ショートホイールベースのほうが運動性能は高い!
クルマのカタログにも載っている「ホイールベース」とは、前輪の車軸と後輪の車軸の間の距離のこと。国産車は通常、「mm」単位で表記される。全長が同じなら、ホイールベースは長い方が、室内空間は長くとれる。また、ホイールベースは、トレッド(左右のタイヤの中心から中心までの距離)との比率で、運動性能の素姓を大きく左右する大事な要素となっている。
簡単に言えば、トレッドが同じなら、ホイールベースが短い方が、クルマのアジリティ(俊敏性)は高く、操縦性に優位で曲がりやすい。反対にトレッドが同じなら、ホイールベースが長い方が、直進安定性がよく、スタビリティが高いぶん、曲がりにくい特性になる。
この比率を、ホイールベース・トレッド比といい、「ホイールベース÷前後トレッドの平均値」を計算し、乗用車なら1.8くらいがひとつの目安。運動性能を重視するスポーツカーなら、1.65より小さいと、コーナリングマシンといえる。
たとえば、ロータスエリーゼのホイールベース・トレッド比は、1.60。クラウンアスリートは、1.84。現行プリウスは、1.76。日産GT-R(R35)は、1.74といった具合。
F1はホイールベースが長くなりつつコーナリングも速くなっている
面白いのは、F1で、1998年に全幅を最大2000→1800mm以下にレギュレーションを変更。これはナロートレッド・ロングホイールベース=ホイールベース・トレッド比を大きくすることで、コーナーリングスピートを抑制するのが狙い。
その結果、全幅が2000mm時代のF1マシンのホイールベースは、3000mm以下だったのに(ホイールベース・トレッド比=1.50)、現在のホイールベースは3000~3200ぐらいにロング化。トレッド1800mm、ホイールベース3200mmだとすると、ホイールベース・トレッド比は、1.77で、ほぼプリウス並ということに……。
ところが、F1マシンは年々速くなっていて、コーナリング速度もUP。しかも、ホイールベースは長くなる方向に進化している。
なぜかというと、ホイールベースが長くなると、フロア下を流れる空気の量が増え、それによってダウンフォースを増大させることができるから。
こうしたエアロダイナミクス的な事情と、タイヤの進化、そしてボディ剛性の向上などの理由から、F1マシンはどんどんロングホイールベース化していっているわけだが、エアロに頼れない、レーシングカー以外のクルマは、やはりショートホイールベースのほうが運動性能は高い。
整理すると、
・ロングホイールベース車: 室内が広く、直進安定性に優れ、ピッチングやヨーイングを抑えやすいので、乗り心地がよく、高速クルージングがラク。
・ショートホイールベース車: 回頭性がよく、最小回転半径も小さくなる。タイヤからの入力に対するボディ剛性も確保しやすい。
といった特性がある。
どちらの長所も短所とトレードオフの関係なので、用途に合った、ホイールベース・トレッド比で設計されていることが肝心だ。
(文:藤田竜太)
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