■シェアリングサービスの認知度は高くなっている
急激な広がりをみせている「シェアリングサービス」ですが、自転車や住まい、オフィスと多種多様なジャンルにまで及んでいます。とくに若年層にとってクルマは、「買う」から「シェアして使う」にシフトしてしまいそうな勢いです。
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経団連や経産省などの議論がニュースになっていますが、自動車に掛かる税金や維持費について日本は諸外国に比べ明らかに高額で、若年層や低所得者は購入を思いとどまっている状況です。
そこで、気軽にクルマを借りられるカーシェアが台頭してきました。サービス内容としては、会員が複数台をシェアして使い、使用した距離や時間によってお金を払うというもの。
クルマを借りるという点では、レンタカーとの大きな違いはありませんが、店舗などで手続きをする必要がなく(会員登録は必要)、鍵の受け取りや返却もないので、気軽にクルマを借りられるのがカーシェアの特徴です。
利用料金はサービスを提供する会社によって異なりますが、15分で200円から400円といったところです。そのほかに初期の会員カード発行料や月額基本料金がかかりますが、燃料代や保険料が掛からないので、月に複数回、かつ、一回の利用が短時間の場合が多ければ、レンタカーを借りるよりも安くなるケースもあります。
どちらかというと、安さよりも15分単位で短時間でも借りられる手軽さや便利さが評価され、カーシェアサービスは都市部で急激に拡大してきました。
では、実際にどのくらいの人がカーシェアを利用しているのでしょうか。実際にカーシェアサービスを提供しているパーク24が、自社の会員8930人を対象に調査を行ないました。
■カーシェアの利用率は高いが、さらなる増車と拡充が必要
まず、シェアリングサービスを使ったことがあるのは、全体で38%でした。そのなかでも20代以下では、53%がなんらかのシェアリングサービスを利用したことがあると回答しています。
また、シェアリングサービスを利用したことがある人の81%が、カーシェアを使ったことがあると回答。2番目に多いサイクルシェアが15%となっていますから、いかにカーシェアが浸透しているかがわかります。
カーシェアを利用する理由としては「便利だから」が65%とトップで、ほかに「節約になるから」「移動が楽になるから」がそれぞれ45%前後となっています。
今回のアンケート結果から、“シェアリングサービス”という言葉の認知度は高まっているものの、移動に関するサービスにおいては、利用経験がある人は40%弱にとどまっていることがわかりました。
「便利そう」「節約になりそう」というイメージがあっても、利用に至らない要因としては、サービスの詳細がわからなかったり、近くに使える場所がなかったりといったことが想定されます。
ただし、若年層になるにつれ年代別の利用経験者の割合は増えているので、とくにカーシェアは若年層向けに伸びしろがあるサービスです。
※ ※ ※
今回調査を行なったパーク24は「身近な場所にサービスがあると感じていただけるよう、カーシェアリング車両数および駐車場数の拡大に努め、“クルマを使いたいときに使える”、“停めたいときに停めたい場所に停められる”環境の整備を推進してまいります」と語っています。
クルマ自体は中古車など安く買えますが、維持に年間数十万円も掛かってしまう状況を抜本的に変えていかないと、自動車製造業が日本の基幹産業でなくなる時代か来るかもしれません。 【了】
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