本当はチェロキーの方が懐かしいけど…
1980年代後半から1990年代前半にかけてわが国で巻き起こった、クロカン四駆ブーム。今、あの盛り上がりを懐かしく振り返るとき、サーフやレンジローバーなど、当時人気を博した車種がいくつか懐かしく思い出されるが、ジープのチェロキーおよびグランドチェロキーも、クロカン四駆ブームを振り返る際に不可欠な車種と言えるだろう。
フルサイズ四駆の余裕に浸ろう!タミヤ製プラモ「初代グランドチェロキー」を作る・後編【モデルカーズ】
【画像32枚】迫力ある仕上がりのグランドチェロキーとその制作過程を見る!
タミヤ製1/24スケール・プラモデルのグランドチェロキーは、実車デビューからさほど間を置かずに1993年に発売された。タミヤのスポーツカーシリーズとしては初めてのアメリカ車(それまでにもカプリやシエラなど欧州フォード車はあったが)で、1995年にはジープ・ラングラーもシリーズに加わっている。日本で人気の的となったのは小さなボディのチェロキーの方であったので(アメリカ本国はともかく、ヨーロッパでも同様だったようだ)、当時は「なぜグランドチェロキーをチョイスしたのか」と、題材の選択に疑問の声もあった。
今改めてキットを前にしても同様の感慨は否定できないが、大柄なボディがもたらすマッシブ感と迫力はやはり魅力的である。エンジンおよびシャシー裏面も完全に再現したフルディテールモデルである点も嬉しい。なお、リンドバーグからもグランドチェロキーは1/20スケールでモデル化されており、フルディテールのものとスナップキット(エンジン無し)のふたつがあった。
実はトウ・パッケージ装着車の再現
作例は、そのタミヤのキットをほぼストレートに組んだものだ。制作には海外版のキットを使用しているが、国内版との相違はおそらくパッケージのみと思われる。このタミヤのグランドチェロキーは、車名が別物となるグランドワゴニアを除けば最高グレードとなるリミテッドを再現しているが、ひとつ気になるのは、リアオーバーハング下部にトウバーを装着しているところ。クライスラー純正品が再現されているのでエラーなどではないのだが、リミテッドに標準で装備されているパーツ、というわけではない。
それではこれは何かと言うと、実車に設定されていたトウ・パッケージを再現したものと思われる。おそらく、取材した実車がパッケージ装着車だったのだろう。当時のカタログによればこのパッケージは5.2L V8との組み合わせが推奨されており、その場合の牽引可能な重量は約2.9トンとのことだ。説明書ではこの点について何も触れていないのだが、好みでない場合は、単純にオミットして仕上げても問題ないだろう。
また作例では、作者の好みによりフロントグリルをメッキ仕上げとしている。全グレード中リミテッドのみはボディ同色のフロントグリルとなるのが正しいのだが、実車でも好みで交換する場合もあるだろうという想定で(実際そのような個体も存在する)、あえてクローム仕上げとしてみた。
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