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エスティマ ヴェルファイア……営業マンが残念がる生産終了車とは

掲載 更新 40
エスティマ ヴェルファイア……営業マンが残念がる生産終了車とは

 ここ数年、国内で売られている量産モデルの生産終了車が多数に及んでいる。トヨタ、ホンダ、日産に多く見られるが、このほかマツダ、ダイハツ、スズキなども検討中の車種がいくつか存在することが伺える。

 なかには営業マンが「これはモデルチェンジすれば売れるようになるのに残念」と指摘する車種も少なくない。

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 もしかしたらシエンタ、RAV4のようにニーズが再び生じて復活する車種が出現する可能性もあるのではないか?

 そこで、遠藤徹氏が首都圏の主要ディーラーマンに話を聞きながら、生産終了車が再び発売される可能性について調べてみた。

文/遠藤徹
写真/トヨタ 日産 ホンダ マツダ

【画像ギャラリー】モデルチェンジしたら売れるかも? 近々廃止予定の車種をチェックする

アイシス、エスティマ、ヴェルファイア復活の声

近い将来の生産終了が噂されるヴェルファイア。2021年4月の一部改良により、ZゴールデンアイズII以外のグレードが廃止された

 トヨタは2025年までに2017年時点で約60車種あったモデルを30車種の半分に削減することを公表し、以降廃止モデルを着実に増やしている。

 これまで廃止された主な車種はプレミオ、アリオン、マークX、プリウスα、タンク、ポルテ、スペイド、アイシス、エスティマなどである。

 2021年から2022年にかけてはエスクァイア、ヴェルファイア、クラウンセダン、カローラセダン(5ナンバー車)、カローラフィールダーなどが予想される。

 アルファード/ヴェルファイアは2021年4月28日の一部改良で、ヴェルファイアが従来のカタログモデルを廃止して特別仕様車の「ZゴールデンアイズII」のみとなった。その後の受注、販売推移を見ると、アルファードの売れ行きが絶好調なのに対してヴェルファイアは極端な激減ぶりで明暗を分けている。

 カタログもこれまで別々に分けていたのをひとつに統合している。2022年後半にはフルモデルチェンジし「新型アルファード」に1本化する方針だが、首都圏にあるトヨペット店筋によると「次期型にバトンタッチするのを待たずに、今年中にヴェルファイアの生産を中止するのではないか」と予想している。

2019年に生産を終了し、約30年の歴史に幕を閉じたエスティマ。販売再開を望む声も根強い

2017年12月に販売終了した7人乗りミニバンのアイシス

 「人気の高かったアイシスやエスティマを復活してほしいという声をよく聞きます。特にエスティマは、流麗なスタイルだったので惜しむ声が多いですね」(首都圏トヨタ販売店)。

 「全車種統合により、全店でアルファードが販売できるようになりましたので、どうしてもアルファードに集中してしまいます。かつてはヴェルファイアのほうが人気でしたが、今ではほんのたまにですがヴヴェルファイアを選ばれる方がいらっしゃいます。ただこれだけ集中してしまいますと納期が遅れることが多くなりますので、ヴェルファイアを廃止しないでいただきたいですね」(首都圏トヨタ販売店)

ノアよりヴォクシーのほうが売れているのにヴォクシーを廃止するのは?

ノアは2022年初めにフルモデルチェンジされるとの情報あり

販売チャネル統合前は旧ネッツ系店舗で販売されていたヴォクシー。ノアやエスクァイアよりも多く売れており、モデル廃止に踏み込むにはもったいない気もする

 現在、ノア/ヴォクシー/エスクァイアは2つの有力情報が流れている。ひとつは「2022年初めのフルモデルチェンジの時に新型ノアに1本化し、ヴォクシー/エスクァイアを廃止する」という情報がある。

 もうひとつは「ヴォクシーとノアの両モデルを継続し、エスクァイアだけを廃止する。ヴォクシーを上級仕立ての3ナンバーサイズ専用とし、ノアは標準の5ナンバーサイズでコンセプト分けをする」というラインナップの再編である。

 後者の手法にはそれなりの理由がある。2020年4月の一部改良でノアは従来のラインナップをほぼ継続しているのに対して、ヴォクシーは3ナンバーの特別仕様車のみに統合、エスクァイアも売れ筋の上級グレードに絞った再編をした。

