英JLR、部品供給に遅れ SNSで顧客の不満噴出
ジャガーFペイスなどに搭載された電動パワーステアリング・モーターに関して、英国で不具合の報告が相次いでいる。しかし、長引く部品供給網の混乱により、顧客の修理対応が思うように進んでいない。
【画像】英国スポーツカーメーカーが誇る高性能SUV【ジャガーFペイスSVRを写真で見る】 全12枚
昨年10月、JLR(ジャガー・ランドローバー)が英国に新設した物流ハブ「マーシア・パーク」で遅延が生じ、ランドローバー含め、英国内では約1万台の点検・修理が滞っていると報じられた。
JLRのエイドリアン・マーデルCEOは1月、未処理の部品が2000個以下にまで減少したと発表。翌月には問題が解決されているとの見方を示したが、依然としてディーラーでの修理には時間がかかるという。
「もう少し時間がかかりそうですが、当初のボトルネックはほとんど解消されています。まだ理想とする状態ではありませんが、ほぼクリアしています」
しかし、顧客はまだまだ部品の遅れに直面している。
弊誌は、電動パワーステアリングの件で顧客同士で情報交換をするFacebookグループ『JLRパワーステアリング・アライアンス・グループ(JLR Power Steering Alliance Group)』のメンバーの1人に話を聞いた。
電動パワーステアリング・モーターに不具合?
同グループには、本稿執筆時点で600人以上のメンバーがいる。そのうちの130人は2016年から2020年の間に登録されたFペイスを所有し、電動ステアリング・モーターに水が浸入して走行不能になっていると主張している。
英国在住のエイドリアン・ウッドワードさんは、自身の所有するFペイスで雨の中を走行した後、ステアリングの故障に見舞われた。
「他のオーナーと同じように、わたしも洪水の中を走ったわけではありません。最近大雨が降り、濡れた道路を走った時にモーターに水が入ったのだと思います。モーターにヘアライン状の亀裂が入り、ユニット内部の電気回路基板が腐食で白くなりました。同じ問題に苦しんでいる他のクルマをみたことがあります」
「交換用モーターには、新しいステアリング・ラックが付属します。Facebookグループのメンバーの1人は3回目です。当初、保険会社が代金を支払ってくれましたが、あまりに請求が多かったため支払われなくなり、オーナーはJLRの善意に頼らざるを得なくなったのです」
ディーラーでの故障診断には216ポンド(約4万円)がかかるという。しかし、ウッドワードさんのFペイスを検査できるのは最短でも5週間後だという。もしモーターに欠陥が見つかった場合、新しいステアリング・ラックがいつ納品されるかはディーラーからは教えてもらえない。
「JLRは最近故障した何百ものステアリング・ラックのデータを持っているはずなのに、ディーラーで故障診断のために5週間も待たされるのは非常にもどかしい。交換用ラックもいつ入手できるかわからないと言われています」
「交換用ラックの需要がJLRの部品供給問題を悪化させているのではないでしょうか? 幸いなことに、ディーラーでモーターの故障と診断された場合、交換部品を待つ間、代車を用意してくれると聞いています」
不具合については調査中 リコールの可能性は?
JLRの広報担当者は取材に対し、ウッドワードさんの件についてはコメントを避けたが、「車両故障の疑いに関するすべての主張を徹底的に調査しています」と語った。
また、ステアリングの問題に関しては、DVSA(英国自動車基準当局)と協力しているという。DVSAの判断によっては、英国内でリコールに発展する可能性もある。
一方、JLRは部品の遅れに関して次のようにコメントしている。
「一時的な部品の遅れを迅速に解決するため、物流パートナーであるユニパート・ロジスティクス社と協力しています。部品の供給レベルが目標に近づき、バックオーダーが大幅に減少していることからも明らかなように、当社は前向きに前進しています」
「このペースを維持し、一刻も早く通常のサービスを再開することが優先事項です。その一方で、お客様の移動を守るため、移動の選択肢を増やしています」
この声明が出された後、ウッドワードさんから弊誌に連絡があった。JLRから突然、ウッドワードさんのFペイスを診断中であり、新しいステアリン・グラックが必要であれば無償で取り付けると告げられたという。
新しい部品がいつ届けられるかはまだわからないが、すぐに代車を用意するとのことだった。
「驚きと喜びでいっぱいです」とウッドワードさん。「新しい部品が届いたとしても、同じ問題が起きないことを願うばかりです」
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
クルマの希望ナンバー「358」なぜ人気? 意味が分かれば「1031(天才!)」かも!? 語呂合せじゃない「謎の数字」の由来とは?
「ハコスカ」にAT車があった!? 3台の日産GC10型「スカイライン」を乗り継いできたオーナーは、なぜ懐かしの「RSワタナベ」を選んだ?
EVが内燃車に追いつく日! 2026年、所有コストが同等に――バッテリー急落&中古拡大が生む大転換点とは?
【何が起きている?】日産が開発する“新型コンパクトミニバン”が遅れる理由。計画中止の噂も
日産「新型エルグランド」いつ登場!? 唯一無二の「ターボエンジン」も搭載か? 王道の「キング・オブ・ミニバン」“全面刷新”に期待高まる!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント