フルモデルチェンジしたジープの新型「グランドチェロキー」に小川フミオが試乗した。3列シート仕様の「L」の印象とは?
ワゴニアにインスピレーション
29歳、フェラーリを買う──Vol.139 買い換えるとしたら……
モノには味が欲しい。工業製品なんて言われているクルマでも、どこかしらドライバーとつながる感覚があると嬉しいもの。そんなクルマを求めているひとには、ジープの新型グランドチェロキーLを勧めたい。
2021年12月に発表され、2022年2月19日発売予定のグランドチェロキーLは、全長5200mmと余裕あるサイズを持ったSUV。今回、約10年ぶりのフルモデルチェンジで、内外装ともに質感があがるいっぽう、ストローク感のあるサスペンションシステムがもたらす、独特な乗り心地が、ほかに類の少ない個性を感じさせてくれる。
「エクステリアは、1963年に誕生したラグジュアリーSUVの草分け、ワゴニアにインスピレーションを得ています」
ジープの日本法人が用意したプレスリリースにはそう記してある。
いや、オリジナル・ワゴニアは丸型4灯式ヘッドランプだし、縦スロットのパンテオングリルだし……と、心のなかで異を唱えつつ、じっくり見てみると、要は、大きなグリルやクローム使いなど、トルクたっぷりで力強い内燃機関搭載のSUVという、多くのクルマ好きが心躍らせるキャラクターが守られているということかも……と思いあたった。
本国では、ただし、「グランドチェロキー4xe(フォーバイイー)」なるプラグ・イン・ハイブリッドモデルも同時に発売されている。それでも今回東京で、3604ccもあるV型6気筒DOHCエンジン搭載モデルをドライブしてみると、米国車エンジン車が持つ独特の味がちゃんとある。日欧のヨンクとは一線を画す感覚は魅力的であると思うのだ。
個性的な乗り味がイイ
最高出力は210kW(286ps)、最大トルクは344Nm。数値だけみていると、日欧にもこの程度のパワーのSUVはいろいろあるよ、と、言いたくなる。でも、グランドチェロキー(操縦したのは「サミットリザーブ」)には、独特のキャラクターが確立されていると感じられるのだ。
まずアクセルペダルを踏み込んだとき。米国車ならでは(とひとくくりにしてはいけないが)最初の踏みこみ量に対して、予想以上に大きな力が出る、いわゆるストールトルク比の設定が、日欧とはちがう。今回のグランドチェロキーLも、走り出しに太いトルク感がある。
ステアリング・ホイールはやや重めの操舵感で、かつ、操舵の感覚はややあいまい。ポルシェのように、つねにステアリング・ホイールを介してドライバーがタイヤとダイレクトにつながっているような感覚はない。ステアリング・ホイールを動かせば、ちゃんと反応するが、路面からの入力は適度にカット。クロスカントリー型4WDっぽい。私は嫌いじゃない。
高速では、ボディは軽くゆっさゆっさというかんじで少し揺れる。オフロードを得意とするクルマでおなじみの感覚だ。悪路で車輪が接地性を失わないように、なるべくサスペンションが長く伸びるようにした結果だろう。
試乗した「サミットリザーブ」は「クアドラリフト」と名づけられたエア・サスペンションが組み込まれていたが、それでも、“ゆっさゆっさ感”がある。
高速で不安定か? というと、まっすぐ走るし、クルマがどこを向いているか、ステアリング・ホイールを握っているドライバーがドキッとするような場面も皆無。多少の揺れと、路面の凹凸によるショックは、とくに後席乗員には大きめに感じられるものの、基本的にはフラット・ライドで、そして意外なほど静粛性が高い。
回転があがると、エンジンルームからの音や排気音もそれなりに聞こえてくる。ただし、音の“丸め方”が上手で、不快さはいっさい感じられなかった。たっぷりしたトルク感によるドライブ感覚にぴったりの太めの音が室内に(それほど大きくなく)聞こえてくるのも、せっかくならキャラがたっているクルマに乗りたい、と、思っているひとには嬉しいはず。
クラシカルな雰囲気と現代技術の融合
今回は、2モデルとも3列シートがそなわる。ただし「リミテッド」は2列目シートがベンチタイプの3人がけなので7人乗車可能。いっぽう「サミットリザーブ」の2列目シートにはキャプテンタイプが採用され2人がけゆえ6人乗りだ。3列目シートは橫方向がタイトだけれど、おとなも短時間なら乗っていられる。アクセスも悪くない。
インテリアの造り込みは気合いが入っている。水平基調のダッシュボードこそ、いまの北米のトレンドにのっとったものだろうが、ウッドとクロームなど、素材の選びと組み合わせ方に、やはり個性がある。
クラシカルな雰囲気のなかに現代的な技術が組み込まれているのが面白い。8段オートマチック変速機のコントローラーは、ちょっとジャガーを思わせる円筒型だし、ダッシュボード中央には10.1インチのモニタースクリーンが設置され、インフォテインメントシステムを操作できるようになっている。
「サミットリザーブ」は、「リミテッド」が18インチ径ホイールを履くのに対して21インチと見た目もりっぱ。加えて装備が豊富だ。アクティブドライビングアシスト(車線維持支援機能)は前者の専用装備。ほかにはハンズフリーパワーテールゲートやパノラミックサンルーフなどがあげられる。
個人的には、「サミットリザーブ」に装備されるマッキントッシュ(オーディオメーカー)の18スピーカーとサブウーファーで構成されたオーディオシステムに興味があった。
1990年代にスバル「レガシィ」で採用されたときは驚いたものだ。いまはジープのいくつかの上級車種に採用されている。
オーディオ・ファンの憧れともいえるロゴがほこらしげに車内のスピーカーにプリントされているのも嬉しい。センターモニターに、マッキントッシュのパワーアンプの特徴である「ブルーアイズ」(青く照明された出力メーター)も表示出来る。意味があるかといえば意味はないのだけれど、オーディオ好きをとなりに乗せて、ブルーアイズを見せるとかなり驚かれるだろう。あいにくテスト車では体験がかなわなかったが、はたしてどんな音を聞かせてくれるのか大いに気になる。
グランドチェロキーLサミットリザーブの価格は、999万円。リミテッドは788万円となっている。
文・小川フミオ 写真・田村翔
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みんなのコメント
日本でこのサイズ、さらにはこの日本価格では、、、
ランクル4年待てない人がヤケクソでこっちに矛先変える需要とか??