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Sクラスやベンテイガへ迫る訴求力 レクサスLMへ英国試乗(2) 革新的なワンボックスの高級モデル

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Sクラスやベンテイガへ迫る訴求力 レクサスLMへ英国試乗(2) 革新的なワンボックスの高級モデル

個室のように静かで広々とした車内

レクサスLMで、多くの役員と一緒に移動する必要があるなら、7シーターが好適。リアシート前の48インチ・モニターが、14.0インチのフリップダウン・モニターへ置き換わり、冷蔵庫なども省かれるが、車内は広々としたままだ。

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2列目だけでなく3列目でも、大人がリラックスできる空間が確保されている。前方の見通しが良くなり、4シーター仕様より開放感も増す。

3列目のシートは折り畳め、必要に応じて荷室の容量を広げられる。ただし、高級車に相応しい処理とはいえないだろう。

走行中の車内は、個室のように静か。リア・サスペンションは路面の凹凸を滑らかにいなすダブルウィッシュボーン式で、アクティブ・ノイズキャンセリング機能も実装される。余程大きな騒音が外で放たれていない限り、乗員の耳へ届くことはない。

風切り音などは僅かに聞こえるが、ラグジュアリーな雰囲気を濁すほど、車内へ響くことはない。レクサスの技術者によれば、ストレスを感じるような極度の沈黙をあえて避けたのだという。

車内には実際に押せるハードスイッチなどが残され、いずれもが高品質。豪華さを高めている。タッチモニターへ集約することが、最善の解決策ではないことを示している。

目を閉じてノブを動かせば、シートのサイドサポートを望ましい位置へ簡単に設定できる。音楽のボリュームも悩まず変更できる。リラックスしたオーナーの気分を乱すことはない。

馴染みやすさや使い勝手へ配慮された前席

フロントシート側はというと、リアシートとは異なるコンセプトでデザインされている。新しいNXやRXと同じ、馬の「手綱」というテーマを掲げ、設えられたそうだ。

レクサスが表現する手綱とは、運転中のドライバーが手や目線を大きく動かすことなく、必要な操作を行え、前方の道路へ集中し続けられるレイアウトを意味する。うっかり舗装の剥がれた穴を通過し、リアシートのシャンパンをこぼすわけにはいかない。

確かに、センターコンソールは手もとの高い位置へ伸び、インフォテインメント・システムのインターフェイスも入念に練られた印象がある。マルチファンクション・ステアリングホイールも、直感的に各機能のボタンへ触れられるように感じた。

リアシートほどの豪奢さはなく、馴染みやすさや使い勝手などが重視されている。1日中、慎重に運転をし続ける環境として、価値あるデザインだといっていい。

加えて、フロントシートの快適性はリアシートに劣っていない。座り心地が良くサポート性に優れ、調整域も非常に大きい。

運転支援システムも多機能。運転の邪魔をすることなく、しっかりアシストしてくれる。長距離をこなす運転手にとっては、心強いはず。

2.5L直4ハイブリッドで250ps 燃費は14.2km/L

英国仕様のパワートレインは、レクサスNXやRXと同じハイブリッド。試乗車の場合、2.5L直列4気筒ガソリンエンジンに、2基の電気モーターが組み合わされ、システム総合で250psを発揮する。

速いと表現できる動力性能は持ち合わせないが、乗用車的に加速はできる。四輪駆動では0-100km/h加速を8.7秒、前輪駆動は9.1秒でこなし、充分な瞬発力を備えている。

大柄なボディでありながら、市街地での取り回しも悪くない。グラスエリアは大きく、大きなサイドミラーが斜め後方の確認を助ける。最小回転直径は11.6mで、駐車支援システムも実装し、狭い駐車場での気遣いを減らしてくれる。

運転体験の足を引っ張っているのが、レクサスのハイブリッドらしくCVT。静かで滑らかな加速を得られる、理にかなった選択だとは理解できるが、登り坂や高速道路での追い越し時にはエンジンノイズが高まり、ラグジュアリーとは呼びにくい。

都市部を流れに合わせて走らせている限り、殆ど気にはならない。とはいえ、3t近くある車重が、2.5Lのハイブリッドには重荷なことは間違いないようだ。

エネルギー効率を高めるため、EVモードも用意される。その静けさを知ると、プラグイン・ハイブリッドや完全な電動パワートレインの方が、理想的な選択だったのではないかと感じることも否めない。

WLTP値での燃費は、14.2km/L。LMの車格を考えれば、驚くほどの効率といっていいだろう。

i7やSクラス、ベンテイガなどへ迫る訴求力

LMが、魅力的な高級車であることは間違いない。だが欧州の富裕層やご要人には、高級車は巨大なサルーンやSUVであるべき、というイメージが根強いことも間違いない。レクサスのワンボックスカーへ乗り換えようと考える人は、限定的だと思われる。

それでも、BMW i7やメルセデス・ベンツSクラス、ベントレー・ベンテイガなどへ迫る訴求力を筆者は感じた。革新的なラグジュアリー・モデルとして、LMは独自のポジションにある。1度、4シーター仕様のリアシートで過ごされてみてはいかがだろう。

レクサスLM(欧州仕様)のスペック

英国価格:8万9995ポンド(約1628万円)から
全長:5130mm
全幅:1900mm
全高:1945mm
最高速度:−km/h
0-100km/h加速:8.7秒
燃費:14.2km/L
CO2排出量:−
車両重量:−kg
パワートレイン:直列4気筒2494cc自然吸気+電気モーター
駆動用バッテリー:−kWh
最高出力:250ps
最大トルク:24.2kg-m
ギアボックス:E-CVT

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みんなのコメント

12件
  • hir********
    一見豪華そうに見える内装だけど、ベンテイガの内装の美しさとは雲泥の差。
    エンジンもこの価格帯で4気筒とか・・・
  • tak********
    伝統を重んじる欧州よりもアメリカの方がウケるかも。レクサスもすぐに受け入れられたからね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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