 これは何を意味するのか?「次のフルモデルチェンジ時には新型ノアに1本化しヴォクシー/エスクァイアを廃止する布石」と販売店には受け止められた。

 ところがその後から最近までの販売推移を見ると、トヨタの目論見通りになっていないのである。ヴォクシーは引き続き3姉妹車のなかでは最も売れ行きが良く、ノアは若干盛り返し、エスクァイアは大幅なマイナスとなっている。

 こうしたことから、トヨタでは方針を変えて「次期型ではヴォクシー/ノアを残し、ヴォクシーを3ナンバーサイズの上級モデル、ノアを5ナンバーの標準タイプにコンセプト分けをして世代交代する」という案に切り替えるよう検討しているという。

 ヴォクシーのほうが5年後のリセールバリューがノアよりも10万円以上も高くなっているので、ノアへの1本化は難しいと判断しているようである。

 「正直、この統合案を聞いた時はタマげました。全店統合になってからもヴォクシーのほうが引き合いが多く、20代~40代などファミリー層は見た目が若々しいヴォクシーのほうが人気があります。エスクァイアの廃止はしかたありませんが、ちょっとノアだけでは販売が厳しい。セレナe-POWERハイウェイスターやステップワゴンスパーダに追いつかれてしまうかもしれません」(首都圏トヨタ販売店)

旧トヨペット店で販売された5ナンバーセダンのプレミオ

プレミオの姉妹車アリオン。2016年のマイナーチェンジでスポーティかつ高級感のあるデザインに変わった

 セダンのプレミオ/アリオン、マークXはかつてのセダンの主軸モデルだったが、マーケットの縮小で継続が難しくなり、2020年いっぱいで生産中止となった。プレミオ/アリオンは1.5リッターモデルを中心に法人需要が僅かに残っていたが、こちらは当面はカローラセダンで引き継ぐことになった。

 カローラは2019年9月のフルモデルチェンジでセダンとツーリング(ステーションワゴン)が3ナンバーサイズに拡大した。

 この時点で従来モデルの5ナンバーサイズのアクシオ(セダン)&フィールダー(ステーションワゴン)1.5リッターモデルを継続生産とし、こちらを法人需要でカバーした。

 1年間限りの継続生産としていたが、現在でも細々と続けられている。3ナンバーサイズの現行カローラセダンではカバー仕切れないためと思われる。

 「まだまだ5ナンバーの需要は高齢の方や法人の需要はあります。あと数年は継続生産してほしかったですね。それよりもセダンのプレミオ/アリオンの生産終了は、なぜという気持ちがいっぱいです。不動屋さんがお客さんを賃貸物件などに案内したり、中小企業のちょっと豪華な営業車として、これからも需要はあると思うんですが……。サイズも大きくもなく、ちょうどいいサイズだったんですが本当に残念です」(東京地区トヨタ販売店)

ポルテ/スペイドの生産終了

ポルテ/スペイドの助手席側には1枚の大きなスライドドアを装備。助手席のロングスライド機構を用いればワゴン的な使い方も可能

 ポルテ/スペイドは助手席側スライド開閉のコンパクトハイトワゴンでベビーカーや車椅子が乗降可能なのがウリとなっていた。

 ところが2016年11月に両側スライドドアでより利便性の高いルーミー/タンクが子会社のダイハツからOEM供給されることになり、その役目は終わったとして生産中止になった。

 こちらについて販売店各社は「ルーミーがあればポルテ/スペイドは必要ないので復活はないだろう」と見ている営業担当者は多い。

クラウンはやはりセダンが廃止されSUVになるのか?

現行の15代目クラウンは発売から3年が経過。セダン不況の影響からか、販売面で苦戦を強いられている

 さて、先般話題となっているクラウンについては「2022年中盤のフルモデルチェンジではSUVに変わり、セダンは生産中止になる。」との見方が強まっている。セダンの分野はFFラグジュアリーセダンであるカムリに委ねるというわけである。

 「クラウンがSUVになるという話は正式には聞いておりませんが、例えクラウンがSUVになっても、セダンはクラウンは、しばらくは残ると思いますし、まだ正式な内容を聞いておりませんのでなんともいえません。ただ、クラウンの法人需要がアルファードに移っています。先日レクサスの営業マンと話したのですが、レクサスもSUVが大半を占めているからけっしてクラウンSUVは的外れではないと言っていました」(首都圏トヨタ販売店)。

ホンダはアクティ廃止、オデッセイも?

