セパンテスト初日は、春節真っ最中の旧正月二日目である。春節といえばライオンダンスがつきものだが、MotoGPマシンの轟音が響くセパンサーキットのパドックでも、ポールの上で二頭の獅子がアクロバティックに舞い、時ならぬ正月気分を漂わせていた。
さて、既報のとおり、初日結果はマルク・マルケス(Repsol Honda Team)がトップタイムを記録した。
脱臼がクセになっていた左肩を昨年12月に手術し、今回のテストに向けて連日のリハビリを続けてきたマルケスだが、「1~2周なら乗り方を工夫してうまく走れるけど、ロングランはまだムリ」と話すとおり、まだ完璧といえる状態ではないようだ。
■ セパンテスト開幕、負傷明けのマルケスが最速タイム。中上7番手
初日の走行は「量より質」と29周で早めに切り上げ、「特に厳しいのは、左から右へと切り返す5~6コーナーと12~13コーナー。ブレーキングでは9コーナーと15コーナーがいつもより早めにブレーキしなければならないけれど、右コーナーはいつもの乗り方で走ることができる」と、自らの走りを振り返った。
他の選手たちはまだ走行を続けており、夕刻に向けて路面温度が下がって走りやすくなる時間帯を残していただけに、「きっと最後は誰かがタイムを更新してくるんじゃないかな」と話していたのだが、結局、テスト一日目は誰もマルケスのタイムを上回ることがなかった。
ホンダ勢は、上記のマルケスが肩の手術明け、チームメイトのホルヘ・ロレンソは左手舟状骨を骨折して今回のテストを欠場、LCR Honda CASTROLのカル・クラッチローが昨年終盤戦に負傷した右足首治癒の途上、と陣営全体が満身創痍のような状態だが、さらに故障者リストに一名が加わることになった。Repsol Honda Teamのチームマネージャー、アルベルト・プーチ氏が、今回のテスト参加を見送ることになったのだ。
プーチ氏のケガの詳細は今のところ公には発表されていないが、どうやら腕を骨折し、腰か臀部のあたりを強打した模様。とはいえ、監督不在でも、回復途上にあるマルケスがまだテスト初日とはいえトップタイムなのだから、負傷者続きでホンダ陣営に死角が兆した、とはおそらく誰も考えていない様子だ。
たとえばこの日3番手タイムだったマーヴェリック・ヴィニャーレス(Monster Energy Yamaha)は、マルケスとロレンソのふたりが開幕戦ではまだ100パーセントの体調でない可能性も高いこの状況は自分たちに有利だと思うか、と問われた際に、「今日も有利じゃなかったんだよね」と逆説的なジョークで返した。
また、昨年と一昨年にチャンピオンを争ったアンドレア・ドヴィツィオーゾ(Mission Winnnow Ducati)は、「開幕戦ではひょっとしたら有利かもしれない。でも、マルクは"アニマル"だと皆がわかっているから、限界があるようには見えない。とはいえ、外から見るのと違って彼の体調がじっさいにどうなのか、開幕戦がどんな感じになるのかは、まだちょっとわからないね」と、いかにもこの人らしい沈着冷静な見方を示した。
順位は前後するが、初日2番手だったアレックス・リンス(Team SUZUKI ECSTAR)は、まずまずの一日だったと振り返り、「明日は空力面で新しいフェアリングと、電子制御も試したい」と翌日にトライする予定のメニューを述べた。
昨年までリンスのチームメイトだったアンドレア・イアンノーネは、今シーズンからアプリリアへ移籍している。コンセッション(優遇措置)適用陣営のため、今回のテストに先だつテストライダー用シェイクダウンテストにも参加し、3日目の2月3日には走行もしているが、このときから不調を訴えていた歯の痛みがいまだに改善しないようで、今日は周回数も36周と少なく、順位は21番手。虫歯なのか歯肉炎なのか詳細は不明だが、いずれにせよ口腔の痛みは鎮痛剤などで紛らわせることができない場合も多いため、憂鬱で気の晴れないテスト初日になってしまった。
日本人選手の中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、マルケスから0.537秒差の2分00秒158で7番手タイム。特にセクター4の改善が課題、と走行終了後に話し、「明日の二日目は1分59秒台に入れたいですね」と明るい口調で締めくくった。
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