輸出仕様専用色を再現!
ハセガワ製のケンメリGT-Xをベースに、輸出仕様のダットサン240K GTを作ろうというこの企画、第4回目ではインテリアの塗装・組み立てを行ったが、今回はボディの塗装~磨き出しである。
プラスチックと木製キットの融合!?糸を操るのはシリアル食品会社…【アメリカンカープラモ・クロニクル】第31回
【画像36枚】下地から塗装、クリアー、磨き出しまで、その工程を見る!
以前の回で述べたようにこの作例では、輸出仕様専用色である、バイオレット味の強いライトブルーメタリックでボディを塗装することとした。タイトル画像ですでにご覧いただいているのがそのカラーだ。国内仕様に見られる(ハセガワのパッケージイラストでも描かれている)ブルーメタリックとは異なる色なので、ご留意いただきたい。
作業の詳細と、そこでの様々なポイントについては、写真とキャプションをご参照いただきたいが、ここでは補足として「カドを出す」「カドが出る」についてすこし述べておこう。自動車のボディには様々な部分にカド=エッジがある。ケンメリはそれでも少ない方だが、ホイールアーチのフチ、前後フェンダーの上面と側面がぶつかり合う部分、リアピラーの側面と後面が交接する部分、あるいはサーフィンラインなどのプレスラインの頂点がその例として挙げられるだろう。
「カドが出る」とは、磨き出し作業によってそうしたエッジ部分の塗装が剥げてしまい、下地のサーフェイサー、あるいはプラスチックそのものが顔を出してしまうことである。カドというのはもちろん面ではないから、そこに乗る塗料の量は少なく、ちょっとしたことで折角塗った色が剥げてしまうのだ。
当然ながら、美しい仕上がりを目指すのであれば絶対に避けねばならない事態と言えよう。エッジそのものは元来白く光るものなので、作業中なかなか気づきづらく、後になって目についてくることも少なくない。
カドが出てしまう問題、代表的な対処法ふたつ
これを避けるにはどうするか。いくつか方法は考えられるが、そのひとつは、エッジ部分にあらかじめ多めに塗料が乗るよう工夫しておくことである。ボディカラーの吹き始めで、エッジやスジボリ箇所(凹ラインのヘリも当然エッジのひとつだ)に優先して色を乗せる、極端には、1回目の吹き付けをそうした部分への塗装のみで済ませてしまう、というやり方だ。
当然ながらその部分だけ色が濃くなって、塗装を重ねてもその違いが透けて見えてしまい不安になる人もいるだろうが、普通は3、4回ボディカラーの吹き付けを行うと、その差はもう見えなくなってしまうようである。ただし、よほど透明感の強いカラーの場合は注意が必要だろう。キャンディカラーで仕上げるためにシルバーの上にクリアーカラーを重ねる、というような場合には、当然ながら使えないテクニックである。
このやり方はボディカラーの塗装だけでなく、クリアーコートにも行うと効果的だ。何層か吹き付ける際にエッジへ先にクリアーを乗せていき、全体をさらにコートするのである。ただし、吹き付け時間が長くなることで埃が付着するリスクも多くなる。完成を急がないのであれば、埃が少しでも見えた時点で吹き付けを中止し、時間を置いて再開した方がよいだろう。また、エッジが厚ぼったくなるリスクもあるので、そこは考えて調節する必要がある。
もうひとつは、ペーパーやコンパウンドをかける際に、エッジだけ(というのは少し難しいのでその周囲僅かも含めて)養生しておく、というやり方である。1mmや2mmといった細切りのマスキングテープを、下地が露出してしまいそうなエッジにあらかじめ貼っておき、そのうえで心おきなく磨き出しを行うのだ。養生なしにエッジを避けて作業しようとするのはなかなか難しい。このやり方であれば安心して作業できるだろう。
出てしまったカドには、再度吹き付けを行う、あるいは吹き付け用に希釈した塗料を筆で重ね塗りする、といった対処法があるが、最初からカドを出さなければそうした手間をかける必要もないので、参考になれば幸いだ。さて、次回はいよいよ最終組み立てとなる。お楽しみに。
※使用キット
ハセガワ1/24スケールプラモデル ニッサン スカイライン HT 2000GT-X (KGC110)
3,520円(税込)
ハセガワ公式サイト
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