2021~2022年にかけて、トヨタbz4X/スバルソルテラ、日産アリア、日産サクラ、三菱ekクロスEV、テスラモデルY、ヒョンデIONIQ5、BYDなど、ピュアEV(BEV)の発売が相次いでいる。
その影響で今年度のCEV(クリーンエネルギーヴィークル)補助金の枯渇が早くも危ぶまれている。
EV販売急増で大ピンチ! 早くもCEV補助金が10月末で終了見込み! 経産省に聞いた「今後の予定はどうなる?」
そんななか、2022年8月2日、経済産業省次世代自動車振興センターが、7月25日時点の予算残高が約177億円、終了見込み時期が10月末目処と発表されたのだ。このままいくと、BEVの納期遅れの影響もあり、「補助金が交付されない?」ということがありえるのか?
そこで、CEV補助金の管轄している経産省および次世代自動車振興センターに、最新のCEV補助金の状況、今後のCEV補助金の展望を聞いてみた。
文/柳川洋
写真/ベストカーweb編集部、トヨタ、日産、スバル、三菱
■え! まさか? 納車が遅れるとEVの補助金がもらえなくなる?
政府補助金込みで約178万円からという手の届きやすい価格で、売れ行き好調な日産サクラ。7月19日時点で、受注台数が2万2000台を超えた
2022年8月2日に、国からのEV、PHEV、FCVなどのクリーンエネルギー自動車の新車購入時の補助金(CEV補助金)の残高が約177億円となり、今年10月末をメドに予算が全て消化されてしまう、つまり10月末で補助金が受けられなくなってしまう可能性がある、と発表されました。
日産の新型軽EVサクラや三菱eKクロスEVでは55万円、日産アリアでは最大92万円が受けられるなど、補助金はまったくバカにならないかなり大きな額なので、車両価格が高額なEVなどの次世代自動車を買うときには補助金を計算に入れないわけにはいきません。
ですが、CEV補助金の申請には、ナンバーの取得が前提となります。半導体不足やウクライナ情勢、新型コロナウイルス感染拡大で自動車の納期が遅れて新車登録の時点で予算が終了していれば、計算に入れていた補助金を受けられないことになります。
■BEVのCEV補助金の一例
トヨタbz4X(給電機能あり)=85万円
レクサスUX300e(給電機能あり)=85万円
スバルソルテラ(給電機能あり)=85万円
日産アリア(給電機能あり)=85万~92万円
日産リーフ(給電機能あり)=53万1000~85万円
日産サクラ(給電機能あり)=55万円
三菱ekクロスEV(給電機能あり)=55万円
マツダMX-30EV(給電機能あり)=51万6000円
テスラモデル3(給電機能なし)=65万円
テスラモデルY(給電機能なし)=65万円
ヒョンデIONIQ5(給電機能あり)=85万円
BYD e6(給電機能あり)=85万円
実際のところ補助金の消化状況はどうなのかも含め、補助金給付事業を行う次世代自動車振興センターと、政策を企画立案している経済産業省に聞いてみました。
FCV、EV、PHEVの販売台数は月4000台から8000台の間で推移、一台あたりの補助金の額を55万円、1月の販売台数が7千台と想定するとひと月あたりの補助金の額は40億円弱となる(出典:日本自動車販売協会連合会 燃料別販売台数「乗用車」)より筆者作成)
■予算額は本当に10月末でなくなるのか? なくなったらどうなる? 担当者を直撃
最も安いB6の2WD。車両本体価格は539万円。経産省のCEV補助金は85万円。2022年7月末でB6の2WDは人気のため受注停止となっている
まず、補助金給付事業を実際に行なっている次世代自動車振興センターの担当者にお話を伺いました。
筆者:このプレスリリースが出た背景に、残高についての問い合わせが増えたためとありますが、その要因は日産サクラなどEVの新車種の発表、発売があったからということでしょうか?
