負傷した軍人のためのチャリティー企画
英国の自動車メーカーであるケータハムと英国空軍(RAF)は、慈善活動のための資金調達で提携し、退役した軍用ヘリコプターの部品を使ってワンオフモデルを製作した。
【画像】「NATOグリーン」のセブンが渋カッコいい!【ワンオフのケータハム・セブン360Rと英空軍プーマHC2を写真で見る】 全15枚
ケータハム・セブン360Rをベースに、空軍のアエロスパシアル・プーマHC2から流用した部品をボディパネルなどに使用している。オークションサイト「Collecting Cars」を通じてオークションにかけられ、10万ポンド(約2000万円)以上の値がつくと予想されている。
収益の全額が負傷した軍人のためにMission Motorsportと英空軍慈善基金に寄付される予定だ。
360Rは中型支援ヘリコプター、プーマHC2へのオマージュとしてデザインされ、ケータハムの従業員とオックスフォードシャー州のベンソン空軍基地の職員によって手作業で組み立てられた。
今回寄贈されたプーマ(シリアルナンバー「XW232」)は1972年に就役し、最近まで兵士、武器、弾薬の輸送、負傷者の移動、前線での緊急医療対応に使用されていた。
そのアルミ製の尾翼とドアを拝借し、360Rのボディパネルとリアバルクヘッドに使用した。車体は同じNATOグリーンで仕上げられ、シャシーはXW232の運用地域にちなんでデザートサンドのカラーリングとなっている。
ドアパネルとトランスミッション・トンネルには、XW232の防音材が使用されている。この防音材はカーボンファイバー製シートのパッドにも使用され、避難指示のステッチが施されている。
サテンブラックのダッシュボードには「軍用グレード」のスイッチギアが配置され、始動時に3段階のイグニッション・シークエンスを楽しめる。また、ダッシュボード中央にはナビゲーションクロックが備わる。
バッテリーは、かつて12.7mm重機関銃(.50 Cal)の弾薬を積んでいた弾薬箱の中に収められている。
パワートレインは標準の360Rと同じで、自然吸気2.0L 4気筒エンジンと5速MTを搭載し、最高出力180ps、最大トルク19.8kg-mを発生する。0-100km/h加速タイムは4.8秒、最高速度は210km/hとなっている。
ケータハムのボブ・レイシュリーCEOは次のように語っている。
「RAFからこのプロジェクトについて打診があったとき、そのチャンスに飛びつきました。第一に、ヘリコプターの部品を再利用してセブンを作るというのは、ケータハムの歴史上初めてのことであり、興味深い製造プロセスだったからです」
「RAFのエンジニアが製作期間中、わたし達をサポートしてくれました。さらに重要なのは、オークションの収益が重要な活動に寄付されるということです」
このワンオフ車は8月15日に入札が開始され、9月12日に終了する。
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