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新顔「デリカD:5」は成功だった? 衝撃のデザイン変更から約1年経った結果とは

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新顔「デリカD:5」は成功だった? 衝撃のデザイン変更から約1年経った結果とは

■大きく変わったデリカD:5は成功したのか?

 三菱の「デリカD:5」は、2018年11月にビッグマイナーチェンジをし2019年2月から発売され、大きな話題となりました。お披露目当時こそ賛否両論ありましたが、約1年経った現在ではユーザーからの反響はどうなったのでしょうか。

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 現行のデリカD:5は、5代目モデルとして2007年にデビューし、現時点で発売開始から約12年を迎え、大きな改良はおこなっていませんでした。

 一般的な国産車のモデルライフは4年から6年のため、デリカD:5の12年はかなり長い部類に入ります。モデルライフが長いと、大きな変化がない限り販売台数は減少するのが一般的です。

 しかしデリカD:5は、ビッグマイナーチェンジ前でも月間に1000台ほどを販売する人気モデルでした。そのデリカは、2018年11月21日にフェイスデザインを始めとするデザインやパワートレイン、静粛性などを大幅に改良して、予約受注を開始しました。

 同日のタイミングで、改良デザインがお披露目されましたが当時のユーザーからは「デリカらしくない」「前の方が良かった」など酷評が相次ぎました。

 実際にデリカD:5が発売されたのは、2019年2月15日です。同年1月時点の登録車販売台数は943台となり、全体48位にランクイン。ビッグマイナーチェンジが正式発売される前にも関わらず、大きく数字を減らしてはいません。

 翌2月では全体36位の1771台となり、3月には全体26位の5288台と大きく数字を伸ばしています。これは、予約受注分の登録が出来た数字も含んではいますが、フルモデルチェンジではないマイナーチェンジにしては大きく稼いだ数字です。

 一般的には、マイナーチェンジを施しても販売台数に大きな影響は出にくいとされていますが、4月以降の販売台数でも大まかに平均1500台を記録。当初の2019年度販売目標では、月間1500台とし概ね目標達成していることから、ビッグマイナーチェンジは成功したといえます。

 ビッグマイナーチェンジ後のモデルでは、標準車となるデリカD:5と、プレミアム感漂う外観の派生車「デリカD:5 アーバンギア」というふたつのタイプを用意しました。

 パワートレインは、2.2リッターディーゼルエンジンに新開発8速ATを組合せた仕様のみの展開となり、従来設定されていたガソリンエンジンモデルは、旧型車(改良前モデル)のラインナップとして継続販売しています。

 ビッグマイナーチェンジのデリカD:5の発売前後などについて、三菱の販売店スタッフは次のように話します。

「2018年11月に新しいデザインがお披露目された際、お客さまから賛否両論の声を頂きました。しかし、2月の発売頃にはデザイン以上に大幅に進化した走行性能や使い勝手に好評の声を頂いております。

 それでも、以前までのデザインが好きなお客さまには、従来モデルのガソリン車を用意しております。お店に訪れたお客さまにはそれぞれの特徴を説明させて頂き、お好みの方を選んで頂いております」

※ ※ ※

 また、現行モデルが12年もの間売れ続けた理由について、デリカD:5の開発主任・尾崎氏は次のように話します。

「まずデザインが古臭くならず、飽きが来ないことが理由だと思います。さらに国産ミニバン唯一のディーゼルエンジン搭載車という部分も大きいです。

 あとは、唯一無二のコンセプトでしょうか。ミニバンとSUVの良さを兼ね備えている『オールラウンダーミニバン』ということが、ほかのミニバンやSUVとの差別化を図っている部分として、売れ続けている要因だと思います」

■デリカは何が変わった? 今後はどうなる?

2018年のビッグマイナーチェンジでは、従来モデルからどのような部分が改良されたのでしょうか。

 一番の注目点といえる外観デザインを担当した大石氏は、「独自のオールラウンドミニバンの特徴を継承し、上質感を高めることを目指しました。フロントデザインは、旧型の『唯一無二のSUVミニバン』という部分は継承しつつ、SUVの力強さを高めるため、三菱のデザインコンセプト『ダイナミックシールド』をもとに、特徴的な縦型LEDヘッドランプを採用するなど、ライトまわりの部分はかなり力を入れました」と説明しました。

 また、従来モデルと比べて上質さやラグジュアリー性に大きく力を入れた意図について、商品企画担当の渡邉氏は次のように話します。

「現行ユーザーからの評価や要望として、『悪路走破性』『安定性』『運転のしやすさ』は好評を頂いていました。しかし『質感』の向上を求める声も多くありました。

 また、デリカD:5は独自のポジションを築いていましたが、アウトドア色が強くユーザーを限定してしまっているという一面もあったため、商品力強化の一環として『外観リフレッシュ』と『個性の進化』、『内外装の質感向上』を目標として大幅改良しています」

※ ※ ※

 ビッグマイナーチェンジ後のモデルには、アウトドアイメージのみならず上質感を加えたアーバンギアを新設定し、よりフォーマルで都会的な方向へ進化させ、「人生を楽しむことに積極的なアウトドア志向のオールラウンドミニバンを好む層」をターゲットとした新たなマーケットを開拓していくとしています。

 また、三菱は「アウトランダーPHEV」という優れたプラグインハイブリッド車をラインナップしています。近年の災害時にも電力供給などで大きく活躍するなど、アウトドア好きが多いデリカD:5にもPHEV車の設定を要望する声は多いといいます。

 しかし、今回の大幅改良ではPHEVに関する話は出ていません。デリカD:5の電動化について、前出の尾崎氏は「PHEVの要望があるのは理解しています。しかし、基本設計やバッテリースペースの関係で現行型では難しい部分があります。また、いまのアウトランダーに搭載しているようなシステムをデリカD:5に組み込むと価格面や重量面で合わないこともあり、今回は踏み込めませんでした。それでも、世の中の流れが電動化に向いているので、継続検討はしていきたいです」

 ルノー・日産とアライアンスを組んだことから、次期型は日産「エルグランド」と共通化されるのではないかとの噂も出ています。

 この件についてズバリ踏み込んで聞いてみると、「新型モデルについては、『やりたいな、やらないといけないな』という感じです。アライアンスに関しては、具体的な話は出ていません。仮に「エルグランド」と共通化するとすれば、コンセプトが違うので『デリカ』の味や良さが作り出せないと思います」(尾崎氏)と説明してくれました。

※ ※ ※

 ビッグマイナーチェンジを遂げた新型デリカD:5。従来の唯一無二なコンセプトやポジションを維持しつつ、新たなユーザーを確保していくという点に関しては、ひとまず成功といえるのかも知れません。

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