現在位置: carview! > ニュース > モーターショー > 中国最新汽車事情 「上海モーターショー10大ニュース」後編

ここから本文です

中国最新汽車事情 「上海モーターショー10大ニュース」後編

掲載 更新 5
中国最新汽車事情 「上海モーターショー10大ニュース」後編

不動産大手のEV事業の勝算

 不動産開発中国1位の恒大集団(エバーグランデ・グループ)傘下の恒大汽車は高級EVブランド「恒馳(ヘンチ)」シリーズの9車種を一斉に公開した。

実はかなり進んでいたフォードの電動化戦略

 恒大は、資金力と社会影響力で次々と経営不振の自動車関連企業の買収を行っており、2025年にはEV生産能力100万台に達する、世界最大のEVメーカーとなる目標を掲げた。資金力だけではなく、国内外の有力企業と築き上げたネットワークや都市開発ノウハウは同社の強みだ。一方、中国のEV需要を勘案すれば、新興メーカー1社で100万台以上の生産目標を掲げるのは非現実的ではないとの批判が出ている。

新興EVメーカーの躍進

 2015年以降、中国では約50社の新興EVメーカーが生まれた。2020年の販売台数をみると、NIOが4.2万台で新興EVメーカーの首位を維持。2位の理想(リーシャン)汽車(3.2万)、3位の小鵬(シャオペン)汽車(2.7万台)、IT企業から参入した3社は新興EVメーカーの上位を占めている。一方、販売台数1万台を超えた新興EVメーカーは6社にすぎず、研究開発や試作段階にとどまっているメーカーも少なくない。

 米国上場を果たしたこれら3社は、新モデルを投入する一方で、欧州を中心に完成車輸出も開始した。小鵬汽車は4月に新型セダン「5」、NIOは7月発売予定の新型セダン「eT7」をそれぞれ出展し、他社との差を広げようとしている。

 勢いに乗る上位3社だが、赤字決算が続いており、さらなる販売台数の増加を図る必要がある。

大手国有メーカー新EVブランド

 中国における中間所得層の増加に伴い、クルマの機能・ブランド性をいっそう求める傾向が強まっているなか、大手国有メーカーが出展した高級EVが注目されている。東風(ドンフェン)汽車は新ブランド「嵐図(VOYAH)」を発表し、中大型SUVタイプの高級EVを披露した。上海汽車は、アリババと共同で高級EVブランドを手掛ける智己(チィチ)汽車を設立し、量産モデル第1号となるEVセダン「智己L7」を公開した。

 ファーウェイの自動運転技術を採用した「ARCFOXαS」は北汽新能源が、カナダのマグナ・インターナショナルと共同で開発したSUVタイプの高級EVである。
 中国では補助金に依存しない高級EVやSUVタイプの中大型EVが人気を集めている。大手国有メーカーは、高級EV市場で足場を固めようとしている。

上海モーターショーで笑うのは誰か

 上海モーターショーで出展したNIOの「eT7」(航続距離1000km)、上海汽車の「智己L7」(同1000km)、メルセデス・ベンツ「EQS」(同770km)、吉利(ジーリー)汽車集団の「Zeekr001」(同712km)、北汽新能源の「ARCFOXαS」(同708km)の5モデルが航続距離700km超の高級EVとして挙げられる。

 こうしたEVブランドの共通点は中国車載電池最大手、寧徳時代新能源(CATL)の電池を採用していることだ。「電池を制すればEVを制する」といわれるなか、中国では、EV需要の増加に伴う良質な電池の争奪戦が生じている。2011年に創業した同社は、2017年からパナソニックを抜き、世界首位を維持しており、中国では、50%のシェアで圧倒的強さを見せている。今回のショーに出展したEV約150モデルのうち、CATL電池搭載車は60モデルに達した。

