先代より大きく、170kg重くなったボディ
text:Matt Prior(マット・プライヤー)
【画像】BMW M3と3シリーズ 競合の高性能サルーンと比較 全150枚
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
BMWが考えるMモデルの姿と、古くからのBMWファンが求めるMモデルの理想像との間には、高いギャップがあるのだろうか。M3といえば、コンパクトで軽量で、グループAレースのホモロゲーション・マシンを指した時代もあった。
そんな姿を期待しているのなら、諦めた方が良いかもしれない。もう35年も昔の話だ。
最新のBMW M3が、筆者の目の前に停まっている。写真ですでにご覧になった読者も多いだろう。
魅力的と感じるかどうかは、人それぞれ。今のM3では、フロントグリルより後ろ側は4ドアの3シリーズ・セダンがベースになっている。クーペの方は、先代から4シリーズがベースのM4へバトンタッチした。
3シリーズのボディが成長しているから、M3も一緒に成長している。全長4794mm、全幅1903mm、全高1433mmのボディで、車重は1730kgに仕上がった。
2014年に発売された先代のM3は、全幅はさほど違わないものの全長は123mm短かく、デュアルクラッチATを搭載したモデルでも車重は170kgも軽かった。6速MTを選べば、さらに軽くもできた。
2010年まで生産されていたE60型のM5ですら、最新M3より50kg重かった程度。M5の方がボディは少し長く、軽くない5.0LのV型10気筒エンジンを載せていたにも関わらず。
ここ10年で、どれだけクルマが大きくなっているのかがよく分かる。そろそろ成長は止まってもいい。今のM5も、もう少し減量してもいいと思う。
ツインターボ直6で510psと66.1kg-m
市場によっては通常のM3も選べるが、英国へ導入されるのはトップスペックのM3 コンペティションのみ。3.0L直列6気筒ツインターボエンジンは、510ps/5600-7200rpmの最高出力と66.1kg-m/2750-5500rpmの最大トルクを生み出す。
極太の最大トルクは低回転域から得られ、グラフのカーブも見事にフラット。その力を受け止めるため、M3では初めて四輪駆動がオプションとして2021年後半から選べるようになる。ただし、現時点では後輪駆動のみだ。
新しいM3にはMドリフト・アナライザーと呼ばれるソフトウエアが実装され、テールスライドがどれだけきれいに決まったか、クルマが5段階評価してくれる。横方向に進んだ距離と、ドリフトアングルの角度をもとに点数付けしてくれるらしい。
アングルを付けすぎて、テールでなぎ倒したデリネーターの本数ではないのでご注意を。ドリフトしやすいドライブモードを選ぶ必要もないようだ。もっとも、公道で無茶をしてはいけない。
このM3にはロードとトラックと呼ばれるドライブモードが用意され、エンジンとトランスミッション、ステアリング、ダンパー、ブレーキペダルのレスポンスなどを個別に切り替えてくれる。
インフォテインメント用モニターを介して、ドライバーが調整することも可能。設定はコンフォート、スポーツ、スポーツプラスという項目からそれぞれ選べる。ステアリングホイールに付いた赤いMボタンに、お気に入りの設定を登録できる。
ベストと呼びたいiドライブの操作性
この選択と設定は、ライバルモデルのシステムより簡単に感じた。そもそもロータリー・コントローラーとタッチモニターを組み合わせた、iドライブ・インフォテインメント・システムの操作性が素晴らしい。
センターコンソールには項目別のボタンも用意され、ダッシュボードにも沢山ボタンが並んでいる。その一部は、任意に機能を登録することも可能。システムとして、現時点でのベストかもしれない。
インテリア全体の仕上がりも、きれいに整っていて機能的。ドライビングポジションの調整域は非常に広く、少し肉厚すぎるもののステアリングホイールは円形で握りやすく、モニター式のデジタルメーターもクリアで見やすい。
ただし、英国では3400ポンド(51万円)のパッケージ・オプションの1つとして付いてくる、Mカーボン・バケットシートはオススメしない。座面の太ももの間に膨らみがあって、居心地が悪かった。
シングルシーターのレーシングカーなどでは、座面中央の膨らみが大きいものもあり、運転する環境として理にかなっている。コーナリング中に強い横Gがかかっても、強い揺れが続いても、足の位置が動かないように支えてくれる。
だが公道を走るクルマには必要ないと思う。カーボンファイバーの峰が股間のところに来る感じは、ちょっと気になってしまった。
この続きは後編にて。
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みんなのコメント
こう見ると、多少は重くなってもポルシェはまともなんだと思えてしまう。