■謎のプシュー音の正体とは
トラックなどの大型車が停車する際などに、「プシュー」という音を出すことがあります。なかにはとても大きな音を出すクルマもあり、大人でも驚いてしまうことがありますが、この音の正体は、一体何なのでしょうか。
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「プシュー」という大きな音の正体は、トラックやバスなどの大型車が装備するブレーキの仕様が関係しています。
大型車は乗用車に比べて車体が大きく、車重も重いため、油圧ブレーキだけでは安全に減速しきれない危険があることから、特殊なブレーキを採用しています。
多くの大型車のフットブレーキには、一般的な乗用車で採用されている油圧式ブレーキではなく、空気の力によってクルマを減速させる「エアブレーキ」が採用されています。踏み込んだ際にはわずかな音が、足を離せばプシューという大きな音がします。
しかし、最近の車種であれば防音措置が施されているため、爆音と呼べるほどの音はしません。
実は、あの大きな音にはパーキングブレーキも関係しています。大型車は、その重さから少しでもブレーキを緩めればクルマが勝手に動きかねません。そのため、信号待ちなどのわずかな停車時間でもパーキングブレーキを作動させることが多いとのことです。
大型車はフットブレーキと同様、パーキングブレーキでも空気式の「ホイールパーク式パーキングブレーキ」と呼ばれる装備を採用している車種がほとんどで、作動時にはエアブレーキよりも大きな空気の抜ける音がします。
つまり、フットブレーキ作動時の小さな音と、パーキングブレーキ作動時の大きな音が合わさり、「プシュー」という大きな音がするのです。
なお、環境省の調査によれば、エアブレーキ式の大型車の発する圧縮機騒音のレベルは、最大で94.3デシベルだといいます。
90デジベルから100デシベルの音量は、電車が通っている高架下の音量に相当するともいわれており、かなり大きな音であることがうかがえます。
また、圧縮した空気を開放する際は高周波も混じることがあるため、人によってはより大きな音に感じるかもしれません。
そのほかにも、大型車には空気を利用した「第二のブレーキ」として、排気ブレーキが装備されています。大型車が減速する際に発する、エアブレーキより小さな「プシュン」という空気の抜ける音が、排気ブレーキの音と考えて問題ありません。
エアブレーキとの違いは、排気ブレーキは減速するために使われるもので、エアブレーキはおもにに停車するために使われるという点で異なっています。
排気ブレーキは、ブレーキペダルを踏んで作動する油圧ブレーキやエアブレーキとは構造が異なり、エンジンの出す排気の流れを利用することで重たいクルマを減速させる仕組みです。乗用車のエンジンブレーキが強力になったようなイメージです。
※ ※ ※
大型車の車重は乗用車よりも非常に大きいため、油圧ブレーキやエアブレーキだけを使っていると、フェード現象やベーパーロック現象によってブレーキが効かなくなってしまいます。
そのため、減速するためのブレーキとして排気ブレーキを使い、停車するためのブレーキとして「プシュー」と威圧的なサウンドを放つエアブレーキを使い分けているのです。
■予想外な動きも!? 気をつけたい大型車の動き
大型車のような車両重量が重いクルマが荷物を満載していれば、乗用車のように急な車線変更や急停車はほぼ不可能です。
そのため、事故に巻き込まれたり、事故を起こさないためにも、周囲に大型車が走っている際は注意が必要です。
では、どのような場面に注意をすればいいのでしょうか。ある自動車教習所のスタッフは、以下のように話します。
「大型車は一般の人が乗る乗用車と違い、キビキビと走れません。死角も多く、注意が必要となります。大型車の教習の際には、トラックやトレーラーの後端感覚を掴んで頂く内容が多く、大型車ならではの内輪差や、バック駐車の練習がメインとなっています」
大型車が曲がる際や、バックで駐車しようとしている場合には、周囲のクルマや歩行者も注意をする必要があることが伺えます。また、あるレンタカー店のスタッフは以下のように話します。
「車間距離は十分に取った方が良いです。大型車は急に止まることができません。大型車の加速が著しく遅い場合は、相当な重さの荷物を積んでいると考えられます」
たとえば、大型車の前を走行している場合は、ブレーキをいつもよりも早めに踏んで、後続の大型車に停止の意思表示をするのも良いでしょう。また、大型車の後方を走行している場合は、不必要に距離を詰めないよう、いつも以上に気をつけるのも有効です。
※ ※ ※
2019年7月に新東名高速道路において、大型車の前で急ブレーキを踏むなどのあおり運転の事例がありましたが、荷物を満載に積んだ大型車であれば、止まりきれずに追突してしまう危険性もあります。
周囲に大型車がいるときは、いつもよりも余裕を持った運転を心がけましょう。それが事故を起こさず、事故に巻き込まれないことに繋がるかもしれません。
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正直引き釣り降ろしてボコボコにしてやりたい。