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【懐かしの輸入車 52】プジョー 206CC S16は可愛いだけではないオープンコンパクトスポーツだった

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【懐かしの輸入車 52】プジョー 206CC S16は可愛いだけではないオープンコンパクトスポーツだった

今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「プジョー 206CC S16」だ。

プジョー 206CC S16(2002年)
電動開閉メタルトップで可愛いスタイルのプジョー 206CCは、昨年(編集部註:2001年)の日本デビュー以来、今年6月までに約1800台が導入された。今回、2L DOHC+5速MTの「S16」が加わり、今年後半の販売予定は2000台で、うち300台程度がS16だという。より積極的なドライブを好む男性ユーザーにも気になる1台の登場だ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

プジョーは、ラインアップの中に数多くMTモデルを揃えている、貴重な(?)インポーターだ。今回紹介する206CC S16と以前に紹介した406スポーツが加わり、これでフラッグシップの607以外の全車種でMTが選べることになった。

206CC S16は、本国では206CCのデビュー当初から設定されていたグレードだ。エンジンはハッチバックの206や307にも搭載されている2Lの直4 DOHCとなり、ミッションは5速MTのみと組み合わされている。外観上ではフロントエアダムスカートが大型化され、16インチのタイヤ&ホイールを装着しているが、それ以外はエンブレムくらいしか違いはない。インテリアも、ATセレクターがアルミ製のシフトノブに換わっているくらいだ。

最近、国産・輸入車ともに増えつつある電動開閉メタルトップだが、その操作もまったく変わらない。ルーフ前端左右2カ所のフックを外し、シフトノブ後のスイッチを押せば、約20秒でフルオープンに変身。クローズドにするときも、ほぼ同じ時間でできる。

ホワイトメーターやアルミ製ペダルを備えたインテリアの雰囲気もいい。本革シートはシルバーとブラックのボディカラーだと赤/黒2トーンとなるが、それ以外ではブラック1色しか選べないのが残念なところ。また、プラス2のリアシートはシートバックが立っているのでチャイルドシートが装着できないのは、ぜひ検討してもらいたい点だ。

試乗日は絶好のオープン日和だったので、メタルトップを格納して走り出す。S16は1.6Lより29psと4.8kgmパワーアップされ、しかも車重はミッションの違いもあり20kg軽い。したがって発進・中間加速は格段に速くなっている。小気味良いサウンドを楽しみながらポンポンとシフトアップしていけば、思った以上に車速は上がっていたりする。クラッチの重さは、都会の渋滞でも耐えられるレベルにある。

ダンパーやスプリングの設定は1.6Lと同じだそうだが、16インチ45タイヤのおかげでコーナリングスピードも向上している。ただ、低偏平タイヤのおかげで乗り心地は少々スポイルされているようだ。オープン時のボディ剛性は、1.6Lと同様にそれほど高いものではない。だが、可愛らしいスタイルとオープンカーとしては高い使い勝手に免じて許してしまおう。

206CCの性格や日本市場の特殊性を考えれば、1.6LのATでも不満はない。だが、少数でも「206CCのスタイルはいいけど、もう少しパワーが・・・」といった要望があって、日本導入に対応できるならカタログモデルにラインアップさせる。こうしたニッチなマーケットを大事にしていく限り、プジョーは日本市場で着実にシェアを広げていくだろう。次にはどんなモデルを導入してくれるのか、楽しみになってしまう。

■プジョー 206CC S16 主要諸元
●全長×全幅×全高:3810×1675×1380mm
●ホイールベース:2440mm
●車両重量:1190kg
●エンジン形式:直4・DOHC・横置きFF
●排気量:1997cc
●最高出力:100kW(137ps)/6000rpm
●最大トルク:194Nm(19.8kgm)/4100rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤ:205/45ZR16
●車両価格(当時):290万円

[ アルバム : プジョー 206CC S16 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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