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ロールス・ロイスに迫る洗練性 BMW i7 xドライブ60へ試乗 新7シリーズにBEV登場 前編

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ロールス・ロイスに迫る洗練性 BMW i7 xドライブ60へ試乗 新7シリーズにBEV登場 前編

7シリーズのラインナップにBEVが追加

運転した最初の数10mで、そのクルマについて多くを知ることができる、と聞いたことのある読者もいらっしゃるだろう。だが、今回はそうもいかなかった。BMWの新世代フラッグシップの試乗会では、最初に自律運転を体験するメニューが組まれていた。

【画像】新7シリーズにBEV登場 BMW i7 xドライブ60 競合の上級サルーン キャディラックも 全106枚

BMW側で指定したルートがインフォテインメント・システムのナビへ入力済みで、i7は自ら道を進んでいく。至って滑らかに。

パーキング・マニューバ・アシストと呼ばれる自律駐車機能は、最大600mまで駐車枠への道を記憶できる。広大な敷地を持つ富裕層でも、門扉の入口からガレージまで手放しでクルマを戻すことも可能になった。

大きなサルーンが自動的に駐車場へ接近し、ステアリングホイールは勝手に回転。スルリと狭い場所へ収まる様子には、感動せずにはいられない。どれほど役に立つ機能なのかは、別の話ではあるけれど。

このフラッグシップ・サルーンには、先進的な技術が満載されている。先出の機能もその1つ。オーナーの名声を誇示する、豪華さを備えるだけではない。

さて、新しいBMW i7は、7シリーズの代替モデルではない。7代目へモデルチェンジした7シリーズのラインナップの1つに相当し、内燃エンジン版と同じCLARプラットフォームをベースとしている。

メルセデス・ベンツはバッテリーEV(BEV)専用のプラットフォームを開発し、SクラスとEQSは構造からまったく異なる。一方のBMWは、内燃エンジンモデルと基礎構造を共有しながら、BEVを作り上げる手法を選んだ。

バッテリーは101.7kWh 航続距離は590km

今回試乗したi7は、xドライブ60というグレードで、年内には英国でも販売がスタートする予定。従来の表記ルールに則り四輪駆動となり、独自開発された新世代の駆動用モーターが2基搭載される。総合での最高出力は543psがうたわれる。

駆動用バッテリーの容量は101.7kWh。航続距離は最大590kmが主張され、急速充電は195kWまで対応する。170kmぶんの電気を蓄えるのに、最短10分間で済む計算だ。

2023年の春には、7シリーズのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)版も登場するという。750e xドライブとM760e xドライブの2種類で、どちらも3.0L直列6気筒ガソリンエンジンを搭載する。

2023年の後半には、新しい7シリーズの頂点を飾る、i7 M70 xドライブも追加される。こちらはBEVのMモデルとなり、最高出力は605psとアナウンスされている。市場によっては他のガソリンターボに加えて、ディーゼルターボも提供されるそうだ。

先日の760i xドライブへの試乗記でもお伝えしたが、英国へ導入される7シリーズはロングホイールベース版のみ。間違いなく大きく重たいサルーンだ。全長は5391mmあり、車重は2715kg。BMWの量産モデルとしては、過去最大へ成長を遂げた。

ロングホイールベース版のSクラスの全長は5283mmで、比較すると100mm以上も長い。先代の7シリーズ Lと比べると、約130mmの差がある。そのおかげで、路上での存在感は半端ない。

テクノロジーとクラフトマンシップが融合

i7の主要市場の1つとして中国が想定されているが、印象的な佇まいは彼の地の嗜好を強く意識したものといえる。上品さや優雅さといった表現は、i7の見た目には似つかわしくない。威圧的なオシの強さが好まれるようだ。

そんなスタイリングとは対照的に、インテリアは落ち着いた雰囲気を漂わせる。先進的なテクノロジーと、伝統的なクラフトマンシップが融合している。

座り心地が素晴らしいシートは、上質なカシミヤ・ウールで丁寧に仕立てられている。レザーを古くすら感じさせる。

ダッシュボードまわりは、SUVのiXでも見た光景が広がる。メーターパネルとインフォテインメント用のツインモニターが一体になったパネルが、誇らしげにそびえる。センター側が14.9インチ、ドライバー側が12.3インチと、サイズも大きい。

実際に押せるハードスイッチは先代の7シリーズから減ったが、センターコンソールにはロータリーコントローラーが残された。タッチモニターに一括集約されたインターフェイスとは異なる。

音声操作も可能で、ジェスチャーコントロールにも対応するが、やはり実際にコントローラーを触った方が遥かに直感的だった。筆者の場合は。

キャビンを横断する、クリスタルのようなインタラクションバーも興味深い。スポーツモード時はレッドとブルーに灯るなど、ドライブモードに応じて光り方が変化する。エアコンの操作系や送風口などとの一体感も新鮮だ。

ギミックともいえるものの、機能としては面白い。新世代の特別なBMWだと感じさせてくれる。

この続きは後編にて。

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