担当者:正確な背景は把握していませんが、やはりEVの新車種の発売があるなどで補助金そのものへの関心が高まるなか、さまざまな事情で納車に時間がかかり、補助金の申請の必要条件であるナンバープレート取得が遅くなってしまったら補助金がもらえなくなるのではないか、というご心配をされる方が増えているのが背景にあるようです。
筆者:7月25日時点での予算の残高が約177億円で、これが10月末には全て予算消化されるということですので、1カ月あたり60億円弱の補助金が支払われる計算になります。しかし手元の計算では、昨年12月からの1カ月あたりの補助金支払額は多い月でも50億円弱、平均ではひと月あたり30億円強程度です。
10月末に予算が終了するという見通しは、補助金対象車の月当たりの新車登録台数がこれまでの2倍近くになることを前提にしていることになり、やや保守的で予算がなくなるタイミングの見通しが若干前倒しになっている、もしくは急激にEVなどの売り上げが伸びることを想定しているように思えるのですが、いかがでしょうか?
担当者:この見通しについては、経産省による市場の見通しなど、さまざまな仮定を置いて計算したものですので、これが保守的かどうかはお答えしかねます。
筆者:仮に10月末に予算がなくなった後、追加の補助金が予算計上されたりするものでしょうか?
担当者:現状では、今年度はすでに出されている補正予算と合わせてCEV補助金が交付されていますので今年度(2022年4~2023年3月)のCEV補助金はこれで終了と聞いております。追加の補助金が予算計上されるかどうかについては、国会での補正予算などに関わる話なので、わたくしどもがコメントする立場にはございません。
ということでした。
続いて経済産業省の担当者にもお話を伺いました。
筆者:10月末までの3カ月で177億円の補助金が消化されるという見通しは、経産省としてEVなど対象となるクリーンエネルギー自動車の売上が急増するとお考えであるということでしょうか? あるいは保守的な見積もりをお示しされたということでしょうか?
担当者:経産省としても自動車メーカーに販売状況を確認したり、登録状況をヒアリングしたりしながら一定の想定を置いて、今回の申請受付終了見込み時期を公表しました。ご承知の通り、現在非常に見通しを立てるのがむずかしい状況で、プレスリリースにもあるように今後の申請状況によって予算がなくなるタイミングが前後することが考えられ、10月末というのはあくまでも現状におけるひとつの目安とお考えください。
筆者:仮に10月末に予算がなくなった後はどうなるのでしょうか。アメリカではEVの購入者には税額控除が行われるなど、国を挙げて支援していますが、日本で仮に補助金による次世代自動車購入支援がなくなると、国にとって良くないと思うのですが。
担当者:やはり補正予算などについては国会が決める話ですし、政府全体としてどうするかもまだ決まっていない状況なので、現時点ではなにもお答えできません。
つまり、補助金の対象となるクルマの購入を検討している人からの問い合わせがかなり増えていて、クルマの納期や生産供給能力に不確実性が高いなか、少しでも有益な情報提供をするために見通しを伝える最大限の努力をするなかで、「状況は変わりうるが、現時点では10月末にもCEV補助金の予算残高がなくなる見込み」という見通しを示した、ということでした。
■日産のディーラーで見込み発注しているサクラでも納車のタイミングはギリギリ
日産 サクラ。全長3395×全幅1475×全高1655mm、ホイールベース2495mm、車両重量1070~1080kg。最高出力47kW/最大トルク195Nm、バッテリー容量20kWh、一充電走行距離180km(WLTC)
EVを販売している現場はどうなのでしょうか? 日産ディーラーに「サクラ」の現在の納期を伺ってみました。日産自動車の4~6月期の決算発表において、サクラは2万3000台の受注があったことが発表されています。
都心のディーラー営業マンの方にお話を聞いたところ、東京の販売会社で見込み発注しているサクラが10台弱ほどあり、カラーや装備が気に入ればその車両を押さえることは可能だが、大人気なので100%買えるとは限らない、その場合でも納車が10月末ぎりぎりか、もしかすると11月になる可能性もある、とことでした。ちなみに新たに注文を入れると、納車は3月以降になるとのこと。
これだと今年度の補助金を期待して注文を入れるのはなかなか難しい状況です。車両本体価格300万円のクルマに対して、国からの補助金55万円というのは、割合で見ても、実額で見ても相当大きな金額です。
新車を発注された方が、補助金終了に間に合わなかったらどうしよう、と思うのも無理はありません。海外ではEVその他には手厚い購入支援策があるなか、日本国内での次世代自動車の購入支援の政策がなくなる、と言うのは考えにくいとは思いますが、国会審議の状況で「真空地帯」的なものが発生しないとも限りません。
いずれにせよ今後、状況は変わりうる、ということでしたので、経産省と次世代自動車振興センターの今後の発表から目が離せません。
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