業績が良好であれば、多額の株式配当金が得られるメリットもある。スバルとしては独自ブランドを守り、市場でどれだけ存在感を維持できるかが問われることはいうまでもない。
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