PHEVパワートレインはトータル出力950psを発生!
アストンマーティンジャパンは11月1日、アストンマーティン青山ハウスにて、ヴァルキリーに続くハイパーカー第二弾となる「ヴァルハラ」の量産版を日本初披露するにあたりメディアセッションを開催した。
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レッドブル・レーシングとのパートナーシップの下で開発したハイパーカー「ヴァルキリー」直系のモデル第2弾として開発された「ヴァルハラ」は、モデルポートフォリオを拡大してF1におけるアストンマーティンの存在を反映し、クラス最高のパフォーマンス、ダイナミクス、ドライビングプレジャーの基準を設定し、内燃エンジンからハイブリッド、フル電動パワートレインへの移行を推進するモデルだ。
鍛えられたシャシーにエアロダイナミクスとエレクトロニクス、そして最先端のハイブリッド・パワートレイン・テクノロジーから構成された「ヴァルハラ」は、新次元のスーパーカー・ドライビング体験を実現、これにより、スーパーカー・セグメントの頂点に、前例のないエキサイティングで楽しい走り、そして人車一体感がもたらされるという。
その心臓部には、3つのモーターを備えたまったく新しいPHEVパワートレインが搭載。その中でもっとも重要なコンポーネントは、リアにミッドマウントされた専用の4.0LツインターボV8エンジンで、このユニットは、これまでアストンマーティンに搭載されたエンジンの中で最も先進的でレスポンスが鋭く、最高のパフォーマンスを発揮するV8ユニットだという。
このミッドマウントされたガソリンエンジンと電気モーターの組み合わせにより、トータル950psの最高出力を発生、レスポンスを高めるために、フラットプレーンと呼ばれるクランクシャフトを採用しており、エンジン単体での最高出力は750ps/7,200rpmで、そのパワーをリア・アクスルにのみ伝達する仕組みだ。
この新しいV8エンジンは、2基の電気モーターを備えた150kW/400Vのバッテリー・ハイブリッドシステムによって補完され、電気モーターは、フロント・アクスルとリア・アクスルにそれぞれ1基ずつ搭載されている。
エレクトリック・システムは、合計出力950psに対して、さらに204psのパワーを上乗せすることが可能。EVモードで走行する場合、バッテリー電力はフロント・アクスルにのみ供給され、それ以外の走行モードでは、バッテリー電力はフロント・アクスルとリア・アクスルに分割され、各アクスルに送られる割合は走行条件によって常に変化する。
特定の状況では、バッテリー電力の100%をリア・アクスルに送ることができ、最大のパフォーマンスを得るためにV8エンジンのパワーを補完。組み合わされるトランスミッションは新開発の8速DCTだ。調整可能なアクティブ・フラップを備えた軽量エキゾースト・システムは、アストンマーティンならではのサウンドを奏で、視覚的および聴覚的な印象を最大限に高めるため、エキゾーストパイプはルーフエンドに装着されているのも特徴だ。
アストンマーティンのために特別に設計および製造されたこの新しいパドルシフト・ギアボックスは、ハイブリッドの時代に対応するために特別に開発。e-リバース(PHEVの電気モーターを利用し、従来のリバースギアの必要性をなくすことで重量を削減)を備えたトランスミッションは、リア・アクスルにエレクトロニック・リミテッドスリップ・デファレンシャル(e-デフ)を備え、最大のトラクションと俊敏なハンドリングを実現しているという。
電気モーターのパワーは、低速走行時のコントロールとレスポンスを強化し、リバース(後退)時にも使用される。さらに、電気モーターの瞬時に立ち上がるトルクにより、このハイブリッドシステムはV8エンジンをサポートして、センセーショナルな発進加速とレスポンスを提供ししてくれる。また電気モーターとV8エンジンは、DCT内で異なるギアを同時に選択できるため、パフォーマンスがさらに向上し、1,000Nmの最大トルク伝達が可能になる。