アクティトラックは2021年4月に生産終了。当初の予定から約2ヶ月前倒しされた

 ホンダは2021年にアクティトラックを生産中止したが、今後はオデッセイも廃止する方向で検討を進めているようだ。

 アクティトラックは農村部のユーザーから継続の要望が出ているが、最終的には4月末で廃止を決定。生産を継続すると「1台あたり約7万円の赤字が出ているので、これ以上継続するのは無理」(ホンダ開発責任者)といった判断によるもの。

 しかしホンダ店営業マンは「採算がとれないから生産終了とは……。長年使ってきていただいているお客さんに申し訳ないですね。エンジンは荷台下にあるので空荷でもリアタイヤに荷重がかかりますし、室内は静か。せめてダイハツやスズキさんからOEM供給してもらえるように願っています」(関東北部ホンダ販売店)。

 ダイハツやスズキからのOEM供給も検討したが、「独自路線を貫くというホンダのポリシーにそぐわない」というのが結論だったという。

 S660は2022年に一旦生産中止して近い将来に再開する方針と聞いている。衝突安全という法規対応が理由のようだ。

2020年11月にマイナーチェンジされたオデッセイ。フェイスリフトにより精悍な顔つきに

 オデッセイは2020年11月にビッグマイナーチェンジを実施した。7年ぶりの大幅改良であるから普通に考えれば、フルモデルチェンジの時期である。

 これをしなかったのは多額投資をして新型車を開発してもそれほど販売回復が見込めず、投資金を回収できないと結論を下したようだ。つまり次期型の開発はせず、近い将来モデル廃止に踏み切るということである。

キューブの廃止は痛い! ノートのガソリン車をラインナップに加えるべき!

個性的なフォルムと左右非対称のリアデザインをもち、日産の一時代を築いたキューブ。2020年にひっそりと姿を消した

 日産はキューブ、ジューク、ノートガソリン車を廃止している。キューブは個性的なスタイルのコンパクトハイトワゴンであり、マーケットニーズが高かった。

 「キューブは、フルモデルチェンジしてルーミー、ソリオのように両側スライドドア仕様にすれば、月販5000台以上は確実に売れる、と思っています。いまだにお客さんからの惜しむ声は多いですね。」(首都圏日産店)。

新型ノートは従来の1.2Lガソリン車を廃止しe-POWER専用車に生まれ変わった

 ノートは2020年11月のフルモデルチェンジで1.2リッターのe-POWER車に1本化し、ガソリンNA車を廃止した。

 新型車自体の出来はよく評価が高いものの、車両本体価格が50万円以上も高くなってしまった。廉価の1.2リッターガソリンNA車は足替わりで愛用したい女性や中高年ユーザーからの要望が多いが、このニーズに応えることが出来ない状況にあり、シリーズトータルの販売は伸び悩んでいる。

 「メーカーの日産としては1.2リッターガソリン車を要望するユーザーにはマーチを勧めて欲しいと販売店に要請が来ていますが、それに応じる顧客は少なく、ライバルのヤリスやフィットに乗り替えているユーザーが多いのが現状です。新型ノートでガソリンNA車を廃止したのは失敗ではないでしょうか」(首都圏日産店)。

 このほか、シルフィ、フーガ、シーマなどのセダンも販売不振からラインナップの再編を実施すべく検討しているようだ。

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みんなのコメント

40件
  • ただ廃止された車種を羅列しただけでは記事になりません
    アイシスの復活が望まれますか?そこまで人気車種でしたかね?アリオンも同様です。捜査車両が大半をしめていたと思いますけどどうでしょう
  • 兄弟車なんて別にどっちでもいいじゃないかって思うけどね
    ピラードハードトップ時代のマークIIとクレスタなら、冬にドアが凍り付いて開けられなくなることがあるから、クレスタにしようか真剣に迷うかもしれないけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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