ラルフ・シューマッハーにハミルトン父、失意のデビュー戦となったハジャーを擁護「ヘルムート・マルコは厳しいから……」

元F1ドライバーのラルフ・シューマッハーは、デビューレースのフォーメーションラップでクラッシュを喫したアイザック・ハジャー（レーシングブルズ）を擁護した。

F1開幕戦オーストラリアGPでルーキー最上位の11番グリッドを手にしたハジャーだったが、ウエットコンディションのフォーメーションラップでスピン。ウォールにマシンをぶつけてしまった。

デビュー戦のスタートを切る前にマシンを降りることになったハジャーは、感情を抑えきれず、ヘルメットのバイザーを開けて涙を拭う仕草を見せていたが、レース後にレッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコはこの瞬間について「少し恥ずかしかった」と辛辣なコメントを寄せた。

元F1ドライバーで『Sky Sports Germany』の解説者でもあるシューマッハーは、ハジャーを追い詰めるほどのプレッシャーはマルコが与えたものだと主張している。彼は『Formel1.de』のYouTubeチャンネルで次のように説明している。

「今の私なら必ずしも泣いたりはしないだろう。だが当然ながら、それは若者には響いたんだ」

「最初のレースで、それまで素晴らしいパフォーマンスを見せていたのに、チームをがっかりさせてしまったのはもちろん悲しいことだ。そして少し怖くもなったんだ。レッドブルでは特にマルコ博士は厳しいからね」

「涙を流すことの何が恥ずかしいのか分からないが、ヘルムートのことはよく知っている。間違いなく彼はそういう意味で言っているのではないだろう」

ハジャーは肩を落としてパドックまで戻る中、ルイス・ハミルトンの父であるアンソニー・ハミルトンからもサポートを受けた。ハジャーに寄り添ったアンソニー・ハミルトンは『Canal+』の取材に応じ、ハジャーに手を差し伸べた理由をこう明かした。

「アイザックに起こったことを見た途端、胸が張り裂けそうになったよ」

「それを見て、ただとても悲しかったんだ。8歳くらいの子どもたちがF1レーシングドライバーになることを夢見ることがどれだけ大変なことなのか、私は知っているからね」

「F1までの道のりで、たくさんプレッシャーがかかっていただろうし、初めてのレースでグリッドについたのに、それが実現しなかったんだ。それは世界で最悪の気分だろうし、私はただ彼に同情したんだ」

「彼を抱きしめてあげたかった。父親のような気持ちだったんだ」

ハジャーにとって幸いなのは、第2戦中国GPが開幕戦の1週間後に開催されることだ。舞台となる上海国際サーキットでレースをした経験はなく、スプリント・フォーマットでの開催という厳しいハードルはあるが、ハジャーが雪辱を果たすことができるか注目だ。