EV専用モードで走行する場合の最高速度は130km/hで、航続距離は15kmを実現、予測されるCO2排出量(WLTP)は200g/km未満となる。950psのパワーを解き放った場合は、0~100km/hをわずか2.5秒で加速し、最高速度は330kmに達する。
ボディ構造は、最小の重量で最大の剛性を実現する新しいカーボンファイバー製コンポーネントを中心に構築。サスペンションでは、F1スタイルのプッシュロッド・フロントサスペンションが特徴で、インボードに取り付けられたスプリングとダンパーがバネ下重量を減らし、優れたパッケージングを実現している。より剛性の高いサスペンションに加えて、サーキット・モードを選択すると、ダウンフォースを最大化するために車高が大幅に低下。公道走行用のモードでは、フロントアクスル・リフトシステムがノーズを持ち上げて、アプローチ・アングルを改善するしくみだ。
高性能なカーボンセラミック・マトリックスブレーキ(ブレーキ・バイ・ワイヤー・テクノロジーを採用)は、並外れた制動力を発揮し、特別に開発された特注のミシュラン・タイヤ(フロント20インチ、リア21インチ)が、パワーを路面に伝達するという、最後の非常に重要な役割を担う。
乾燥重量は1,550kg未満で、クラスのライバルと比較して、比類なきパワーウェイトレシオを実現。また、優れたエアロダイナミクスによって生成される強力なダウンフォースも、類まれなダイナミクスに貢献している。
F1マシンにヒントを得たアストンマーティンのハイパーカー「ヴァルキリー」の空力哲学がフィードバックされたヴァルハラは、アクティブ・エアロダイナミクス・サーフェイス(特にフロント・サーフェイス&リア・ウイング)、ベンチュリ・トンネルを通過するアンダーボディのエアフローを巧みに管理することによって優れた空力特性を発揮。150mph(約241km/h)時に印象的な600kgのダウンフォースを発生し、卓越した高速コーナリング性能と安定性を実現している。
前方に跳ね上がる2枚のドアは、すべてのドライビングの始まりと終わりに感動をもたらし、ルーフにまで延長された形状によって乗降性が向上。特徴的なルーフ・スクープがV8エンジンのインテークに直接エアを送り込み、追加のサイド・インテーク、リア・インテーク、ベントは、ボディ全体のデザインにスムーズに統合されている。
今回インテリアは未完成の状態で公開されなかったが、コックピットのスペースは、クリアでシンプルなエルゴノミクスを備えたペアー・バックコックピット・デザイン、ドライバーに焦点を当てたレイアウトなど、F1にインスパイアされたエレメントをそのまま採用。HMIシステムは、中央にタッチスクリーンディスプレイを備え、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応し、調整可能なペダルとステアリングコラムを採用したことにより、シートベースはシャシー構造に固定されている。フットウェルは、F1マシンと同様、着座位置よりも高い位置に設置されている。
アダプティブ機能とハイビームアシストを備えたフルLEDマトリクス・ヘッドライトは、夜間でも優れた前方視界を提供し、最新の先進運転支援システムも組み込まれている。これらには、自動緊急ブレーキ、前方衝突警告、アクティブ・クルーズコントロール、ブラインドスポット・モニタリング、リアビュー・パーキングカメラ(サラウンドビュー・オプション付き)が含まれる。
メディアセッションでは、CEOのトビアス・ムアース氏がビデオでコメントを寄せるとともに、オペレーションズ ディレクターの寺嶋正一が登壇し、プレゼンテーションを行った。
ヴァルハラは2023年後半から2年をかけて最大999台を生産される予定で、価格は1憶200万円となる。まさに新世代のアストンマーティンを象徴した、新しいドライバー&ドライビング体験を定義するクルマに仕上がっていると言えるだろう。
アストンマーティン公式ページ https://www.astonmartin.com/ja/
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