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名伯楽フラビオ・ブリアトーレ、古巣に復帰。親会社ルノーからの命でアルピーヌF1の特別アドバイザーに就任決定

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名伯楽フラビオ・ブリアトーレ、古巣に復帰。親会社ルノーからの命でアルピーヌF1の特別アドバイザーに就任決定

 F1スペインGPの走行初日となる6月21日(金)、アルピーヌF1はチームのエグゼクティブ・アドバイザーとして、かついてルノーF1を率いたフラビオ・ブリアトーレが加入すると発表した。

 今回のブリアトーレ加入は、アルピーヌの親会社であるルノー・グループのルカ・デ・メオCEOによる任命。F1部門のエグゼクティブ・アドバイザーとして、チーム上層部に関わることとなった。

■ルノー、自社製PUを放棄!? 傘下アルピーヌF1を2026年から“カスタマーチーム化”する計画を検討

 ブリアトーレの今後の主な業務は、レーシングチームでの実務というよりも、イギリス・エンストンとフランス・ヴィリー=シャティヨンのファクトリーを強化すること。優秀な人材のスカウトやドライバー市場に関する洞察の提供、現行体制の評価による既存プロジェクトへの挑戦、F1における戦略的事項に関する助言を行なっていく。

 ブリアトーレはベネトン/ルノーのチーム代表として、ミハエル・シューマッハーとフェルナンド・アロンソと共に、それぞれ2度のF1タイトルを獲得した輝かしい功績を持っており、その手腕は指折りだ。

 しかしブリアトーレの就任を不安視する声も挙がるはずだ。というのも、ルノー時代の2008年シンガポールGPでは、アロンソを勝たせるためにクラッシュを故意に誘発する“クラッシュゲート事件”を主導。一時F1パドックから追放されていたのだ。

 ブリアトーレに対する追放は2013年に取り下げられたが、その“前科”は多くの人の記憶に残っているだろう。

 ただアルピーヌF1は悠長なことを言っていられる状況ではない。ここ1年のうちにブランドCEOやチーム代表、スポーティングディレクターが陣営を去り、マシンを刷新して臨んだ2024年シーズンは序盤からパフォーマンス不足が露呈。テクニカルディレクターや空力主任もチームを後にした。そうした状況から、チーム売却の噂も浮上した。

 しかしデ・メオCEOはF1チームを「売るつもりはない」と明言し、さらなる改革を望んでいた。今回のブリアトーレ獲得も、そのひとつと言えるだろう。

 デ・メオCEOは、次世代レギュレーションが導入される2026年シーズン以降も、ルノーが莫大な投資を行なってパワーユニット(PU)製造・開発を継続するべきかどうか検討しており、アルピーヌF1チームをライバルPUメーカーの“カスタマー化”する選択肢も考えられているという。

 ブリアトーレはおそらく、PU面での最終決定を任されることとなると考えられ、メルセデスのカスタマーPU供給契約獲得がターゲットとなりそうだ。

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