0-100km/hは2秒以下、0-300km/hも12秒以下
クルマを停めたのは、イタリア北部に位置する、伝説的なドライバーの名を冠したタツィオ・ヌボラーリ・サーキット。マシンを簡単にチェックし、ピニンファリーナ・バッティスタが最も過激なフュリオザ・モードになっていることを確認する。
<span>【画像】ピニンファリーナ・バッティスタ 開発の進む純EVハイパーカーたち 全82枚</span>
イタリア語で激怒を意味するこのモードを選ぶと、ダッシュボードのタッチモニターに1400kWのパワーが利用できると表示された。従来的な単位でいうと、1902psだ。
一呼吸おいて、おもむろにアクセルペダルを踏み込む。興奮から生まれる笑いをこらえきれない。あっという間にブレーキングポイントが迫る。
この純EVのハイパーカーは、直線番長的なクルマではない。だとしても、0-100km/hを2秒以下、0-300km/hを12秒以下で加速する性能は、タダモノではない。
ピニンファリーナ社がバッティスタを発表したことで、伝統あるイタリアン・カロッツエリアは、自動車メーカーと呼ばれることになった。これまで何台もの美しいスタイリングを手掛けてきたが、自動車自体を作ったのは、これが初めてだ。
バッティスタは、自動車事業を展開するインドのマヒンドラ社傘下にある、ピニンファリーナ社が立ち上げた新ブランド、アウトモビリ・ピニンファリーナ社のモデル。スタートアップ時のスタッフは6名だった。
現在でも、スタッフは125名しかいないという。世界的な成功を得るのに、充分なスタッフということなのだろう。少なくとも、バッティスタが美しい作品の1つとして数えられることは、間違いなさそうだが。
リマック社の技術によるクワッドモーター
1900馬力のハイパーカーと聞いて、別の例を思い浮かべる読者もいるかもしれない。それこそ、6名のスタッフからプロジェクトを進められた理由だといえる。
ピニンファリーナ社は、クロアチアに拠点を構える純EV開発のスペシャリスト、リマック社と契約を締結。ゼロから開発する必要性をなくしたのだ。
バッティスタは、カーボンファイバー製のモノコックを採用し、4基の駆動用モーターと120kWhの駆動用バッテリーを搭載する。四輪駆動だが、基本的には後輪が主体となってクルマを動かす。
世界初の純EVハイパー・グランドツアラーだと、ピニンファリーナ社は主張する。親戚関係にあるリマック・ネヴェーラは、サーキット寄りのハードコア・モデルだ。
グランドツアラーと名乗るなら、一般道との親和性が優れているべき。しなやかな乗り心地で、快適に走れる必要がある。1900馬力でも。
バッティスタのボディサイズは、ラ・フェラーリとほぼ同等。マクラーレンGTのように、荷室空間は潤沢とはいえない。コクピットの後ろに、グラスリッドで覆われたささやかな荷物置き場がある程度だ。
ボディもカーボン製で、織り目が美しい。低いフロアに2基並んだ、頑丈そうなシートに腰を下ろす。車内に身を置くと贅沢な気分になれる。カーボン製の大きなドアを、少し強めに閉める。
運転席からの視界は悪くない。リアガラスは小さいが、ドアミラー越しにリアウイングの端が見え、ボディ後端の位置が掴める。フロントガラス上部のリアミラーは、カメラ映像を映せる。
穏やかな乗り心地に素晴らしい操縦性
サーキット走行の前に、公道でバッティスタを味わった。ドライブモードには5段階が用意される。カルマという1番穏やかなモードから、順に得られるパワーが増えていく。
モードを切り替えるロータリースイッチは、上品な重み付けで、クリック感が心地良い。カルマ・モードでも405psが得られる。次がコンフォートに相当するプーラ(ピュア)。これで1014psの解放が許される。
アクセルペダルのレスポンスは、純EVの基準でいえばマイルドな部類。恐らくタイヤがついていけないのだろう。打たれるような瞬発力はあるが、パワーは線形的に高まっていく。一般道でも許容できる範囲だ。
ドライブモードの切り替えで、パワーだけでなくステアリングホイールの重み付けや、ダンパーの硬さも変化する。モードを問わず乗り心地は穏やかで、姿勢制御も好印象。操縦性も素晴らしい。反応はリニアで正確だ。
カーボン製モノコックは非常に剛性が高い。サスペンションが吸収しきれなかった路面からの衝撃が車内へ伝わり、振動音を立てる。右足の辺りからは、跳ね上げた石が当たる音も聞こえてくる。
ブレーキペダルを踏み込むと、カチッという感触と同時に、回生ブレーキで生じる電気的な唸りが響く。走行中は最上級のグランドツアラー並みに静かではないが、一般道の速度域でも運転は楽しめる。高速道路で加速すれば、秘めた能力の片鱗を垣間見れる。
この続きは後編にて。
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