 電池を安定調達することが自動車メーカー各社にとって喫緊の課題だ。上海モーターショーで笑うのは、結局はCATLかもしれない。

こんな記事も読まれています

イギリスにも偽パトカーいた!「栃木県警察」が捕まった驚愕の理由
イギリスにも偽パトカーいた!「栃木県警察」が捕まった驚愕の理由
乗りものニュース
ホンダ新型「フリード」発売へ! 「エアー」と「クロスター」どっちが人気? 斬新すぎる“SUV風”の評価はどう?
ホンダ新型「フリード」発売へ! 「エアー」と「クロスター」どっちが人気? 斬新すぎる“SUV風”の評価はどう?
くるまのニュース
同じにはならない「セカンドマシン問題」。2027年以降の新マシン規則/MotoGPの御意見番に聞くフランスGP
同じにはならない「セカンドマシン問題」。2027年以降の新マシン規則/MotoGPの御意見番に聞くフランスGP
AUTOSPORT web
W12エンジンのフィナーレを飾るベントレーの高性能ラグジュアリーオープン「バトゥール コンバーチブル」が登場
W12エンジンのフィナーレを飾るベントレーの高性能ラグジュアリーオープン「バトゥール コンバーチブル」が登場
カー・アンド・ドライバー
日野自動車、「標準電池パックイメージモデル」を初公開…人とくるまのテクノロジー展 2024で予定
日野自動車、「標準電池パックイメージモデル」を初公開…人とくるまのテクノロジー展 2024で予定
レスポンス
ピンク・ジャガーは純正色!「Eタイプ シリーズIII」がなんと約1320万円で落札! V12エンジンが再評価されています
ピンク・ジャガーは純正色!「Eタイプ シリーズIII」がなんと約1320万円で落札! V12エンジンが再評価されています
Auto Messe Web
EV開発で大注目! 結局「全固体電池」は何がスゴいのか
EV開発で大注目! 結局「全固体電池」は何がスゴいのか
Merkmal
海外ライターF1コラム:F1カレンダー24戦の椅子取りゲーム。新規参入を狙う国々と、既存GPの契約状況
海外ライターF1コラム:F1カレンダー24戦の椅子取りゲーム。新規参入を狙う国々と、既存GPの契約状況
AUTOSPORT web
アウディF1はドライバー選択を急がずも、今年の後半に決断を下すべく「活発に活動している」とザイドルCEOが認める
アウディF1はドライバー選択を急がずも、今年の後半に決断を下すべく「活発に活動している」とザイドルCEOが認める
AUTOSPORT web
【このi8なんぼ?】BMWのハイブリッドスポーツカー 走行距離58,000kmの「i8 ロードスター」がeBayで販売中
【このi8なんぼ?】BMWのハイブリッドスポーツカー 走行距離58,000kmの「i8 ロードスター」がeBayで販売中
AutoBild Japan
DS社フラッグシップSUVに限定仕様車 DS 7リヴォリEテンス4x4 シックで上質感のあるインテリア
DS社フラッグシップSUVに限定仕様車 DS 7リヴォリEテンス4x4 シックで上質感のあるインテリア
AUTOCAR JAPAN
マイアミGPでの初優勝から2週間……ノリス、初日はトラブルもあり中団に沈むも手応え「マシンの感触は良いし、改善できた」
マイアミGPでの初優勝から2週間……ノリス、初日はトラブルもあり中団に沈むも手応え「マシンの感触は良いし、改善できた」
motorsport.com 日本版
若き女性レーサーの躍進はホンモノか? 「F1公言」で肝心の走りはいかに スーパーフォーミュラ第2戦が気になるぞ
若き女性レーサーの躍進はホンモノか? 「F1公言」で肝心の走りはいかに スーパーフォーミュラ第2戦が気になるぞ
ベストカーWeb
スバル最強マシン!? 最新「ニュル参戦車両」公開! “速さ”と“信頼性”大幅アップデートされたSTIマシンで24時間レースに挑む
スバル最強マシン!? 最新「ニュル参戦車両」公開! “速さ”と“信頼性”大幅アップデートされたSTIマシンで24時間レースに挑む
くるまのニュース
ホンダ新型「最速SUV」登場! 全長5m超えで“NSX超え”「タイプS」設定! 新型「ZDX」米で納車開始
ホンダ新型「最速SUV」登場! 全長5m超えで“NSX超え”「タイプS」設定! 新型「ZDX」米で納車開始
くるまのニュース
4WDのパイオニアの意地の結晶! スバル「レオーネ3ドアクーペRX / II」とは
4WDのパイオニアの意地の結晶! スバル「レオーネ3ドアクーペRX / II」とは
バイクのニュース
ドゥカティ、アイルトン・セナを称える『モンスター』発表…世界限定341台
ドゥカティ、アイルトン・セナを称える『モンスター』発表…世界限定341台
レスポンス
ベントレーが北米エリア最後のV8モデル「エディション8」を発表! ボディカラーは60色からセレクトできちゃいます
ベントレーが北米エリア最後のV8モデル「エディション8」を発表! ボディカラーは60色からセレクトできちゃいます
Auto Messe Web

みんなのコメント

5件
  • ポルシェ似のエンブレムが情けないけど、
    最近の中国車のデザインは未来感が増したと思う。
  • 韓国EV車より、こっちのほうがいいな。
    デザインでも中国車はすでに韓国車を上回っている。
    韓国車はボルボに勝てない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村