ロータス70周年に開催されたロータスの祭典
ロータス車の輸入元であるエルシーアイが主催するロータスの祭典、ジャパン・ロータスデー 2018が今年もまた富士スピードウェイで開催された。今年はロータスカーズのファウンダーであるコリン・チャップマンが自らのガレージで最初のロータスとなるMk-Iを製作してから70年のアニバーサリー・イヤー。会場エントランスには5月に限定41台でリリースされたばかりのエキシージ 70th アニバーサリー エディションが展示され、イベントの随所にもこの車両に入れられた70周年のロゴマークと同様のデザインがあしらわれていた。
広大な富士のパドックは見渡す限りロータス車という光景が広がっていたが、それらのパーキングエリアは、ロータス車の各モデルやフェイズ毎(例えばエリーゼ・シリーズ1、シリーズ2、2011年モデル以降、といった風に)分かれており、さながら一面のロータスの花畑が広がっているよう。もちろん現行のエリーゼやエキシージがその多くを占めるが、エランやヨーロッパそしてエスプリにエクセル/エクラといった旧車のためのスペースも用意されており、実際にそれらのモデルが来場している、というのもロータスの歴史と層の広さを感じさせた。
特色あるディーラーやヒストリック・モデルの展示も
インポーター主催のイベントだけに会場にはロータス正規ディーラーのブースも並ぶが、それが一遍通りの退屈なものかというと、さにあらず。ロータスのディーラーを運営しているところは往々にして個性の強い会社やショップを母体にしているところが多いのだ。LOTUS岡崎(ACマインズ)はエランやヨーロッパ、そして葉巻型のフォーミュラなど、クラシックモデルに精通しており、また独自に英国より輸入した旧車用の部品やグッズ類をブースに並べて賑わっていた。LOTUS世田谷(オーセンティックカーズ)はエスプリのスペシャリストとして有名で、ブース前に居並ぶ同社ユーザーのエスプリは会場でも異彩を放っていた。LOTUS練馬はケーターハムにも力を入れており、話題の軽登録セブン、160用のオリジナルパーツでモデファイされたデモカーを展示し注目を集めていた。LOTUS名古屋東(オートプレステージ)はロータス以外にもケーターハムやモーガンそしてオーストラリアのホールデンにビンテージバイクなども取り扱うマニアックなディーラーとして知られる。ブースではこれまたマニアックな往年のF1関連グッズなどが並べられ、その濃さを示していた。・・・と、その一部を述べただけでもバラエティに富んでいて、カタチだけのディーラー展示に収まっていないところが面白い。
また、ヒストリック・ミュージアムと題してピットに歴代のロータス車も多数展示された。ロータス初のミドシップ・フォーミュラ、18や51A フォーミュラ・フォード、59などのヒストリック・フォーミュラに、ロータス23B、26R、47GTといった純粋なレーシングカーの他に、ヨーロッパやエラン、エリート、セブンにコルチナ・ロータスといったヒストリック・ロードカー、そしてエクセルにエスプリ、M100 エランなどのヤングタイマー世代のモデルまでがピットを飾った。そしてこれらのすべてがエントラントのオーナーカーであり、展示だけではなく、走行カテゴリーにも参加する車両もある、というところがまたなんともロータスのイベントだなぁーと感心することしきりだった。
レースやスポーツ走行も充実
コリン・チャップマンのレースへの情熱から生まれ、常にモーターレーシングの世界と共にあったロータス。もちろん本イベントもレースの聖地である富士スピードウェイで開催されているだけに、走行カテゴリーも充実している。最新モデルに同乗できるサーキットタクシーやパレードラン、車両の年代やドライバーのスキル別のスポーツ走行に加えて、シリアスなレースカテゴリーも『LOTUS CUP JAPAN』・『ELISE SUPER TEC』・『JAE LOTUS 111 CUP』と3つの異なるレースシリーズが開催された。
今まで幾度も経営上の危機を迎え、そのつど新たな資本の下で復活を遂げるという、決して平安とはいえない運命を辿ってきたロータス。しかしながらそんな同社が70年もの間、まったく作風が揺らぐことなく続いているという驚異的な事実。革新的な軽量構造のシャシー&ボディに量産車由来のパワープラントを組み合わせ、それらを軽快なハンドリングのセッティングと英国ならではの趣味の良さで纏め上げるというスタイルは全てのロータス車に踏襲されている。そんな揺るぎのなさがチャップマン・イズムであり、全てのロータス車をロータスたらしめている要因なのだろうと、このロータスだらけの富士で強く感じたのだった。
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